セビージャのラテン性についてアレやコレやシャビと比較してみる【EL決勝】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■セビージャ 0(4) vs 0(2) ベンフィカ[EL決勝 05月18日]

カップ戦の決勝らしく、序盤が激しい展開になりました。どれくらい激しいかというと、前半の15分までの時間帯にイエローカードが2枚も出るくらい激しかった。おかげで、ベンフィカスレイマニが負傷退場。ガチンコ感丸出しな一戦となります。

五分五分の試合内容で、互いに守備を疎かにしないって雰囲気だったのですが、30分を過ぎたあたりから、それぞれが攻撃で良いところを少しずつ見せるようになり、前半35分くらいからの5分はセビージャの時間、その後の5分間はベンフィカがペースを握るも、スコアレスのままハーフタイム。

後半に入ると、一転、オープンな展開で、「一方が攻撃を仕掛け、守られ、攻守が切り替わり、相手が攻める」の繰り返し。見ていて面白い展開となります。その中でも、より攻勢の色を強めたのはセビージャ。相対的に手数をかけて攻めていたと思います。そして、逆にベンフィカもカウンターからシンプルに攻めるというスタイルが強調されるようになる。試合全体の構図あるいは両チームのスタイルが、この時間になって、ようやく明確になってきたように思います。

延長戦になると、もうカラダが動きません。ファールで止めるしかないって場面も増えて、消耗戦であり、かつ肉弾戦でもあるって雰囲気。しかし、それも延長の前半だけ。延長後半になると、さらに動けなくなる。盆過ぎのJリーグみたいな動きになって、PKへ。で、そのPKを制したのがセビージャ。ベンフィカは2年連続で準優勝だそうです。

この試合の両チームで、目を奪われたのは、どちらかというとセビージャ。なんといってもラキチッチが端正すぎるでしょう。“イケメン”でも“ハンサム”でもなく、“端正”。そのラキチッチが攻撃の軸として高いインテンシティでチームの攻撃をオーガナイズする。

いわば“学級委員”っぽいラキチッチに対して、“ガキ大将”あるいは“番長”的な役割を果たしていたのがレジェス。この人は、どちらかというと“おいしいとこ取り”なプレーをしていましたよね、少なくともこの試合においては。少し話は逸れますが、セレッソの柿谷とフォルランも、この2人みたいな役割分担が出来ると良いんですけどね。フォルランがラキチッチの役割を担い、柿谷はちゃっかりレジェス役。となるとバッカは杉本健勇とかになるんですかね。

ともあれ、そんなレジェスが存在感を示すセビージャは、スペインのチームでありながら、どこか南米の薫りがプンプンしてきましたね。なんせ五月。薫風を漂わせたら、これ以上ない季節ですしね。ちなみに、「スペインは南米諸国の旧宗主国なんで似ているのは当たり前!」ってロジックもあるかと思いますけど、それはさておきましょう。

ともあれ、どこが似ているかというと、組織的に攻め込みながらも、ラストプレー界隈で、さりげなく個人技自慢が入ってくるのですよ。相手を食ったようなプレーとかを混ぜ込みたがる。スペインのパスサッカーといえば、ワタクシ的にはバルサなんですけど、バルサというかシャビやイニエスタなんかは教科書通りのショートパスを究極まで突き詰めたって印象があって、そういうスタイルのパスサッカーと、この日のセビージャが展開していたアタッキングは、なかなか対照的だったように感じました。