ギリシャ勝ち抜けの必然性についてアレやコレや懐かしさを感じてみる【ギリシャvsコートジボアール】の周辺をウロウロと…★ワールドカップ各試合を振り返る★

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ギリシャ 2 vs 1 コートジボアール[WCグループC 06月25日]

「どっちかというと、コートジボワールが攻めて、ギリシャが守勢に回る流れだなぁ」という序盤の戦い。むろん、ギリシャとしても、こういう展開なることは先刻承知というか、特に動揺するようなことはなかったかと思います。ただ、前半の20分までに司令塔のコネと守護神のカルネジスを負傷で失うことは想定外で、動揺しまくりだったに違いない。とはいえ、ギリシャは前半に10人となっても勝ち点1をもぎ取るチームですからね、崩れません。

 

 

しかし、“災い転じて福となす”。スクランブル投入されたサマリスが先制点を挙げることとなりました。高い位置でサマリスがパスカットすると、そのままサマラスとのワンツーによって抜けだし、勢いのままねじ込んだゴール。こういうところがサッカーの難しいところ。ロジカルであるように見えて、最後は偶発性が勝負の明暗を分ける。しばしばチェスとか将棋にも譬えられるサッカーですけど、究極的には“似て非なるもの”と言わざるをえない。

 

 

後半に入ると、「〈攻めるコートジボアール〉と〈守るギリシャ〉」という構図が、より鮮明になっていきます。ただ、それほど得点の匂いはしません。守らしたらギリシャは固い、ということもありますが、コートジボアールの攻撃にリズムの変化が付けられない、という要素も強い。流れ的には、「このままギリシャの蟻地獄にズルズルとコートジボアールが引きずり込まれていき、気がつけばタイムアップ」って雰囲気が濃厚になっていく。

 

 

ところが、なのですよ、コートジボアールが同点に追いついたのですよ。ヤヤトゥーレの縦パスを受けたカルーがカラダを入れかえジェルビーニョに。ジェルビーニョからのクロスを受けたカルーが得点能力を見せつけました。これで、九分九厘、コートジボアールが決勝トーナメント進出を引寄せた。そのままロスタイムまで持って行った。しかし、そこでPKを与えてしまったのですね。ギリシャが起死回生の勝ち越しでグループリーグを勝ち抜けました。

 

 

というわけで、ギリシャが勝負強さをみせた試合となりましたが、そのギリシャが10でリードしていたときのこと。裏で行われていた日本代表がコロンビアに勝ち越しを許したとの情報が入ってきたとき、解説の岡ちゃんったら、「日本が得点を奪われた!?」と狼狽を隠せない。そして、「このままだと、このギリシャが決勝Tに行くんでしょ、悔しいですよね」と思いっきり本音をこぼしました。こういう本音のこぼし方が、選手を惹きつけるのでしょう。

 

 

ただ、ギリシャの決勝T進出は必然でした。厳密にはコートジボアールの敗退が必然でした。最後の最後、ロスタイムでの失点に象徴されるように、「ドーハの悲劇」と構図が全く同じなのですよ。試合終了間際、カウンターのチャンスでヤヤトゥーレがシュートをキーパー正面に撃ってしまった。あの場面は、時間稼ぎをするべきでした。狡猾に抜かりなく、勝ち点のためにあの手この手を使えないチームには「まだ、その先は早いよ!」という神様のレッスンが待っているのですね。コートジボアールには、そういう部分も含めた「総合力」が欠けていました。