奮闘する者同士〜YS横浜vs藤枝(10/20)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

今シーズンは2試合目とかですかね、YS横浜。現在の自宅から比較的アクセスが良いですし、専スタですので、本当は相模原とかに行くよりは、三ツ沢で済ませたいのですが、なかなかそうもいかない。そうやってワタクシの悩みが深まる一方で、YS横浜の苦悩、少なくとも、成績面での苦悩は薄まりつつあります。樋口さんが指揮を執るようになって以降、安定の大健闘。J2でいうところの金沢のポジションです。

他方、苦悩が募りつつあるのが、対戦相手の藤枝。成績面でも今シーズンは大苦戦していますし、薄〜い記憶を辿ると、確か運営体制もバタついているんですよね?育成組織のあり方がJリーグの求めているものと齟齬があるとか、そういう話だったような。。。いずれにせよ、「急ぎ過ぎたクラブ」にありがちな、「少し地域密着の部分に脇の甘さがありますよ!」状態にあるってことなのでしょう。Jリーグという機関が「行政と仲良くせよ!」ってことを発足以来30年近く一貫して大号令しているのだから、そこは丁寧に押さえておかないとしんどい。

 

■前半

さて、この日は、13時のキックオフから逆算して10時頃に自宅を出発。横浜と言えば伊勢佐木町ブルースなので、関内駅から伊勢佐木町へ。勿論、現役で聞いてた世代ではございません。青江三奈という固有名詞は伝承上の存在として認知しております。明け方の街、伊勢佐木町なんかにいるはずもないのです。それは別の歌です。あーん、あーん♪

そして、横浜と言えば崎陽軒でもあります。駅弁など、レンチンしないこと前提の弁当を追求すると、結局、最後はシウマイ弁当。焼酎界における「いいちこ」の立ち位置。アンズが要る要らない論争はさておいておきましょう。そんな横浜2大巨塔の伊勢佐木町崎陽軒フュージョンするとどうなるか? なんと!温かいバージョンのチャーハン弁当が提供されるのです(580円)。伊勢佐木モール入口の崎陽軒でホットスナック系チャーハン弁当を買い、関内駅起点にダラダラ伸びる公園でご馳走様してから地下鉄で三ツ沢へと到着いたしました。

 

席について暫くしてキックオフ。まずYS横浜をチェックすると、右SHに北脇が入っている。本職はFW、しかもCF系のFWだったと認識していたので、興味深く観察していると、攻撃の時の動きはCFでしたね。真ん中で足下にもらって捌いたり、裏抜けのスプリントを繰り返したり。ゆえに、その裏返しとしての影響もあって、ボールを奪われてからの切り替えが遅いというか、そもそも右サイドにいないことが多いので、物理的に戻ろうにも間に合わないというか。

対面する藤枝ですが、ノブりん、おるやん‼ そういうや、そうだっけか。舌を噛みそうな名前の宮崎のクラブを退任して、それでもすぐにノブりん必殺の再就職を果たしたということくらいまでは『エルゴラッソ』か何かで見た覚えもあるのですが、そうか、藤枝だったか。そんなノブりん、4231のハイプレスサッカーではなく、352、しかも風間さんみたいな「まずは、しっかりトラップ!」ってサッカーでしたよ。そういうところはミーハーというか、若々しいというか、柔軟。

 

■後半

試合は樋口さんとノブりんというベテラン監督が率いるチーム同士の対決ですから、そんなグダグダなことにはならない。互いにキーパーと1対1の場面を迎えては決めきれなかったり、藤枝はその直後にコーナーキックから阿渡が本職ストライカー顔負けのヘディングシュートを決めたり、ゴール前の決定機で両GKを中心に気合の入ったナイスセーブ合戦を繰り広げたり、締まった攻防を繰り広げてハーフタイムへ。

後半に入ると、めぐりめぐってYS横浜に帰ってきた辻正男が完全に藤枝最終ラインを攻略して同点弾。これで藤枝が気落ちするかと思いきや、怯むことなく応戦。スルスルと抜け出した遠藤純輝が決め返して、再び藤枝が突き放すと、圧巻は藤枝のダメ押しゴール。鮮やかなワンツー(だったかな?)からフリーでGKと1対1となった遠藤が、さらにフリーでかつ状況の良い谷口に悠々と折り返して、谷口は楽々と決める。YS守備陣はチンチン。美しすぎるゴールで藤枝が勝利を決定づけました。

 

さて、この試合は“第三勢力ダービー”ともいえるマッチアップでした。横浜第3勢力のYS横浜と、(元?)静岡第3勢力の藤枝MYFC。YS横浜については、横浜第3勢力というか、相模原と神奈川第5・6勢力を争う印象が強いかも。一説には町田も表面上こそ東京都町田市の仮面をかぶりながら、裏では神奈川県と誼を通じているという都市伝説もあるので(あるのか?)、その怪情報を信用するならば、YS横浜は神奈川第7勢力ということになるのかな?

