ドイツがアフリカ勢に苦戦した理由についてアレやコレや推測してみる【ドイツvsアルジェリア】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■ドイツ 2 vs 1 アルジェリア[WC準決勝  07月01日]

ドイツが、例によって例のごとく攻め立てます。ボールを保持します。問答無用のポゼッションサッカー。それに対してアルジェリアは切れ味鋭いカウンターで相手守備陣を脅かす。まさに教科書どおりの構図で試合は進みます。で、出来としては、ドイツがあまり宜しくなかった。中盤でボールを失いまくっていたのですね。あれだけ簡単に失い、かつ、いつものようなオートマティック回収ができないとなると、さしものドイツもリズムを生み出すことができない。

 

 

とはいえ、前半も40分を過ぎる頃には、いつものドイツに戻っていく。サクッと相手ボールを奪い返して、ガンガンにパスを回して、相手のえぐいところを突いていく。「ドイツは、こうでなくっちゃ!」ってシーンも増えました。後半に入ると、ドイツはシュールレを投入し、さらに畳み掛ける。ポゼッション率とか、相手を圧倒する感じは、すっかり「いつものドイツ」。ストライカー然としたシュールレが、よいアクセントになっていましたね。

 

 

後半もなかばを過ぎたところで、ドイツはムスタフィが傷めて交代を余儀なくされます。ただ、これはいわゆる怪我の功名ってヤツだったかもしれません。あの交代によりレーブ監督もラームを右SBで使うという踏ん切りがつきましたから。結果としてドイツの攻撃は、ますます滑らかになっていく。ゴールが決まるのも時間の問題、火と思われたのですが、そこで立ちはだかったのがアルジェリアGKのムボリ。フィジカル系のGKらしく、1対1には滅法強かった。ムボリの牙城が崩されないまま、試合は延長戦へ突入します。

 

 

 

さて、延長に入るとドイツが底力を発揮。延長戦が始まって、わずか2分、左サイドに流れたミュラーペナルティエリア内にドリブル突破で進入して折り返すと、走り込んできたシュールレがヒール気味のテクニカルなシュートは流し込みました。ここまで奮闘してきたアフリカの雄も、さすがに足が止まる。延長の後半にはヘロヘロになったところでエジルに決定的な追加点を許しました。このあたりのゲームコントロールを見ていると、ホント、ドイツは勝ち慣れている。

 

 

けれどもアルジェリアは最後まで試合を諦めません。メンタル的に切れない。驚異的な精神力を発揮し、なんと試合の最終盤に1点を返すことに成功します。いやぁ、ドイツを向こうに回して、堂々と延長戦にまで持ち込んだだけでも十分にアッパレなのに、延長戦に入ってから2点のリードを許すという絶望的なシチュエーションで、それでも1点を返すんですから、その戦う姿勢、我らがサムライブルーも大いに学んでいただきたいところでした。

 

 

 

この試合の10分過ぎだったでしょうか、エリアの外にまでノイアーが飛び出して、ストッパー顔負けの対応で相手のドリブルをクリアするって場面がありました。ノイアーの面目躍如ともいえますが、危険なシーンを作られたともいえます。また、わずかにオフサイドになりましたが、スリマニの幻のゴールもありました。つまりですね、アルジェリアが良かったのですよ。ドイツはGLでもガーナに苦戦しましたし、アフリカ勢が苦手なのでしょうか。

 

 

ドイツ代表のサッカーというのは、かつてのバルサのサッカーや現在のバイエルンのサッカーに近いわけですが、とにかく圧倒的にポゼッションし続け、クリアされても次の瞬間には攻め返して元の木阿弥にしてしまうことで、相手のメンタルを破壊してしまうところにある。三途の川で子供が積んだ石を崩してしまう鬼さんサッカー。なのでメンタルが繊細な相手ほどダメージはでかいわけですね。逆にいうと、「頭がカラダを動かせる」ではなく、「考える前にカラダが勝手に動く」ってチームにはしたたかに対応され続けるのかもしれません。