必殺“リアルメッシすり抜けチャンスメーク”〜FC東京U23vs長野(9月17日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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この対戦については小難しいことを言いますまい、“三浦文丈ダービー”ですよ。

■前半

皆さん、覚えていますかね、今年の梅雨って、関東では空梅雨だったんですよ。でも、個人的感覚として、別に空梅雨なのは、今年に限ったことでなく、少なくともワタクシが上京して20年くらい、あまり関東では梅雨時期に梅雨梅雨しない。むしろ、ここ10年くらいに限れば梅雨明けしてからのゲリラ豪雨こそが、関東の水瓶を満たしているように思えなくない。今年の夏なんかは、まさにそのパターンで、夏場、ずっと雨が降ってましたよね。毎日のように。

 

 

もはや“梅雨”って概念は“雨がたくさん降る”という内容を含意しなくなっている。それに対して、盤石の安定感を示し続けているのが、秋雨前線。実はかなり前に誰かのエッセイで読んだのですよ、「週末に草野球を毎週やってる立場からすると、雨で中止になる確率は、梅雨時期よりも秋雨のシーズンのが高い!」という内容を。そんな安定の秋雨が、この日のスタジアムにも訪れており、そこに台風が絡んだものだから、それはそれはなかなかのピッチコンディションでしたよ。

 

 

J1の上位対決ならばいざ知らず、J3の試合ですから、劣悪なピッチの影響をモロに被る。そんな簡単に「こういうピッチなりのサッカーをやるぜ!」ってことにはならない。現役当時のストイコビッチみたいに、1人リフティングドリブルとか、無理。なので、グランダーのパスが止まる、止まる。それと、「ああ、そういうものか」と思ったのですが、ピッチがぬかるむと、踏ん張りが利かないので、実はミドルパスが難しくなるんですかね。まあ、そんな感じ。

 

 

とはいえ、両チームが志向するスタイルの一端は垣間見えて、長野は両SBがグイッと上がっていく。かなり強気なサイドアタックサッカーですね。表現は悪いですけど、ある意味、一昔前のスタイルです。常道っちゃ、常道。他方のFC東京U23は、オーバーエイジ前田遼一と梶山がダブルでシャドーに入るという反則攻撃。この2人のキープ力はJ1に入っても十分すぎるほど通じますので、ここに入れておけば、まず、失わない。そう、FC東京U23は中央突破のサッカーです。

 

 

 

■後半

スコアレスで折り返すと、FC東京U23は布陣を微調整して後半に挑みました。微調整とは、前田とユインスの位置を入れ替えたのですね。おそらく、トップチームの「永井&東・大久保」に合わせてるということでしょう、U23でも、スピードのあるトップとキープ力のある2列目(プレーメーカー+ポストワーカー)という組合せ、すなわち「ユインス&梶山・前田」でスタートしたのを、後半途中までに「前田&久保・ユインス」という配置に変えていきました。

 

 

一方で長野は前半から松原と東(あるいは佐藤が流れる)左サイドコンビが快調だったところ、後半、サイドが入れ替わって、そこが泥んこ沼になってしまったことで四苦八苦。何度もフリーの場面を作りながらも、突破してからの折り返しに苦戦しておりました。ひょっとしたら、そういうことも見越して、敢えてFC東京U23が、自陣右サイドに追い出すような守備をしていたのかもしれませんが、まあ、そこまでは考え過ぎかな、という気もする。

 

 

一進一退の攻防が続くなか、勝負のあやは選手交代にありました。先にもゆるく示唆しましたが、FC東京U23は後半早めの時間帯に梶山から久保君にスイッチします。久保(もはや「君」は不要)、見るたびに成長してますよね。この日の久保は、必殺“リアルメッシすり抜けチャンスメーク”を繰り出しました。要するに、本物のメッシよろしくに、相手守備陣の隙間をすり抜けるドリブル突破でオウンゴールを誘発したのです。ハンパねぇっす。

 

 

長野は長野で、浅野監督は穏当なカードの切り方をしていく。後半開始とともに国領を投入すると、さらに岡本と岩沼という経験のある実力者をピッチに送り込む。ちゃんとしているんですよ、選手交代も含めていろんな意味で、浅野監督。でも、ちゃんとしてるが、一方でそれ以上の“+α”に欠ける。この雨でピッチコンディションが悪い状況で、サッカーの内容をどうのこうのいうのはアンフェアなんですけど、J3を卒業するためには、もう一つ“パンチ”が欲しいかな、と。

 

 

 

■日本代表への推薦状

 

□推薦者

・平川怜

 

□推薦理由

 

この日のFC東京U23のシステムは3421。3バックと両ワイド、ワントップの間に4人の中盤がいる形ですね。その4枚が梶山・前田・米本、そして、この選手。つまり4分の3の確率でオーバーエイジ、しかも、J1でもバリバリに通用する面々だったわけです。で、平川より1列前に入った梶山はボールに触りたくて「よこせ!」ってな感じで下がってくる。隣の米本は「オラオラオラ〜、中盤でボールは全てオレが刈り取るぜ!」ってなテンション。

 

 

普通、ビビりますよね。まだ、この選手、16歳とか17歳のはずなんだから。にもかかわらず、そんな歴戦の“オトナ”に囲まれていても、それでいて凛としていたのが、凄いなぁと。ワタクシが16〜17のときなんて、まだハナをほじってたよ。とにかく、物怖じしない。パブリックイメージ的には久保君の“露払い”的な扱いもなくはないですが、なんだかんだで、この選手の方がJ3デビューとか早いですよね、ほんの僅かながら。アベレージも高いですし、順調に成長して欲しいところです。