藤枝MYFCに関しては、あっという間に第3勢力の座を沼津に出し抜かれてしまった感もなくはない。少なくともスタジアム直通のシャトルバスを走らせるようになったのは、沼津が先。それにしても、静岡のサッカークラブは、何故、大都市の隣をホームタウンにしたがるんですかね?静岡エスパルスではなく清水だし、浜松ではなくジュビロ磐田アスルクラロだって三島ではなく沼津。MYFCも藤枝であって掛川ではない。そんなに新幹線停車駅が嫌いなのだろうか⁇

 

一貫性。〜京都サンガvs徳島ヴォルティス(10/13)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

西京極まで来てしまったよ。今シーズンの京都は、今シーズンとて、最終的には必殺の“戦術闘莉王”で、そこのけそこのけ田中が通る。それにしてもマルクス君本人は、どう思ってるんですかね、自らのFW起用に対して。放課後の体育館で「先生バックスがしたいです!」つって、泣き崩れていたりしないでしょうか。まあ、いろんな指揮官が悉く前線で使っているので、そういう特性ということなのでしょう。

対戦相手は徳島。よく千葉と京都が“ずっ友”なんて評されますが、案外、徳島と京都の方が立ち位置的には似ているような。メインスポンサーの規模とか、スポンサードの量とか、経営への関与の在り方とか。安定企業が付いてくれているけど、彼らに“リアルサカつく”をするつもりはない、みたいな。ちなみにワタクシが前回に見たヴォルティス戦は去年のフクアリ。そう、馬渡が“馬渡事件”を起こした、あの試合ですね。ボールボーイも大切なファミリーなんでリスペクトしましょう。

 

■前半

朝イチで最寄り駅を出発し、飛行機で伊丹へ。伊丹空港からはモノレール代を節約して蛍池まで歩き、阪急で京都へ。まだ10時とか。あらかじめ調べてあった阪急大宮駅近くの“ヤオイソ)でフルーツサンドの朝食。ハイカロリーブレックファーストですけど、朝からビール飲んじゃうよりはマシであろうと自分を正当化してみる。缶の京都麦酒は市内あちこちのコンビニでも売ってたりしますからね、何度誘惑に負けそうになったことか。危ない、危ない。

朝食のあとは、四条通りからあまり離れない範囲でそれなりに観光して、で、お昼。とりあえずガイドブックに載ってそうな店に行こうと思い、“京極スタンド”へ。新京極にある昭和は酒場なのですが、どこか既視感を禁じえなかったりして、その既視感の正体を考えてみるに、わかりましたよ、赤羽によくあるタイプの酒場なのですよ。大衆的ではあるが、決して安いわけではない。かといって味が上等なこともなく、それでも少なくとも大学生のサークルが騒いでいるようなことは絶対にないので好きな人は好きで通っちゃう的な。

 

試合で注目していたのは、町田時代から贔屓目にしていた庄司。庄司が仙台から加入したのと歩調を合わせて京都も復調してきたので、さぞかし利いているのであろうと思いきや、中盤の底にプレーメーカーがいてもしかたないような京都のサッカー。庄司の加入と京都の復調の因果関係がさっぱりわからんぞ。

徳島で注目した選手は岩尾。これまた水戸時代から贔屓がちにしていた選手なのですが、アンカーかと思いきや、シシーニョが逆三角形の底で岩尾はインサイド左だったですかね。途中からシシーニョと入れ替わったりしつつ。入れ替わったといえばウイングバックも。杉本が左だと、ただでさえこねくりまわしがちなところ、さらに右足に持ちかえるので、かなりモタモタしてしまう。左右入れ替えて正解だったのではないでしょうか。

 

■後半

試合はキックオフ早々、動きます。まだ始まって数分だってのに、かなり深い位置からのフリーキックでCBを上がらせて、ロングボールをポヨンと蹴って、闘莉王がヘディングシュートを放り込む。まあ、そういうスタイルのサッカー。追いかける徳島は、後半の途中からシシーニョを右ワイドに配置。シシーニョ、そういう働きもできるのか。

そういう調整も含めて後半の10分〜30分くらいの時間帯は、一方的な徳島ペース。それはそれは爽快感と疾走感に溢れていましたよ。岩尾がバラルに入れて、落としたボールを拾ったウタカが突進、コースを切られると右に大きく展開してから、シシーニョがせいかくなクロスを折り返す、みたいなのが、次から次へと生み出される。とはいえ、ボスコさんも、守らせることは上手い。仙頭をインサイドハーフに投入したり、闘莉王大先生を最終ラインに落としたりして532のミラー状態に持ち込むと、そこからは徳島も勢いが削がれ、京都が逃げ切りに成功しました。

