ミッドウィークの一戦は野津田へ。ホームの町田は…絶不調っすね。去年はJ1ライセンスがないにもかかわらず昇格圏の順位にあって、一部J1クラブの希望の星みたいなキャラを押し付けられるくらいの好成績だったのですが、今年はすっかり下位から抜け出せない状態でおります。去年からの変化として挙げられるのは平戸が鹿島にレンタルバックしていっていたことですかね。昨シーズンはゼルビアの大黒柱といって過言でない立ち位置にあった平戸が、満を持して鹿島に復帰。結果、ゼルビアは不振、平戸もなかなか試合に絡めていない。“レンタルバックあるある”と言ってしまえばそれまでですが、皮肉なものです。
対する新潟は、これまた大苦戦。いろいろあって、切り札的にアルビレックスシンガポールの名物社長を迎え入れましたが、苦労してます。しかも、シーズン途中に“お友達人事”的な監督交代をしちゃいましたからね〜。責任は重大です。最も、政府で一番偉い人の施策から判断する限り、お友達人事をすればするほどは支持率が上がる島国が、どこぞのイーストエンドにあるみたいですが。
この試合は平日だったのですが、お気楽極楽稼業のワタクシは17時とかに登戸にいたりしました。しっかし、知らないうちに登戸って、すっかり藤子不二雄タウンになっているのですね。ミュージアム的なものができて以降。その登戸から10分くらい歩いたところに「ムーンライト」というブルワリースタンドがあるのですよ。“ブルワリースタンド”という言葉があるかどうかは知りませんが、要するにビール醸造所のカジュアルな直営店です。
そこに行ったのですが、いやあ、あたり! まずね、安いのですよ。各ビールともSサイズは300円。これは、いわゆる“飲み比べセット”のサイズで、300円で穏当。でも、1つ上のMサイズがだいたいジョッキサイズで、しかも400円〜700円くらいの価格帯。激安でしょ⁈ パイントより一回り小さいとはいえ、下手したらパイント1500円くらいするこのご時世。500円前後でクラフトビールのジョッキサイズが飲めるのだから、そりゃ、もう、天国ですよ。
ほろ酔いになりながらメインスタンドに着席。ピッチを眺めると、まず目に飛び込んできたのは、バックスタンド裏の小高い雑木林の崖っぺりが整地されていたこと。たんなる自然災害予防上の措置だとは思いますが、実は、サイバーエージェントマネーによるスタンド改修の布石だとすれば、めっちゃテンション上がるんですけど〜、どんだけ〜、チョベリグ〜〜。
新潟については、レオナルド、フランシス、カウエというブラジル人トライアングルが強烈です。余りにも強烈すぎて、一瞬、「外人頼りのクソサッカー?」とか思ってしまうのですが、高木二男や戸嶋や、やたら多い渡辺姓の1号・2号などが要所を押さえているので、外人頼りというようなことはないのかな、と。
試合の展開ですが、前半は基本的に新潟が圧倒します。もちろん、ゼルビア名物“ワンサイドにやたら人を集めるサッカー”の片鱗が垣間見える場面もありましたし、散発的ながら鋭いカウンターも発動していたのですが、総じて町田のアタッキングは低調。攻撃の不振が守備陣にも伝染したのか、わりとイージーな局面でCBが豪快なクリアミスをぶっかましすと、そのままレオナルドに決められて失点。前半の終了間際にはコーナーから大武がヘディングを叩き込んで、新潟2点リードでハーフタイムを迎えました。
このまま新潟の圧勝なのかなぁと思いつつ始まった後半45分。町田は頭から中島と戸高を投入すると、これがものの見事に功を奏す。2人とも右サイドに入ったのですが(どちらが最前線でどちらが2列目かはかなり流動的)、中島があらゆる場所で起点となり戸高がテクニックで相手守備陣を翻弄する。新潟左サイドは前半のうちに渡辺1号(何号かは知らんけど)が負傷退場して堀米がスクランブル投入されていたのですが、まあ、ものの見事にペンペンにされてました。
後半は前半とは逆に町田が新潟を圧倒し、そして戸高のテクニカルに巻いたシュートが新潟ゴールに吸い込まれます。まるで俊輔のフリーキックのような、それはそれは芸術的な弾道。がぜん勢い付いた町田は、角度のないところから放ったロメロ・フランクの豪快なシュートで追いつきます。その前の佐野か誰かのスルーも魅惑的でした。そして、極め付きは中島の同点ゴール。ケイマンが岡崎ばりの泥くささで潰れて中島が押し込みました。
新潟に視点を移しましょう。あれだけ左サイドがペンペンにされ続けていたのだから、例えば左SHとして矢野を投入などするなどして守備を再整理すれば良いものの、そこには手をつけず。むしろ、より攻撃的な本間を左SHに入れて、矢野を右SHとして使ってきた。そして、その矢野が再び追いつく同点ヘッドを決めるのだから世の中わかりません。というか、矢野がカラダを張って町田における中島の役割を果たしたことで新潟がペースを押し戻していたことが同点劇のベースにあるので、矢野に関してはそちらの功績の方が大きいかもしれません。