□試合前
この日は、午前中、鎌倉にちょいとだけ行ってました。以前から拝観したいと思いながらもコロナの影響で叶わなかった妙法寺が、ようやく参詣可能になったというので、早速、足を運んでみる。別名「苔寺」というだけあって、「苔の階段」が素晴らしかったですねぇ。「境内のあらゆるところが素人でもわかるレベルで苔だらけか?」っていうとそうでもないのですが、結界を張って立ち入り禁止になっている苔の階段は見応え十分です。
他にも仁王門とかあったりしますしね、苔の階段は登れないものの、脇からクネクネ登り道を辿っていくと小高いところに出て、そこからの眺望もまた美しかったですねえ。雨が降っていたので江ノ島こそ見えませんでしたが稲村ヶ崎が視界に飛びこんできて、桑田佳祐でなくてもジェーンに対して四六時中も好きって言うに違いないのです。
□両チームの現状
両チームの近況を確認すると、YS横浜は善戦しつつも、少しずつジリジリと順位を下げております。とはいえ、予算規模、クラブのあり方を踏まえると、これくらいが最大値のような気がしないでもない。特に前節は宿命のライバルとも言える(?)相模原との神奈川ダービーに完敗。ここからどれくらい立て直すことができるのか。「ほわーいジャパニーズぴーぽー」厚切りジェイソンなリヒャルト監督の腕の見せ所ですね。
対するのは熊本。大木さんが就任して、スタートダッシュにも成功。最近は少し勢いに翳りが見えつつありますかね。というか大木さんって、シーズン後半よりシーズン序盤、2年目3年目よりも就任初年が最も内容の良いサッカーを見せる傾向にあるような。大木さんが、やや尻すぼみになりがちなのは、ビエルサや風間さんと同じで、自分のスタイルに合う合わないの判別に容赦がないからでしょうか。結果として、季節を追う毎に「干されている」選手が増えていってしまう。ワタクシとしては田村翔太がそうでないことを祈るしかない。
□ピッチ上の両チーム
戦前のスポナビの予想では352のフォーメーションだったYS横浜ですが、4番の土館がアンカー7番の宮尾が右で8番の吉田が左、トップ下に6番の佐藤という、中盤ダイヤの442で攻めていたと思います。守備においては土館が最終ラインに吸収されて532っぽくなったりならなかったり、みたいな。
一方の熊本ですがJ2時代を知ってる選手はもはやほとんどいなくて、他のJ3クラブの例に漏れず多くが大卒ルーキーか2年目。という中で4123のインサイドハーフは岡本知剛と上村というJ2キャリアの豊富な二人がコンビを組んでいてチームを安定させていました。それから右SBの17番石川なんですが、めっちゃアフロでした。もともと地黒なのか日焼けしていたのか、肌色も褐色寄りだったので、一瞬、「む⁈助っ人外国人か?」見間違えてしまったよ。プレーは日本人らしいスタイルでしたが。
□注目点
さて、大木サッカーも年々上書きされているらしく、完全な5レーンサッカーをやってます。まずSBは疑似ボランチ化してハーフスペース担当になります。ゆえに攻撃参加は主にインナーラップとなる。攻撃では442のSHとボランチの中間的な役割です。ではインサイドハーフは何をしてるかというと、ポゼッションしているときは、セカンドトップっぽくなる。クサビについては、トップではなく両インサイドハーフが受けることが多く、1トップはその更に奥にいるイメージ。
で、サイドに張らずにカットインすることが近年のトレンドなウイングは、むしろ外に出る。第1・5レーンを担当するわけです。ゆえにクロスはほぼここから送られる。キャプテン翼で言うところの滝君です。このポジションの右には中原が入っていて、正直、とても良かったのですが、個人的に田村翔太を使って欲しかった。そうすると左ウイングの谷口と四中工先輩後半両サイドが完成され、そうすればスコアレスどころか、両者がオルンガして、16ー0で熊本が勝っていてのではあるまいか。
□試合展開
前半は予想通り熊本がYS横浜を押し込みます。シュートも多かったですが、とにかくクロスが多かった。その対策か、コンディションの問題点か、YS横浜は前半のうちにCBの選手を交代するハメに。とはいえスコアレスで折り返します。そうやって前半をしのいだYS横浜ですが、それでは後半になって立て直せたかというと、さにあらず。よりいっそうのハーフコート状態を余儀なくされます。
どうにか勝ち点をもぎ取りたいリヒャルト監督は、後半なかば過ぎに2枚使った残り3枚のカードを一気に切ります。……こういう“魂の3枚替え”って、もはや見慣れた光景になりましたね。ともあれ、そんな厚切りジェイソンの執念がGK大内に乗り移ったのか、雨あられと浴びせられ続けたシュートをファインセーブでかきだし続け、YS横浜が勝ち点1をもぎ取りました。