このカテゴリーですからね、さすがに事前の情報はありません。というわけで、さしあたりピッチを凝視して、そこから得られる基礎情報をまとめましょう。
まずFC鈴鹿ランポーレ。たぶんフォーメーションは433だったのではないかと。3トップは左から、8番・23番・22番。。二列目は11番と3番なのですが、3番は右サイドに開いていることも多く、果たしてあれをインサイドハーフと言って良いのか、なかなか微妙。アンカーに4番の選手が入っていて、最終ラインは左から6番・5番・15番・28番の並びだったかと。
ちなみにユニフォームの色は緑と青のツートン。先週見に行った伊賀フットボールクラブ くノ一もチームカラーは緑色だったので、思うにこれは、‘三重県の「み」はミドリの「み」’みたいなノリがあるのではないでしょうか。
対するアイン食品は4231だったかと。ワントップが10番、2列目が左から11番・7番・19番。16番と8番のダブルボランチに、最終ラインが左から13番・4番・5番・6番という並びだったかなぁ、と。あまり自信はありませんが。
こちらのユニフォームの色は赤色。ランポーレが‘三重県の「み」はミドリの「み」’だとすれば、こちらは‘アイン食品の「あ」は、アカの「あ」’的なノリがあるに違いないのですね。アオの「あ」でもあるなんてツッコミは受け付けません。
方や街クラブのランポーレ、もう片方は実業団チームのアイン食品。両チームを見ていると、なんだかユースvs高体連みたいな雰囲気を感じます。もちろん街クラブ=ユースで、実業団=高体連という構図ですね。「実業団=高体連=昭和を支えました」に対し、「街クラブ=ユース=平成日本サッカー躍進の礎となったてます」みたいな印象的に。
プレースタイル的にも、なんかユースvs高体連なんですよね。例えばアイン食品。後半、アイン食品が左から攻め込むことがありました。けっこうきっちりパス交換で崩して、「さぁ、クロス!」ってところで、思いっきり当たり損なって、しかも、それが逆に相手の意表を突いてチャンスになってしまう。高校サッカーにありがちな後景です。
一方のランポーレは意図のあるプレーを心がけ、適当に思いっきりクリアするなんてことをしない。だから、自陣ゴール前で中途半端にボールを回そうとして、繋ぎきれず、相手に奪われ、キーパーと1対1の大ピンチなんて局面を迎えてしまいます。これまた、ユースのチームにありがちなパターンですよね。「そこは蹴っとけよ」みたいな。
ともあれ、そういう構図ですから、ポゼッション率では全体を通じてランポーレが上回っていたと思います、たぶん。後半は五分に近かったですが、少なくとも前半はアイン陣内でボールが回される時間帯が、どちらかといえば長かった。
でも、鈴鹿は点が取れないんですよね。1点は入りました。しかも、左サイドを完全に崩して、ピンポイントクロスに走り込んだ選手が頭で綺麗に合わせるという、お手本のような形。ホント、いかにもユースっぽい点の取り方でした。
ただ、それ以外が。問題は崩してから。せっかくサイドを攻略したのにクロスを淡泊に入れて終わりとか、真ん中を崩してPA内で足下に入ったのにシュートを打てないとか、全体としてPA内での逞しさというか粘り強さに欠いていたように思います。
一方のアイン食品はしたたかです。一点目なんて、どう考えてもチャンスが生まれる雰囲気がなかったので、携帯の画面をチェックしていたら点が入ってしまいましたし。完全に一瞬の隙を突いたゴールですよね、見逃しましたけど。
ちなみに、ランポーレは、この先制点を奪われる直前に、相手GKも越えて、あとは流し込むだけってなシチュエーションを作っておきながら、詰め切れず、同僚DFまで頭を抱えて、「オーマイガッ!」って場面を作っておりました。
逆にアイン食品、後半、同じように「あとは流し込め!」って場面を作って、そして、きっちり2点目を決めました。このあたりの勝負強さは高体連の部活っぽいですよね。形は良くないけど、気合いと根性で決めました、みたいな。
【日本代表への推薦状】
・推薦者
FC鈴鹿ランポーレの4番
・理由
風体がメクセスみたいなんですよね、ポジションはアンカーですけど。長身で胸板が厚く、髪型がチョンマゲ。髪型がチョンマゲといえば、まず思い浮かぶのが坂田大輔。そして坂田大輔といえばパッと見ヤンキー風で、目がぎらついている。昔、Jリーグ発足当時は、こういう‘ヤンチャ’というか、‘街で目が合ったらヤバそう’みたいなサッカー選手って多かったですよね。フリューゲルスGK森とか。なんか、そういう選手が減ったなぁ、と。少なくともザックJAPANには足りていない。足りていないことが悪い事かどうかは、この際、さておきましょう。とにかく足りていないことだけは間違いないので、ここは一つ‘チョンマゲ枠’を推薦しておきたいと思います。