逆にレナトが目立っていた川崎vs鳥栖(10月22日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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さりげなく上位対決。この結果によって、ますますACL圏内争いが混沌とすることとなった一戦でございます。

 

 

■前半

 

何年か前にも書いたんですけど、ワタクシ、初めて等々力に行ったのは、川崎vs鳥栖でした。尤も、当時のフロンターレはJ2にいて、相手の鳥栖は経営がグッチャグチャ。観客は3千人くらいでしたかね。それがいまや、平日の雨でも1万人超えですよ。一時期、等々力では「席つめタイム」的なことをやっていたと思いますが、やめちゃったんですかね。悪質な席取りが横行してましたよ、S席。油断すると、良き伝統なんてあっという間に忘却されていくものです。

 

 

ともあれ、試合内容をば。川崎は例によって、丁寧にトラップして丁寧にパスを繋いでいくサッカー。基本に基づいて三角形を作り、右辺の先と左辺の先をしっかり確認した上で、通しやすい方にパスを出していく感じ。受け手に確実に届くことを重視しますから、ハイボールは「禁止令でも発令されてるのか?」ってくらい出てこない。終盤に投入された憲剛なんかはロングキックも蹴っていましたから、「正確性優先」の中で自粛しているだけなんでしょうけど。

 

 

一方の鳥栖については豊田をターゲットにハイボールをどんどん蹴り込んでいくイメージがある。あるのですが、実際にはあまりそういう感じではなかったですね。球足の長いパスは多かったですけど、それは相手SBの裏を突くグラウンダーのパスであって、いわゆるロングキックではない。また、鳥栖といえば「しっかりリトリートして粘り強く守る」というイメージもあったのですが、この試合では、ラインがなかなか高かった。

 

 

ラインが高くて、ロングキックでなく球足の長いグラウンダーのパスで一発を狙う。・・・これって、関塚監督の時代の川崎が得意としていた必殺のショートカウンターサッカーではありませんか。もしも憲剛が鳥栖に所属していたら、めちゃめちゃえげつないキラーパスを連発していそう。ともあれ、フロンターレはもとより、鳥栖もロングキックを蹴らないから、雨でスリッピーだというのに全くもって空中戦のない前半戦となりました。

 

 

■後半

前半をスコアレスで折り返したわけですが、後半の早い時間帯に均衡が破れました。エリア内で他の味方選手とポジショニングがかぶった田中が、ケガの功名でうまく相手のマークを混乱させて決めたゴール。本来、川崎というのは「適正なポジションを取ること」至上主義でやっていると思いますが、その適正なポジショニングが崩れた結果、相手に隙が出来てゴールが生まれたのだから皮肉です。それこそサッカーの本質といえるかもしれません。

 

 

さて、話は変わるのですが、前半の半ばくらいに大久保がボールと無関係のところで相手マーカーともつれ込んでうずくまるというシーンがありました。遠目からは意味不明、ともあれ、このときはファールを取ってもらえず。この場面を初めとして、前半はフロンターレサポーターのフラストレーションが溜まるジャッジが目立ったんですけど、その溜飲を下げさせるように、後半になると鳥栖に厳しいジャッジが下されて、大黒柱の藤田がイエロー2枚で退場してしまった。

 

 

それによって、一気に川崎のペースとなったのですが、その中で今ひとつ流れに乗れなかったのがレナト。あれだけ強引にシュートをうち、あれだけ周囲にお膳立てしてもらっておきながら、ゴールが奪えない。そんなレナトと対照的だったのが日本代表の小林悠。この試合では大久保とレナトの引き立て役として黒子に徹していた小林。そんな彼が、唯一、エゴを出したのがミドルシュートのシーンで、それがスポンと決ってしまうのだから、サッカーは面白い。

 

 

1人少ない相手に2点のリードですから、川崎としてはもはや余裕です。しかも、バランスを崩した相手というのは川崎にとって大好物。そりゃもう、次から次へと決定的なチャンスを作っていきましたよ。そして、それを次から次へとレナトが外していきましたよ。終盤にはレアルやバルサの勝ち試合を見ているような余裕のパス回し。パスを回してマイボにしておけば失点しないの理論を実践して、2ー0のままクローズさせました。

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

林彰洋

 

□推薦理由

この日、川崎のゴールマウスを守っていたのは杉山。雨天でスリッピーななか、クロスだかシュートだかをキャッチしようとしてファンブルするなど、危なっかしさを否めないパフォーマンス。またキーパーチャージを貰いがてら豊田に向かって飛び込んでいったら、逆に自分が跳ね返されてしまったり。普通、キーパーチャージとなるようなプレーではキーパーが相手選手に覆い被さるような体勢になるものなのですが、返り討ちに遭うって・・・。

 

 

また、杉山はキックの安定感にも欠いていました。ボール質も良くないしコントロールも微妙。というか、相手方の林彰洋が圧巻すぎたのですよ。特にキック。なんというんですかね、地キック力が違う。八分目のパワーで蹴るから、とても自然な球筋のボールが飛んでいく。それでいて、エラい飛距離がある。西川周作とはまた一味違うのキック能力なんですよね。不十分な体勢でもあれだけ大きくクリアできれば味方も助かることでしょう。