■ウルグアイ 1 vs 3 コスタリカ[WCグループD 06月15日]
当初の下馬評ではコスタリカを「1弱」とする「3強1弱」との構図だったんですけどね、そして放送中も何度もウルグアイが優位にあることを前提とした実況がなされていたのですけど、そんなことなかったのは、グループリーグが終了する頃に明らかになりました。というか、この試合の前半の時点で、コスタリカが強いことは判明しました。この大会ほど「上手いチーム」と「強いチーム」が一致しないことを思い知らされる大会はなかったのではなかろうか。
それでも、前半はウルグアイが先制したんですよね。カバーニのPKで。・・・と書いてきましたけど、なんだかいつもと筆致の調子が違うのです。というのも、いつもは試合を見ながら書き進めていたりして、この試合も前半が終わったところで、前半までの流れを記しておいて、「また明日後半みよう!」と思って寝たら、上手く保存できていなかった。どうも、この試合を見た前後に、XPパソコンではYahoo!ボックスが使えなくなったらしい。おかげで新しいPCを購入したさ。
ってことで後半。なのですが、上述の2段落の文章を殴り書きのように綴っているうちに、コスタリカのキャンベルが同点ゴールを決めてしまったよ。はぁぁ。なんだか調子が狂う。まだWindows8.1に慣れない・・・・。なんてことを書いていて、つまり、ようやく試合の流れに追いついたところで、コスタリカが逆転ゴールを決めました。ボラニョスが蹴ったフリーキックにCBのドゥアルテが飛び込みました。セットプレーに強いことも、ダークホースにとってはとても大切。
序盤から今ひとつリズムが宜しくなかったウルグアイは逆転されたことで、ますますリズムが悪くなる。メンツ的にはカバーニを生かしたいところなんでしょうが、なかなかそこまでボールを届けられない。タバレス監督にしても早め早めの選手交代で、たとえばストゥアーニのポジションをFWに上げたり、やっぱり2列目に下げたりして打開を図るのですが、かえって焦りが募るばかりで、「7人で守って3人でカウンター」というコスタリカの思う壺。
果たせるかな、コスタリカが3点目を決めます。中盤のルーズなパスをコスタリカのボランチ・クベロが奪取すると、ウレニャの投入でサイドにポジションを変えていたキャンベルに展開。キャンベルがワンタッチでウルグアイ守備陣の裏のスペースにスルーパスを送ると、そこに走り込んだウレニャが華麗なワンタッチシュートを決めきりました。途中出場のクベロとウレニャ、さらにそれに伴いポジションを移動していたキャンベルという3人で決めたゴールですから、采配の面でも、この試合はコスタリカのゲームでした。
そんなわけで、コスタリカが「大穴」から「ダークホース」へと階梯を一つ上ったグループDの初戦でしたが、ウルグアイには厳しい試合となりました。と言いますのも、ウルグアイといえば、守備でガテン系っぷりを発揮しまくる中盤が力ずくで相手の中盤を破壊し、そこから一気にショートカウンターでゴールまでたどり着くチーム。それに対し、コスタリカは、その中盤をロビング気味のパスでドンドンとすかしていった。ウルグアイとしては腰砕けです。
で、なんで、そういうことが可能になるかというと、互いの力関係からして、ウルグアイが若干、最初から前がかり気味だったからですね。コスタリカの前線3枚にはスペースがそれなりに存在した。だからそこまで精密ではないロビングでも、なんだかんだで繋がった。本来、ウルグアイは、ブラジルやアルゼンチンやヨーロッパ列強などに対し、「弱者を装い、あれよあれよと抜け目なく勝ち点を奪ってしまう」ってところに強さがあると思うのですが、この試合ではコスタリカが「ウルグアイよりも、もっと弱者を装い、あれよあれよと抜け目なく勝ち点を奪ってしまう」を実行したんだと思うのですね。勝負の皮肉ってやつでしょう。