敢えて今時3バックはどうですか?WCとヒデ・本田対談の周辺をウロウロと…〈完結編〉

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さて、知恵熱出しまくりで書いてきた本シリーズ。最後は、リラックスして書きます。

前回までの内容をまとめると

多くの日本人にとって、サッカーは「たかがサッカー」に過ぎない。

中田英寿本田圭佑みたいな考え方によるナショナルチームを生み出す土壌は日本には存在しない。

だから、ヨーロッパの「football」を真似るのではなく、日本化した「サッカー」を追求するという選択肢があっても良いのではないか。

って感じになります。で、その上で、日本化した「サッカー」って何?って話になったとき、個人的には「オタク=職人の集合体による役割分担サッカー」ではないかと思う次第であります。

さらに、で、「オタク=職人の集合体による役割分担サッカー」って何?ってことになったとき、ここで話が急に具体的というか、卑近な感じになるのですが、要するにタイトル通りではないか、と。

ジーコJapanを思い出しましょう。カズ、三浦カズは「ズィイコッJapan」って発音していたとか、そういうことではないです。ジーコは、長嶋さん的というか、マラドーナ的というか、「タレントをチョイスして並べたから、後は宜しく!」みたいなスタイルでチームを作っていましたね。

細かい部分は、指導者がルールとして与えるのではなく、当人たちが感じあうものだ、みたいな。

そんなことを言われても、清く正しい正統派日本人は困っちゃうわけです。当然、結果が出ない。そこでジーコ、或いはズィイコッによって採用されたのが、352ですね。俊輔とか当時の主力は「役割がハッキリしてやりやすい」と、一様に声を揃えていました。

つまり、352というのは、個々の役割が明確になって、監督のきめ細かな指示がなくても、自動的に起動して機能するみたいです。ねっ。日本人向きでしょ?

352だと、誰が何をやるかという、大雑把な枠組みがある程度あらかじめ用意されているので、「個人の判断力」とか「柔軟性」とか「オールラウンドな資質」とかが、4バックのシステムに比べて、相対的に少なくて済むんじゃないかと、素人発想ながら考えています。ねっ。日本人向きでしょ?

以下、南アフリカの時の選手で例示しながら、具体的に述べていきます。

まず、キーパー

これは、特に3バックだろうが4バックだろうが、分担される役割に変化はありません。「3バックだからキーパーは田中マルクス」みたいなことはせずに、川島とか楢崎とか川口とかで良いでしょう。

DF

4バックだと、2CBの両方に、対人能力+空間認識能力(カバーリングやらラインコントロールやら)が求められますが、3バックのストッパーは、優先順位として対人能力ということになるでしょう。中澤、闘莉王と岩政の差が縮まりそうですね。

で、リベロリベロは空間認識能力担当ですね。阿部でしょうか。

WB

これは攻守の両方が必要ですが、さしあたり「端っこは任せた。運動量でなんとかしてくれ!」みたいに、役割をある程度限定できますね。さらに、左右で攻撃的と守備的を分担させれば、より役割はクリアになります。

守備的担当は長友。攻撃的担当は内田、トルシエ的要素を入れるなら長谷部とかでしょうか。

ボランチ

中盤で防波堤になる当番と、攻撃のお膳立てをする当番をやってもらえば良いですね。

防波堤当番は今野あたりでしょうか?組み立て当番は遠藤orケンゴで鉄板です。

トップ下

ファンタジスタ枠ですね。自由にやること係です。俊輔とか本田とか、役者に不足はしないでしょう。

FW

より役割を明確にするならば、ごっつぁんする人と、ごっつぁんする人を引き立てる人の組み合わせですね。

ごっつぁんする人は森本でしょう。引き立てる人は、岡崎とか矢野とか、走り回ったり、ポストプレーしたりできる人ですね。

念のため付言しますが、「これが最強日本!」とか「これだったら、岡田Japanは、もっと良い成績を収められた」って言いたいわけではないですからね。あくまで「352だと役割分担がハッキリするでしょ」ってことを説明するための具体例として名前を挙げただけです。

それと、「3バックなんて弱点がハッキリしていて今更…」とか「役割分担が明確ってことは、相手にもバレバレってことじゃん!」みたいな反論が当然として予想されますが、そこは選手に日本人特有の職人=オタク魂を発揮してもらって、「そこまでディテールにこだわられちゃったらお手上げだい!そんなん出来んの、ハポネだけだよ!」って言わせれば良いのです!!

・・・まあ、とかなんとか言いながら、ホントに新代表監督が「私の哲学は3バックだ」とか言い出したら、反射的に「うそん、それは無いわ」って思いそうですが。

ただ、WBの裏をつけばいいという明確な弱点と、我が敬愛するオシムさんの影響もあり、どこもかしこも役割分担サッカーとは正反対の方向性を持つ「考えながら走るサッカー」を追求しはじめたことにより、3バックやら、それと密接に関わる役割分担サッカーやらが、余りにも冷遇されすぎているのではないかとも思ったりするんですね。

消極的な理由で京都やガンバも時々そういう手段に頼ることもありますが、現在や、主体的に3バックを採用しているのは広島くらいでしょうか。でも、もう少し、「ウチは長所と短所を鑑みて、敢えて長所に価値を置き3バックにこだわる」みたいなチームがあっても良いのかなぁと。たとえばジュビロあたりとか。

日本代表が欧州(及び南米諸国)と渡り合うためには、もちろんヨーロッパの最先端から学ぶことも大切ですが、それと同時に「ヨーロッパ人はやらないこと」に、敢えてチャレンジすることも必要になってくるのではないか、なんて思ったりします。

というわけで、最後は、具体例な反論を受けやすい卑近な内容になりました。でも、こういうのって書いてる分には楽しいですね。

以上、シリーズ、完。