■FC東京 0 vs 0 横浜FM[J1第2節 03月14日]
FC東京はフィッカデンティ監督が率いて2年目ですから、それなりの成熟度があります。対するマリノスはモンバエルツ体制1年目のシーズンが始まったばかり。ってことが影響しているのでしょうか、さしあたりFC東京がマリノスを押し込みます。とはいえ、サッカーを知っているベテランが顔を揃えるマリノスですから、時間の経過とともに自らのリズムを整え、決定機こそ作れないながらも、なんだかんだで一進一退気味の構図へと押し戻します。
まぁ、昨シーズンから守備に軸足を置いたサッカーを成熟させているFC東京と、井原の時代以来一貫して堅守の文化を構築してきたマリノスですから、前半スコアレスというのも、予想通りっちゃ予想通りでしたけどね。それでもサッカーの常として後半になると、互いに攻め合うような展開となります。特に後半5分前後のたたみかけるようなマリノスのカウンターには迫力がありました。そして、それを弾き出した権田のビッグセーブも迫力十分でした。
後半も時計の針が進むと、両チームとも選手交代で状況の打開を図ります。FC東京は東を投入し、さらに高橋秀人をピッチに送り込む。そして、それに伴いシステムを442にしたり433に戻したり試行錯誤する。一方のマリノスは、徐々にFC東京守備陣がバランスを崩しつつあったところでアデミウソンや斎藤学がスペースを謳歌して個人技を発動させますが、権田の牙城を崩しには至らず。ハリルホジッチの御前試合は00という渋い結末となりました。
この試合で注目されたのは、マリノスに急遽加入することとなったアデミウソン。ブラジルのU21でナンバー10を背負っているとのこと。なので、ついつい解説の一平さん(東京MX)も「久々の大物」なんて言ってしまう。言ってしまうんですけど、なんだか、ここ数年、実態とは無関係に慣用句みたく「久々の大物」って言葉が使われるようになってますよね。だって、去年フォルランが来てるし。その時点で「久々」じゃないし。ちょいと前にはユングベリもいたし。それくらい来日する外国籍選手が総体として小粒化しているってことなんですけど。
ブラジルU21では10番らしいアデミウソンですが、マリノスでは俊輔から10番を剥奪するわけにもいかず、お馴染みの39番をつけています。たぶん昨今の39番ブームの端緒はドラゴン久保竜彦だと思うんですけど、久保が39番を選んだ理由は「39=さん・きゅう=Thank You」の語呂合わせだったはず。ってことは、「3」を「さん」、「9」を「きゅう」と読むことを知っていない限り、あまり意味を為さない背番号。おそらく現状では日本語にあまり堪能でないであろうアデミウソンに含意が伝わっているのだろうか?