アジア感もアフリカ感もない対決についてアレやコレやボヤいてみる【セティフvsウエスタンシドニー】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■セティフ 2 vs 2 ウエスタンシドニー[CWC5位決定戦 12月18日]

前半の5分くらいだったでしょうか、右SHのカステレンが右足一閃、鮮やかにウエスタンシドニーが先制しました。序盤からウエスタンシドニーが押し込んでいましたね。この試合は半ば消化試合でしたから、若手中心のメンバー構成だったらしいのですが、イケイケモードで猛攻を仕掛けていました。得点のあとにも、セットプレーからのシュートがクロスバーを叩いたり、こぼれ球を拾ってのシュートがゴールポストに直撃したりしていました。

 

 

試合の構図としてはショートカウンターvs左右に大きな展開といったイメージだったでしょうか。ウエスタンシドニーはボールを奪うと、縦のグランダーのクサビを合図に、少ない手数で中央を攻略しシュートに持ち込もうというサッカー。対するセティフは、ボールを奪うと、大きなロングボールを放り込み、通った場合、一気にテクニック自慢大会に持ち込もうというような感じ。サイドチェンジ気味のパスの精度が生命線のように見受けました。

 

 

ただ快調に試合を進めていたウエスタンシドニーですが、そのままのリズムで90分突っ走りきれるほどサッカーは甘くありません。徐々に若さを前面に押し出した小気味よさは喪失されていき、後半が始まるや、同点に追いつかれてしまいました。その失点のしかたが良くなかった。流れとしては、右SBのアデレクのショボい対応から右サイドを攻略され、そこから放り込まれたショボいクロスに対し、左SBのマレンがショボいクリアミスをし、オウンゴールを献上する、というもの。いやぁ、ショボかった。

 

 

これによって試合のペースは一気にセティフへと流れます。サッカーに限ったことではありませんが、ホント、球技における流れという魔物は厄介なものですね。それまではてんでビルドアップさえままならなかったのに、これ以降、セティフがほぼ一方的に攻勢を仕掛けるのですから。で、そのままセティフは勝ち越しゴールをあげます。オンドが中盤でボールを持つと、スペースへ抜けたガスミにパス。ガスミの折り返しを、ジアヤがしっかりと決めきりました。

 

 

その後も決定機はセティフ。ウエスタンシドニーが前掛かりになっているので当たり前の話です。でも、その決定機をことごとく潰し続けてしまった。もうね、典型的な、あのパターンですよ。そう、後半ロスタイムとか、それに近い時間帯に同点ゴールを決められてしまうっていう、あのパターン。果たして、後半44分に、途中投入されたウエスタンシドニーのテクニシャン・ザハが直接フリーキックを叩き込み、土壇場で同点に追いつきます。なお、PK戦は8人目で勝敗がつき、セティフが制しました。

 

 

 

というわけで、白熱したPK決着となった5位決定戦でしたが、それにしてもこの大会は、「各大陸王者による世界一決定戦」的様子が薄かった。どれくらい薄かったかというと、一昔前のマックのアイスコーヒーとか、養老乃瀧プレゼンツな養老ビールくらい薄かった。というのもアジア王者がウエスタンシドニーですからね。オークランドシティと何が違うんだ?って話。そしてアフリカ王者がアルジェリアのセティフで、開催国代表がお隣モロッコのクラブ。アルジェリアもモロッコもほぼほぼヨーロッパだし。

 

 

エスタンシドニーが、アジアのサッカーを象徴するようなスタイルかというと決してそんなことはなく、セティフのサッカーがいかにもアフリカのクラブって印象かというと、そうでもない。というか、オーストラリアもアルジェリアも歴史的に欧州の影響が圧倒的に強い国ですから、サッカーのスタイルにおいても、言い方は悪いですけど欧州サッカーの出来損ないなんですよねぇ。そもそもモロッコ開催というのが地理的な偏りを生んでいるような・・・。