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川崎vs清水(09月24日)の周辺をフロンターレ目線でウロウロと…
川崎vs清水(09月24日)の周辺をエスパルス目線でウロウロと…
を各々3分割してアップしております。
さて、今回は岡田さんが代表監督に就任してからの歴史をふんわり振り返って、南アフリカでの岡田さんについて評価をしてみたいと思います。
ご存知の通り、岡田さんは体調を崩されたオシムさんを引き継ぐ形で日本代表の監督となりました。それで、当初、岡田さんは、「接近・なんとか・かんとか」とのキャッチフレーズのもと、チーム作りを進めました。コーチとして新たに元甲府監督の大木さんを招き入れたことから分かるように、「人数をかけたパスサッカー」を目指したものと思われます。
どちらかというと中央突破に比重のあったオシムに対し、俊輔・内田のペアに象徴されるように、岡田さんの場合、サイドチェンジからのサイドアタックをより重視していたかと思われますが、先に述べたように「人数をかけたパスサッカー」という意味では、少しでもオシムが示したロードマップに近い道筋を歩もうとしていたんじゃないかと推察します。
ちなみに、岡田さんって、そういう種類のサッカーを得意とする指導者ではないですよね。この辺りのところで、岡田さんに対する評価がハッキリ別れると思います。
一つは日本代表監督という我々庶民の想像を遥かに越えるプレッシャーの中、それでも、今までの自分とは違う新たなスタイルにチャレンジした心意気に、1人の人間として評価しようじゃないかという考え方。
もう一つは、「日本代表は君の個人的なチャレンジのための実験台ではないんだ。我々の代表でそんなことされても迷惑以外の何物でもない!」という考え方。
擁護派と反対派では反対派の方が大きな声を出すのは世の常ですし、ましてやインターネットの世界では、より一層その傾向は顕著になるんだと思います。
だから、もしコメントを頂ける方がいらっしゃいましたら、或いは、後者の方が多いのかもしれませんが、ワタクシは完全に前者です。仮に南アフリカで3戦全敗であっても変わらなかったと思います。たぶん。
当然、人によって意見が異なるでしょうし、どちらが良いとか悪いとか、そういうことでもないかと思います。
岡田さんも岡田さんで苦労したと思うんですよ。岡田さんの就任した当時を振り返ると、一部のサポーターを除き、当事者に近ければ近いほど、サッカー関係者はオシムに、そしてオシムが打ち出した「日本サッカーを日本化」するという方向性に心酔していた。だから、岡田さんにも、オシムが「日本人向き」と考えたサッカーを継承してほしいという圧力が相当あったと想像されます。
で、それは岡田さんが得意としている戦術のチーム作りとは真逆だったわけで、そういう状況のもと、岡田さんは極めて厳しい判断を迫られるわけです。自分の得意なサッカーをすれば「時計の針を戻すな」と批判されるだろうし、世間が望むサッカーをすれば、結果が伴わない危険性を排除できない。こんなギリギリの選択を突きつけられたとき、ワタクシならば確実に発狂するところですが、岡田さんは毅然とした態度で苦手なことに挑戦したわけですね。個人的には、それだけで絶対的なリスペクトです。
ともあれ、岡田さんにしては「らしくない」チーム作りをせざるをえなくなった。で、苦手なことをやっているわけですから、上手くいくはずがない。アジア予選のときには、それでも、個人の力量を足し算したときに、だいぶ優位性がありましたから、特に問題が表出するということはなかった。それが、直前のテストマッチになって、突如というか、やっぱりなというか、とにかく、岡田ジャパンは危機的状況を迎えるわけです。
そこで再び岡田さんは決断を迫られます。そして戦術を守備的なものに変更して、本番での快進撃に繋がっていくことは、説明の必要もないでしょう。ただ、こっちの決断は、岡田さんにとって実はそれほど厳しいものではなかったのではないかもしれないな、と思います。
Jリーグを見ていてマリノス時代の岡田さんをご存知の方なら分かると思うのですが、ああいう、守って守って少ないチャンスやセットプレーを確実にモノにして、内容は乏しいけど勝ってしまいましたってサッカーは、岡田さんの真骨頂だと思うんですね。
ここまで、「岡田さんにとってオシムのサッカーは苦手なサッカー」と繰り返し述べてきましたが、敢えて、「じゃあ、岡田さんの得意なサッカーって何?」って部分には触れずにきました。要するにもったいぶっていたわけですが、南アフリカで見せたサッカーこそ、岡田さんがいつもやっている、そして結果を出し続けてきたサッカーかと思います。
ああいうチームなら、いつでも、すぐに作れたんだと思うんですよ。岡田さん的には。そう考えると、「守備的への方向転換ならいつでもできるし、そうすれば、WC本番でもソコソコやれるだろうから、苦手な攻撃的サッカーで、いけるとこまで行ってみよう」なんて深慮遠謀が、岡田さんにはあったのかもしれないな、なんて思ったりします。