代表についてはよく知らないんですけど、岡田さんは、かつてはJリーグの名将でしたよね。と、いうわけで。
「今回のWC、日本代表はどの辺りまで行けるか?」
なんて問われれば、皆さまどのようにお答えになりますか?
この質問に対する回答は、まさに千差万別なんじゃないでしょうか。
これって、つまり「あなたは日本代表に、どのくらいの期待をしてますか?」という質問と、本質的には同じものだと思うんですね。
要は「日本代表にどれくらい行って欲しいですか?」という質問なわけですから、
「宣言したんだからベスト4でしょう。」
って人もいれば
「和司のフリーキックに夢を見た世代とすれば、南アフリカにいられるだけで十分です。」
って考え方もあるでしょう。
おそらく
「予選リーグ突破」
とか
「最低1勝」
とか
「未来に希望がどうのこうの」
って意見が比較的多いんでしょうか。
また、この質問って、「あなたは日本代表にどういう種類の思い入れを持ってますか?」というニュアンスも内包されているかと思います。
当然
「日本代表が結果を残してくれないと世界が終わる!」
って人から
「WCで惨敗したところで日々の生活にはあまり関係なんてあるわけない。終わりなき日常は続いていく。でも、頑張って欲しいですよね。」
って人まで様々でしょう。
もしかしたら
「我々は日本代表を応援してあげているのだから、その大恩に報いる義務が代表の諸君にはあるんだよ。」
って人もいるかもしれません。
なんにせよ、十人十色の期待をかければ良いと思います。
一方で
「今回のWCで日本代表は、どこまで行かなければならないか?」
と、質問が変われば、事情も変わってくるのかな、なんて思います。
要するに、「岡田さんのノルマはどこか?」という問いなわけです。岡田さんへの評価基準となるのですから、ある程度は客観性とか普遍性とかも必要となってくるのかな、と考えます。
前置きが長くなりましたが、岡田さんのノルマについて、私見を述べてみたいと思います。
以下、ワタクシなりに「客観性」を追求しようと思いますが、「ワタクシなりの客観性」という言葉自体、つまりは「主観的」という意味でしかありません。なので、上で述べた前提といきなり矛盾しますが、その辺はご容赦くださいませ。
さて、まずは、過去のWCにおける日本代表の戦績を振り返ってみましょう。
98年…0勝3敗、勝ち点0
02年…ベスト16
06年…0勝2敗1分、勝ち点1
ここでポイントとなるのは、02年の成績をどのように取り扱うか、です。
「ホームだから」
と、考えるか、
「ホームとはいえ」
と、考えるか。
おそらく南アフリカは日本にとってホームではなかったように記憶していますので、今回は除外してみようと思います(主観)。
その上で戦績を眺めて見ますと、日本代表は98年の勝ち点0から06年の勝ち点1まで、8年間かけて勝ち点1を積み上げたことになります。
8年で勝ち点1
この数字を多いと見るか、少ないと見るか。
これはこれで難しい問題になりますので、またいつか機会を改めて詳しく述べたいと思いますが、ざっくり言って、「まぁ、こんなもんかな」というのが、ワタクシの立場です。
当然、異論反論あることでしょう。というよりも賛同者の方が少ないかと思います。
もちろん、日本のサッカーが進歩していないと考えているわけではありません。
ただ、忘れちゃいけないのが
日本以外の国々のサッカーだって進歩している。
という事実なんだと思います。
受験生の頃、
「オレは秋になったら、今までの何倍も勉強するから、ワンランク上の学校だって大丈夫!」
みたいなことを言ってる友人とか、いませんでした?
いやいや待て、と。
秋になって何倍も勉強するのはお前だけではないぞ、と。
それはみんな同じなんだから、相対的には何倍も勉強して、ようやく現状維持なんだぞ、と。
サッカーにおいても同じだと思うんですよね。
日本のサッカーも進歩しているかもしれないですが、ヨーロッパやら南米やら日本以外のアジア諸国が、追いつかれたり、差を広げられたりするのを指を加えて見ているわけではないはずなんですよね。
そう考えると
「日本のサッカーは進歩しているか?」
ではなく
「日本のサッカーは、WCに出場している他の国々と比べても、圧倒的なペースで進歩しているか?」
と考えなければならない。
そのように考えたとき、個人的見解として、「そんなこともないだろう」と思うわけです。
だから、「8年で勝ち点1」というのは、極めてリアルな数字なんじゃないかなぁと思うんですね。
そうすると、同じ比例定数で日本のサッカーが進歩したと想定したとき、以下の計算式が成立します。ええ、乱暴な議論です。
8:1=4:x
出来の良くないワタクシでもギリ計算できます。解は「0.5」ですね。
したがって岡田さんのノルマは
1+0.5=1.5
となります。
心を鬼にして切り上げまして、勝ち点2。
具体的には「2分or1勝が岡田さんのノルマである」と結論したいと思います。
誤解なきよう補足しますが、別にワタクシは、「勝ち点2を取れれば満足」なわけでもありませんし、ましてや「日本代表は勝ち点2以上の結果を残す実力もポテンシャルもない」と言いたいわけではありません。
あくまで、勝ち点2を取れれば岡田さんは、これまでと同じペースで日本のサッカーを進歩させた監督ということなり、取れなければ、日本サッカーの成長を鈍化させた監督ということになるのではないか、と考えてみたわけですので、その点、汲み取って頂ければ幸いです。