ダービーの周辺をウロウロと…2013年シーズンのJリーグを振り返る

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■青に橙でDFがレギュラー番号な港町ダービー[横浜FCvs長崎(4月17日)]

 

横浜FCと長崎、この2チームの共通点をツラツラ考えると、まずホームタウンが港町だということが上がりましょうか。幕末に近代的な意味での開港を果たした港町って、どこもけっこう似たような町並みですよね。特に似ているのが函館と横浜。「ここは8割方横浜だなぁ」ってのが、函館を初めて訪ねたときの率直の感想でした。

 

 

両チームの共通点として、もう一つ挙げられるのが、チームカラー。Vファーレンは青にオレンジのツートンカラー。少し前の若者女子の間では、それを「バイカラー」と呼んでいた模様ですが、まぁ、そんな感じ。

 

 

一方の横浜FCは、見た感じ青と水色のツートンなんですが、チームロゴをまじまじと眺めていると、微妙にオレンジが入っているのですね。なので横浜FCvs長崎は〈青に橙ダービー〉といえなくもない。

 

 

最後、共通点の三つ目としては、この試合のDF陣。3バックの長崎は山口(2番)・藤井(3番)・高杉(4番)。対して、4バックの横浜FCは、野上(2番)・森下(3番)・ペスンジン(4番)・西嶋(5番)というラインナップ。

 

 

そう、両チームとも先発出場したディフェンダーが、全て、いわゆる‘レギュラー番号’なんですね。これって、なかなかレアですよね。高校サッカーならいざ知らず。そういういう意味で、この試合は、〈DFがレギュラー番号ダービー〉でもあったといえるでしょう。

 

 

 

■高校年代最強ダービー[千葉vs福岡(4月21日)]

 

千葉と福岡の共通点について、いろいろと考えをめぐらせてみたのですが、全く思い浮かびませんね、これが。ムリヤリひねり出したのが、「比較的アクセスが良好な専用スタジアムをホームスタジアムにしている」ということくらいでした。アビスパの場合、福岡市民の皮膚感覚的に、「あんなとこ近いとは言わんばい!」みたいな感じかもしれませんが、J1J2全40クラブの中では、確実にマシなほうです。

 

 

他に共通点を探っていくと、高校サッカーの強豪がひしめきあっているところが同じですね。言うまでもなく千葉は、超が付く激戦区。市船と流経柏の対決はもはや‘クラシコ’の域に達しつつありますし、それ以外にも八千代やら習志野やらがいて、さらにレイソルユースにジェフユース。とにかく強い。

 

 

福岡の場合、最近は少しずつ存在感を薄めつつありますが、サッカーファンなら‘東福岡’のブランドを今なお感じるでしょうし、東海第五や筑陽、福岡大大濠などなど、有名校がズラリと並びます。

 

 

で、それぞれ、地元のユース・高校出身のCBが、めぐりめぐって里帰りし、いまのチームを支えているのも共通点ですね。言うまでもなく、山口智古賀正紘のことです。山口智はジェフユース黄金期の先鞭をつけた選手で、古賀正紘は、東福岡全盛期の、まさにド真ん中を過ごしたわけですが、同世代がユニフォームを脱いでいく中、いまだ衰えを見せることなくレギュラーとして頑張っていることには敬意を表せずにはいられません。

 

 

 

■町田らへんダービー[SC相模原vs横河武蔵野FC(05月12日)]

 

SC相模原と横河武蔵野FC。一方はJ1の3チームに横浜FCを加えた4つのJクラブに次ぐ神奈川第5勢力ををYSCCと争う新興クラブで、もう一方は、かつては東京第3勢力を標榜し、いまは、その第3勢力の座を町田ゼルビと争いながらも事実上、第4勢力に落ち着きつつある伝統の町クラブ。そんな、両クラブですが、イメージ的には、なんとなくご近所さん。

 

 

ところで、「多摩」という広域名称って、正確には、どこからどこまでのエリアを指しているんですかね。行政区分ではなく、あくまで歴史的に形成された通称ですから、辞書やら語原論を引っ張り出してきて、「これが正解」なんていっても、ほとんど意味がないというか、全くのナンセンスな話で、まあ、「23区からみて西の方で、多くの人が閉じんかったに勤めるベッドタウン」といったところが、広義の「多摩」って感じでしょうかねぇ。

 

 

だとしたら広義の「多摩」に吉祥寺は含まれるわけですが、やはりあのあたりは「武蔵野」という(行政区分の「武蔵野市」ではなく)広域通称の方が落ち着く。最狭義の「多摩」は行政区分としての「多摩市」となるのかもしれませんが、それだと狭すぎる印象。狭義に「多摩」といったら、「鎌倉街道多摩川に親近性を感じる地域」といったイメージですね、ワタクシ的には。そうすると、相模原も怪しくなってくる。というか多摩は多摩丘陵の「多摩」ですから、相模原と平地地名を名乗っている時点で違うのかも。

 

 

そんな両クラブですが、「町田」という結節点を差し挟むと繋がるんですねえ。横河武蔵野FC町田ゼルビアは‘南北多摩ダービー’を戦うライバル。お隣さんっちゃお隣さん。一方の相模原については、基本的に横浜線文化圏ですから、生活実態としては町の影響が強いんですね。なので、この両クラブの一戦を‘町田らへんダービー’と称して、それほど問題ないでしょう。