まあ、鳥栖が良かったということで〜柏vs鳥栖(7月11日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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珍しく友人と観戦してきました。

 

■前半

 

前半のうちに鳥栖が3ゴールを奪ったのですが、どちらかというと鳥栖が良かったというよりも、柏の自滅でしたかね。吉田さんが率いるようになった今シーズンのレイソルは、日本人的ベタともいえるショートパスサッカーを志向している模様。ティキタカよろしくな、「正確なショートパスのコンビネーションを90分間続ければ、自ずと結果は付いて来る」という考え方ですね。

 

 

こういうサッカーの陥りがちなパターンとしては、「パスは繋げどもシュートは決まらない。というか、そもそもシュートが撃てない」ってヤツと、「そうこうしているうちにカウンターやらセットプレーやらミスでやられる」ってヤツなのですが、この試合のレイソルは、まさに、そのパターンのフルコース。1点目はコーナーキックに合わせられたヘディングでのゴール、2失点目は最終ラインのお粗末なミスから、そして、3失点目は美しすぎるカウンターの餌食になったものでした。

 

 

それにしても、レイソルの歯車は宜しくないですね。降格するチームにありがちなデフレスパイラルが発生している。まず、何がデフレスパイラルかって、普通、前半だけでCBとGKが負傷交代を余儀なくされますかね。 そして、3失点目ですよ、3失点目。あのゴールは素晴らしかった。右サイドをフリーで駆け上がる水沼を完全な囮として、一見マークが付いていそうな豊田へと完璧なスルーパス。鎌田のファンタジーが炸裂したゴールだったんですけど、レイソルからしてみれば、「よりによって、この試合で数試合に一度のプレーが出なくても…」ってなものでしょう。こういう、不運というか、弱り目に祟り目が続出するってのは、ヤバいですよ。まさに、負のスパイラル。

 

 

 

■後半

でも、吉田監督としても、ただ手をこまねいているだけではありません。ハーフタイムを境に、チームを蘇らせます。少し選手の配置をいじってきました。アンカーに入っていた秋野を、0.75列下げて、3バック風にしつつ鎌田をマークさせる。で、両SBを押し上げるとともに、サイドでキムチャンスのスペースを消してしまっていたクリスティアーノをFWに上げて、セントラルに入れました。

 

 

この布陣変更は効果的で、キムチャンスがガンガン上がっていき、チャンスを量産。圧倒的な柏ペースに持ち込むと、フリーキックのチャンスでクリスティアーノが直接ゴールを揺らせて反撃の狼煙をあげる。さらに、その後もレイソルが攻める。ピッチの雰囲気も味方にしつつ、PKを獲得すると、再びクリスティアーノが決めて1点差に追い上げます。この時間帯の柏は、キムチャンスめがけてのサイドチェンジなど、適切にロングキックも織り交ぜていましたので、リズムが良かったです。

 

 

守勢に回った鳥栖の森下監督は、コンダクター鎌田を下げて、汗のかける早坂にスイッチ。さらに、アタッカーのペクソンドンに代えて、アンカータイプの岡本を投入します。選手交代によって前線の運動量を補充するとともに、サイドの守備をテコ入れ。その結果、気づいた頃にはキムチャンスも輪湖もスペースを消されており、レイソルの突破口であったサイドに蓋がされてしまいます。

 

 

また、1点差と追い上げられたことによって、鳥栖は、ここ数年前で積み上げられてきた、「守りきる」というスタイルでいくことの意思統一が図られた模様。ここからの逃走劇は、あるいは森下監督が目指すものとはかけ離れてしまっているかもしれませんが、実に貫禄があった。特に豊田。彼がフリックでロングボールを散らすことによって、確実にレイソルの攻撃リズムは崩されていました。信頼と実績の守備戦術で、鳥栖が1点のリードを守りきりました。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

・鎌田大地

□推薦理由

なんか、ナンバーだかスポルディーバだか、それ系のWebサイトで激賞されていましたね。なんでも「ボールを収めながら、ゆっくり間を作り、試合のリズムまで支配してしまうところが、若い頃の本田圭佑を彷彿とさせる」んだそうだ。確かに鎌田、背が高くてフィジカルも強そうなんで、本田っぽいっちゃ、本田っぽい。ただ、それ以上に、あの選手に似てませんか、と。

 

 

この試合を見た限りの印象ですけど、鎌田のプレースタイルって、たぶん純然たるファンタジスタではなさそう。俊輔や宮間みたく、寸分違わないピンポイントのパス精度で局面を打開するってわけではなさそう。フィジカルが強くて、ドリブルが上手いから、前向きでボールを運べる。だから視野が広い。その視野の広さによって相手の急所を突いていけるってイメージ。そうですね、中田英寿に似ているんですよ、本田圭佑というよりも。いずれにせよ、それだけのスケールを感じさせますので、順調に育っていってもらいたいところです。