クルスアスルの勇戦についてアレやコレや見習ってみる【クルスアスルvsレアル】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■クルスアスル 0 vs 4 レアルマドリード[CWC準決勝 12月17日]

いくらなんでも解説の城さん、開始3分くらいで「クリスアスルの守備は全くバランス崩しませんね。素晴らしい!!」ってのは無くないですか? せめて後半に入ってもラインが揃っているとかならわかりますけど。最初の12プレーを凌いだからって絶賛しちゃいけません。そんなことを言っているから、前半5分でセルヒオラモスの先制ゴールが決まってしまうのです。その時点で「守備が強固なクルスアスル」って構図は壊れてしまうわけで。

 

 

さて、先制に成功したレアル。こうなると無理はしません。そもそもからして流動的に動き回っていたクリロナベンゼマ・ベイルという3枚だけで崩せてしまうので、リードしていなくても無理する必要はないんですけど、その傾向がより顕著に。せいぜい、サイドバックのうち1枚が攻撃参加するくらい。実際、カルバハルの単独突破からのクロスにCFのベンゼマが飛び込むだけというシンプルこの上ないカタチで追加点をチャッチャと奪ってしまいましたし。

 

 

前半の終盤にはクルスアスルも何度となくシュートチャンスを迎えましたが、パボーネがセルヒオラモスとの駆け引きを制してPKを得るも、トラードのキックをカシージャスに防がれるなど、レアルのゴールを割るまでには至りません。逆にレアルはハーフタイムが明けた後半早々、ベンゼマを起点にクリロナがサイドを突破し、そのクロスにベイルがヘディングで押し込むというBBCアタックで、余裕の3点目ゲット。強いですねぇ、溜め息が出るくらいに。

 

 

それにしても後半になって、突然一気に地力の差が表出するような展開になりました。前半のうちはクルスアスルもガードを高くしながら、ガンガンとパンチを撃っていっていたのですが、45分で気力を使い果たしてしまったのでしょうか。相手のガドが下がったのを見て、名将アンチェロッティはすぐさま安全運転モードに変更。少し脚に違和感を覚えたらしいセルヒオラモスをさっさと休ませ、バランを投入するなど贅沢なカードを切っていきます。

 

 

そして、それでもレアルは点を奪う。自陣でボールを奪うと、ベンゼマがボールを収めてクリロナへ展開。そこにベイルが走って行く。ここまでは3点目と同じ。違うのは、ベイル以上にフリーになっていたイスコをクリロナが使ったと言うこと。イスコは相手を23人ペンペンにして、スコンとダメ押しゴールを決めました。こうなると、正直、試合はダレる。それだけの実力差があったということですね。そのまま40で試合は終わりました。

 

 

 

というわけで欧州王者が貫禄を示す一戦となりましたが、レアルって、基本的にはクロースをアンカーに置いた433だったかと思いますけど、守備の時には442に近いカタチになるんですね。というのもベイルは比較的勤勉に守備の時は低い位置まで戻るのに対し、クリロナさんは高いポジショニングを崩さないですからね、FW化するわけです。もちろん、クリロナが守備をサボっているわけではなく442の2トップが必要とされるフォアチェックは必要な範囲内で怠っていなかったですけど。

 

 

そういう柔軟性こそアンチェロッティの真骨頂なのかもしれませんが、そんな強い強いレアルに対して、完敗したとはいえクルスアスルも少なくとも前半はビビらずに殴り合っていました。パボーネがポストプレーで存在感を示したり、ヒメネスミドルシュートをドッカンと撃っていったり、ロハスが何度も何度もドリブルで仕掛けていったり。ワールドカップでもそうでしたけど、中南米の選手の、こういうメンタリティについては、上位者をリスペクトする儒教文化に染まった東アジア人としても、少なくともサッカーの上では、見習っていかなければならないように思います。