 

しっかし、京都、監督は変われど、去年からずっと清々しいまでのポンポンサッカーですね。ボールを奪ったらルックアップなどすることなくロングボール。ハーフラインを越えたフリーキックは全てゴール前に放り込む。スローインも石櫃のロングスローが届く限りゴール前に投げ込む。ハリルホジッチが日本のサッカー界に「縦に速い攻撃」を伝道してからは、わりと「奪ったら速く攻める」ってのも市民権を得つつあるのですが、「縦に速い」と「縦ポン」は似て非なるものなんだなと、改めて認識させてもらいましたよ。

尤も、確か今の京都の強化スタッフは名古屋を追い出された面々ですよね。現在の京都に名古屋から移籍してきた選手を見ればわかるように、彼らはグランパス時代から強化方針に一貫性がある。そう、「身長の大きなCFと、身長の大きなCBを大量に揃えることこそ正義!」という一貫性。そういうスタイルを好む好まないはともあれ、哲学を持ってそういう強化をしているのであれば、一定のリスペクトを持たないといけないですね。ですかね?

 

セクシーの現在地〜町田ゼルビアvsモンテディオ山形(10/7)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

この数週間で、激動に晒されているゼルビアサポーター。なんとサイバーエージェントが事実上の買収をすることに。記者会見の内容を信用するならば、敵対的買収というよりホワイトナイトっぽいですが、果たして、数年後に「東京ゼルビア」とか「町田渋谷ゼルビア」とかにチーム名が変わっていたりはしないだろうか。ちなみに、一連の報道によって、初めて「サイゲームス」の“サイ”が「サイバーエージェント」の“サイ”であることを知ったよ。

乗り込んで来たのは山形。チームカラーとしても、監督さんのキャラクターにしても、失礼ながら“地味の極地”といった印象。今シーズンら、着実にプレーオフを狙える位置に付けていますが、そのポジションも、また、モンテディオっぽい。注目すべきは、町田にも所属していたことのある南でしょうか。ピッチ外の部分さえ安定すれば、J1でも十分にやっていける、ヨミウリ印のタレント。覚醒まで、あと、もう一歩!

 

■前半

この日は午前中、四谷あたりをフラフラしてから新宿へ。「ステーキしゃぶしゃぶパンドラ」でランチを食べたのですが、美味しかった!どこぞの、いきなり感溢れるお店も悪くないですけど、普通に席に案内されて、普通にメニューを渡される店の方が落ち着きます。四十路オヤジとしては。この店、ディナータイムは「5000円で、ちゃんとした牛肉を食べましょう!」みたいな雰囲気なのですが、ランチのコスパは抜群。日本の「ランチは宣伝なので利益率度外視!」文化に乾杯でございます。

で、新宿からは、小田急ではなく京王線に乗って、敢えて京王永山を目指す。20代を多摩地域で過ごしたワタクシとしては懐かしのグリナード永山なわけです。ボウリング場はまだあるのか。TSUTAYAはなくなったんだなぁ。みたいな感慨に浸りながら鶴川行きの神奈中バスに乗る。日曜日の昼下がり、高齢化久しい多摩ニュータウンということで、団地にお帰りになるシルバーの方々も多く、かなり混雑していたぞ。というか、永山駅始発でなく、聖蹟から来ているのだから、一つ手前のバス停から乗れば良かったのか。

 

ともあれ湯船バス停で下車して野津田へ。ホイッスルが鳴ってピッチを眺めると、町田にはいつもは違う光景が。それまではゼルビアにおいて「ファンタジスタ枠」を担当していた平戸がボランチの位置に入ってましたね。その相方は土岐田。直近のシーズンでは随分と序列を下げている印象もあったのですが、コンディションが整ったということか、復活してきました。シーズン終盤にベテランの状態が上がるというのは頼もしいものです。

対する山形は、全体としては押し込んでいたのですが、町田のカウンターの際には、いろいろ危なっかしかった。まず、右CBの西村が危なっかしかった。フォルム遠目からは日本人離れしていて、大坂なおみパターンの人かと思われましたが、トータルテンボス藤田やスキマスイッチ鍵盤さんのパターンらしい。それから、もう一人、GK櫛引も危なっかしかった。飛び出してハイボールにかぶったり、パンチング空振りってのは、素人目にはドキドキしてしまうぞ。

 

