明確な実力差〜ブリオベッカ浦安vsソニー仙台(6月5日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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フクアリに行ってきました。といってもジェフ戦ではなく、ブリオベッカ浦安ですけど。

■前半

JFLですからね、知らないわけですよ。両チームとも。こういうときは、とりあえず、フォーメーションの確認から始める。ホームのブリオベッカは4141だったと思います。433なのかもしれませんが、ピッチ上の現象から判断する限り、4141。キーパーの1番がいて、最終ラインは左から21・3・13・7という並び、8の村田がアンカーで、2列目は左から17・5・9・14。そして、1トップに11番。

 

 

対するソニー仙台は3421だったように思われます。キーパーが1番。最終ラインは左から2・4・22。中盤は8・18・19・24で、シャドーに10と17。トップが25でした。最初、22番がロングスローとかしていたので4バックかと勘違いしかけたのですが、3バックでした。4141と3421の対決ですので、大袈裟に言えば、モウリーニョvsペトロビッチと言えなくもないですけど、まあ、そんな感じ。

 

 

前半は互角に近い攻防が繰り広げられておりました。まず浦安はアンカーに入った村田翔がチームをオーガナイズ、長短の正確なパスと、このステージでは圧倒的な戦術眼でピッチに君臨していた。対するソニー仙台は、バリエーション豊かにジャブを放ち続けていましたが、中でも目立っていたのがシャドーに入っていた有間のドリブル突破。比較的ペナルティーエリアに近いところからゴールに向かって突破していくドリブルは、なかなか小気味よかった。

 

 

前後半を通じて言えるのは、両チームとも、展開の割にはシュートが多かったこと。たまたま両チームの個性やら噛み合わせやら的にそうなっただけなのか、そもそも、J1とかと比較したときに全体のレベルが落ちるからそうなるかは、サッカー未経験者なんでわかりませんが、ともあれ、ひょんなことからシュートチャンスを訪れた。そして、そんなときでも、中島と金子という両GKは集中力を途切れさせることなく、ファインセーブの応酬を見せてくれました。

 

 

■後半

ハーフタイムが明けて、後半に入ると、やおら、試合は動きます。ソニー仙台の25番が浦安のゴールをこじ開けました。このシーンにおいて、ソニー仙台は右サイドからのショートカウンターで完全に相手守備組織を打ち破りました。パーフェクトでしたね。アシストから換算して1つ前か2つ前に、縦のグラウンダーのクサビが入ったんですが、そのとき、浦安の中盤と最終ラインの間に、それはそれは綺麗なギャップが出来ておりました。

 

 

ゴールのシーンに象徴的なんですが、後半に入ると、次々とソニー仙台の縦パスが通るようになりました。グラウンダーで相手のギャップを突いたり、ロングパスをDF同士の横の隙間に通していったりと。最初、「これは浦安の側に問題があるのかな」なんて感じたのですよ。後半早々でしたから、運動量が落ちるのには早い時間帯ですが、メンタル面、すなわち集中力のスタミナが切れてしまっているということではなかろうか、と。

 

 

でも、よくよく見ていくと、浦安が不甲斐なかったのではなく、ソニー仙台のギアが1段上がったということではなかろうかと思われてきました。プレスの位置が明らかに高くなった。「キックオフ直後か!」と思わずツッコミたくなるような鬼プレスが後半になって発動していたのです。そして、先制点以降、攻めていてもソニー仙台の方が選手が多い、守っていてもソニー仙台の方が選手が多いという状態になっていった。つまり、ソニー仙台のフィジカル的な運動量が尋常じゃなかった、ということです。

 

 

こうなると、浦安は苦しい。前半は自由を謳歌していた村田翔も完全に消されてしまう。高い位置でガンガン奪いに来られるから、キーパーにバックパスしたり、苦し紛れにクリアという名のロングキックを繰り返したり。それでも時折、CFの竹中がストライカー然としたシュートへの意識で相手ゴールを襲うのですが、そんなラッキーパンチが決まるほど、この日のソニー仙台は甘くなかった。スコアこそ最小得点差でしたが、内容的にはソニー仙台の完勝だったと思います。

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

村田翔

□推薦理由

本論中にも何度か名前を出しましたが、この選手は元バリバリのJリーガーですよね。ソニー仙台はまさに“アマチュアの星”みたいな選手構成(ほとんどの選手は「前所属欄」が大学名)で、浦安も、竹中や南部などが該当するくらいで、それほど元Jリーガーは多くない。そんな中で村田翔は、水戸時代に西岡とWボランチコンビを組んでいた名手で、それなりに評価が高かった記憶があります。“製パス所”と言われていたのは、この選手でしたっけ?西岡の方でしたっけ?

 

 

プレースタイルは、日本では珍しい、ピルロだとか、シャビアロンソのように、低い位置にデンと構えて、長短のパスで攻撃を司るタイプ。FC東京の米本みたいな、走り回っての守備に特長のある狩人系の選手とコンビを組めば、相性は良さそう。阿部勇樹とか、レイソルの秋野とかがいますけど、こういう系の選手って、Jリーグにはあまり多くないですよね。“4番の選手”って表現するんでしたっけ? そんな希少価値を重視して推薦いたします。