□非効率的
久々に松本です。学生にとっての夏休み期間ですし、避暑地へ。今回はいろいろあって、松本空港行きの飛行機で現地入り。別に松本のサポーターでも讃岐のサポーターでもないので、観光に行くわけです。せっかくの信州ですから。スタジアムに入るのは直前で十分。っていうわけで、いったん松本駅に行く。……そうですよね、アルウィンは松本空港のすぐ隣。わざわざアルウィンから遠ざかって、そして後ほど改めてスタジアムに向かうという非効率。まあ仕方ない。
非効率的といえば、観光は大王わさび農場に行ったわけですよ。ええ、めっちゃ楽しかったですよ、はいはい。問題は戻りの電車。ダイヤ的に特急に乗ったのですが運賃が330円に対して特急料金は660円。これを非効率的と言わずして、何を非効率的と言うのか。わが故郷の近鉄特急は、だいたい運賃と特急料金が同じくらい。小田急のロマンスカーは、もっと安い。……JRの特急料金って高いですよね。なんとかならないものか。実に非効率的だ。
□名波浩への愛を語る
さて松本ですけど、調子が良いのかそうでもないのか、非常に微妙なところ。個人的には名波さんが好きなんで応援したい。1990年代の半ばは、中田英寿と名波浩が二大アイコンだったわけですが、ともにそれまでのスポ根的世界観とは一線を画すクールさを漂わせていた。その中でも、中田英寿は、言うならば「ムキになってクールであろうとしている」という雰囲気があった。それに対して名波さんは自然体のクールだったので、ホントに格好よかったのですよ。
話を戻してアウェイの讃岐。監督は西村俊寛さん。……知らん。すんまへん。名前だけから判断すると、密談がバレて最果ての地に島流しに遭いそうですけど大丈夫でしょうか。ついでに言えば、一緒に島流しになった他の面々が許されているのに自分だけは許されず絶望しそうですけど、大丈夫でしょうか?とにもかくにも健闘をお祈り申し上げます。
□序盤は讃岐優勢?
オンザピッチに目を移すと松本は3421というより352でスタートしましたかね。たぶん横山とルカオが2トップ。なんで中盤は逆三角形でアンカーがパウリーニョ。そうか、パウリーニョ、動き回る系のプレースタイルから構える系のプレースタイルにモデルチェンジしてたのか。で、松本の攻撃は横山の突破力であるとかルカオのポストワークであるとか、2トップを生かす感じ。
対する讃岐は8番の渡辺が左のWBで、10番の川崎が右のWB。なんか、乾が左で楠神が右のWBだった伝説の野洲高校を思い起こさせます。実際に、両WBが攻撃の組み立て所になっていましたし。ついでに最終ラインを見ると西野が左のCBを務めていました。若い頃にガンバでプチブレイクしてから坂道コロコロ状態のイメージだったのですが、ここにきてコンディションが安定してきたんでしょうかね。プレーや動きも滑らかでしたし、なんだか少し嬉しいぞ。
なお、試合は序盤、けっこう讃岐が圧倒してました。中村駿太と青戸翔の2シャドーがアンカー脇とかWB裏とか定石通りのスペースで自由を謳歌する。というか、松本のロマン先行系3CBが彼らを捕まえられない。松本守備陣って、決して球際が弱いってわけではないんでしょうが、なんというか、球際の腰が高い。なので捕まえた!ってところでスルリと逃げ出されてしまう。川とかで魚の掴み取りをしたらこうなる、みたいな感じで苦労していました。
□松本の底力
スコアは前半のうちに動きます。わりと雑に出した縦へのボールに反応した横山がアジリティを見せつけるように抜け出して、相手GKをふわりとかわしたループがそのままゴールネットに吸い込まれました。尤も、この先制点で注目すべきは横山の個人技だけでなく、セレブレーションの時間を使って選手たちが話し合っていたところ。おそらく、このタイミングを機に佐藤とパウリーニョがWボランチ気味にスペースを埋めて、菊井を守備の鉄砲玉として走り回らせるというやり方に微調整したものと思われ、それ以降、松本の守備がグッと安定しました。
追いつきたい讃岐は下川太陽から鯰田太陽へとスイッチ。鯰田という名字も珍しいですね。太陽という名前はそこまで珍しくないですけど、太陽から太陽へのスイッチというのは珍しいかも。また、選手交代を繰り返すなかで10番の川崎が右CBにスライド。CB対応可能の10番か。……ミシャ案件ですやん。来シーズンは札幌に個人昇格しているかもしれません。
松本は時間とともに防戦一方に。ルカオを下げたのが影響しましたかね。ルカオって実はなかなか献身的。守備では2列目の守備位置まで下がったりしますし、相手GKにプレッシャーをかけたりもする。決して守備が上手いわけではないのかもしれませんが、あの謎の圧力が前線から失われた影響は少なくないでしょう。それでも松本守備陣は崩れない。腰が高い分、弾き返す部分ではストロングが止まらないロマン先行CB陣が、ゴール前での強さを発揮する。何度かピンチを迎えながらも比較的淡々としのぎ続けて松本が虎の子の一点を守り切りました。