なでしこダービーはスコアレスドロー!〜日テレベレーザvsINAC神戸(8月6日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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真夏の夢の島へ。“真夏の夜の夢”は我々世代の青春時代を直撃したユーミンの名曲です。

■前半

まずはポジションの確認。ベレーザのGKは山下。最終ラインは右から清水、岩清水、村松、有吉で、中盤は右から隅田、阪口夢穂、中里、長谷川。で、田中美南と籾木のツートップ。ちなみに田中美南の背番号は9番で、籾木は10番。9番と10番のツートップって、なんだかイングランドみたいじゃないか。ともあれ、読売のDNAを継承するチームらしく、伝統の442です。籾木と田中は縦関係っぽく見えなくもなかったので4411っちゃ、4411ですけど。

 

 

対するINAC。キーパーは武仲ですね、海堀なき現在。で、システムはスタメン表通りならば343なんですけど、決してそういう風には見えない。たぶん、4231だったのではあるまいか。最終ラインは右から守屋、甲斐、三宅、鮫島の並び。久しぶりに見た鮫ちゃんは、相変わらず女を感じさせる内股。中盤は田中明日菜とチョソヒョンがWボランチを形成。2列目に右から中島、杉田、京川が並んで、トップが増矢だったでしょうか。

 

 

この試合はカップ戦のグループリーグではあるのですが、そんなことお構いなしの好ゲームが繰り広げられました。それもこれも、ベレーザINACという組み合わせが為せる業。いまさら繰り返すまでもなく、この対決が、ここ数年間変わることない“なでしこダービー”。ミスも少ないし、意図の伝わってくるプレーが次々展開される。やっぱり面白いですよね。たとえ、思いっきり真夏の西日が逆行で襲いかかってこようとも、そんなもので色褪せることもない。

 

 

そんなダービーの構図は「INACがポゼッションして、ベレーザはカウンター」というもの。INACは少しフロンターレの風間サッカーに似ていますね。「まずはしっかりトラップしよう!」というところから始まる。それで、周囲の選手は丁寧に三角形を作ってパスを繋げていくような感じ。違いといえば、フロンターレはそこから中央突破を仕掛けていくことが多いのに対し、INACは基本に忠実な、「真ん中で起点を作って、サイドに振って」という指向性の高いところ。

 

 

 

■後半

スコアレスのまま折り返して後半に。前半は遠いサイドにいたのでよくわかりませんでしたが、やっぱり中島依美って上手ですよね。だてに日本代表の常連ではありません。シーズンによっては、INACだとサブに回ることもあったりしますが、どう考えてもクオリティが高い。SBの守屋との右サイドのコンビはベレーザの脅威となっていました。というか、守屋って背が高いんですね。あれだけ攻撃参加できる大型SBもなかなか貴重でしょう。

 

 

前半から優勢に試合を進めていたINAC、後半になるとボールの支配率が、より高くなります。いわゆる“ボールは疲れない”ってヤツですかね、カウンターでスプリントを繰り返すベレーザの運動量が落ちるのをあざ笑うかのようにパスを繋いで、奪われてもすぐさま回収していく。ベレーザとしては、ハーフコート状態に押し込まれつつあった。それでも、タレントでは劣らないのがベレーザクオリティ。前線の田中美南に「後は任せた!」みたいなパスを送り、実際にそこからゴール前まで突進していく。なので、チャンスの回数は、互角に近かったかもしれません。

 

 

とはいえ、押されていることには変わりないのでベレーザベンチは動きます。FWの植木を中里に代えて投入。籾木を右SHに、隅田をボランチに下げたのでしょうか。前線に起点を増やすことで押し返そうという狙いでしょう。逆にINACは、得点こそ奪えないものの、押し込んでいるわけですから、ヘンにいじりたくない。選手の運動量が落ちてきても、代えるに代えられない状態のまま時計の針が進んでいきました。

 

 

そんなINACも選手交代のカードを切らざるをえない事態が出現します。暑かったですからね、水分を奪われがち。脚が攣りやすくなります。そういう事情で鮫島が下がる。代わりに入ったのが、高瀬。途中交代で高瀬が出てくるんですよ、INAC。「こいつは凄え!」とか思っていたら、SBを下げてFWを入れたわけですから、あれこれ選手がポジションをずらすわけです。で、結果論的には、いろいろいじったことでバランスが崩れてしまいました。そのまま、スコアレスのままタイムアップ、両チームとも暑い中、お疲れ様でした。

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

・籾木結花

□推薦理由

この選手の背番号は10番。ベレーザの10番です。そして、ベレーザの10番といえば、いまさら申し述べるまでもなく原菜摘子、そう“オレの原ちゃん”が去年まで背負っていた背番号です。そういう意味では、籾木は原ちゃんの後継者とも言えるわけで、応援しないわけにはいきません。この選手は原ちゃんみたくギャルっぽくもないですし、遠目からでも日焼け止めがベタベタしているのがわかったりするわけでもないですが、とにかく、後継者。

 

 

そんな籾木、上手いっすねぇ。そりゃ読売育ちだから上手いに決まってるんですけど、それにしても、ホント、上手い。何が上手いかってトラップが超絶クオリティなんですよ。足元に吸いつくというのは、こういうことを言う、みたいな。女子サッカーの場合、男子みたく、ガンガンに無責任な鬼パスを押し付けられるって感じではない一方で、ポヨンポヨンしたボールを収めなければならない機会が多い。そういうポヨンポヨンしたボールに対するトラップが尋常でなく上手だと思います。