■後半

前半から、どちらかと言えば山形のが、相手ゴール前に迫る回数は多かったんですよね。ただ、なんせ、相手は相馬ゼルビア。鹿島流ブラジルイズムですから、敢えて山形を誘い込んでいる可能性もなくはない。なんてことを考えてはいたのですが、後半になっても大勢は変わらなかったので、そういう噛み合わせのゲームだったようです。

早めにスタジアムに到着して、少しスタンドでウトウトしていたからかもしれませんが、それなりに両ゴール前でクロスが飛び交っていたものの、どうにも気持ちが高ぶらない。悪く言えば“塩試合”あるいは“塩分高め”ってな様相。とはいえ、これはクオリティが低かったってな話ではなく、むしろ両チームのカラーがクッキリ出た試合と評価すべきかもしれませんね。スコアレスドローで勝ち点を分け合う結果となりました。

話は突然変わります。『スーパーサッカー』限定かもしれませんが、ワールドカップで45度から2ゴールを決めたからって、乾貴士にとってのあのゾーンのことを“セクシーゾーン”って言うんですか? 野洲高校時代の『セクシーフットボール』にひっかけて。そういう話を耳にするたび、乾貴士楠神順平の格差が広がったなあと複雑な気持ちにもなる。352の左WBが乾で、右WBが楠神だったんですよ(左右が逆だったけな?)。

ってことを踏まえて、この試合を振り返ると、複雑な気持ちはさらに深まる。前半からシステムの噛み合わせからでしょうか、サイドの大外は山形にイニシアティブがあった。なので、そこの優位をさらに高めようと木山監督も手を打ちます。後半途中か、左WBとして起用されたのが、まさかのプリンス汰木ときたもんだ。プレースタイル的には鎌田大地みたいな選手。それがWBか。それはそれで結構なのですが、・・・だったら、楠神で良いじゃん。高校時代のポジションなんだから。。。

 

独特システム対決!〜横浜F・マリノスvsコンサドーレ札幌(10/5)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

今年は本当にマリノスと縁がある。この試合で何回目の生観戦となるのだろうか。4〜5回にはなると思うのですが、ワタクシ基準では、1シーズンでこの数字は、そうとう多いです。ただ、さすがに今シーズンはこれでお終いになる可能性が高いのですが、果たしてポステコさんと再会できる日は来ますかね? 来シーズンも日産スタジアムに彼はいるのだろうか⁇ 現状の成績では、まあまあ微妙。

対するコンサドーレは快進撃ですね。とにもかくにも安定のミシャさんです。浦和時代は、それなりにリクエストに応じた選手を補強してもらえていた分、勝負弱さの部分をフォーカスされがちでしたが、札幌では、着実にチームを作れる良さが正当に評価されています。そんなミシャ札幌が、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみでしたが、絶対的なキーマンたる宮澤がメンバー外? 理由は予習してませんでしたが、宮澤のいない札幌なんて、梶山のいないFC東京と一緒じゃないか‼

 

■前半

神奈川って、昭和初期までは郊外奥座敷的なポジションだった、地味な温泉地がチラホラありますよね。代表的なのは、駅名にまでなっていて、かつ最近大復活している老舗旅館で有名な鶴巻温泉ですが、東横線沿いの綱島も、そういう奥座敷の一つ。ただ、今回、降り立って目を見張ったのは、かつての温泉街の名残であったり、名残が全くないことへの感嘆ではなく、バスロータリー。ミサイルを発射するような縦型配置で次から次へと飛び出していく。アムロ、行きま〜す! オヤジにもぶたれたことないのに‼

なにゆえ乗換駅の菊名ではなく綱島で途中下車したかというと、まあ、ご飯ですよね。雑誌か何かで調べたところ、綱島に雰囲気が仄かに怪しげなタイ料理屋さんがあるというので、食べてきましたよ、ガパオライス。「タイタニ」という店。別に怪しげではなく、地方の定食屋さんとかにありがちな、飾り物とかが年月を重ねるうちに乱雑に散らかってしまっている状態ですね。タイ料理さんでその状況が発生すると、怪しげというか、オリエンタルミステリーになるのですよ。

 

オリエンタルではないですが、ミステリーといえば、この試合での札幌。ミシャといえば3421の伝道師だったわけですが、たぶん、ワタクシの視認の限り、442だったですよね? 菅が最終まで落ちる一方で、駒井は中盤に残る感じ。早坂が右SBに広がるというか、ともあれ、「守備では3バック、攻撃では415」という、例のアレではなく、守備時は442、攻撃時はむしろ3バックっぽい感じ。

ホームのマリノスのミステリーシステムは後述するとして、前半から目立っていたのは、遠藤・仲川・扇原。遠藤と仲川の両WGはすっかり攻撃のストロングですよね。成績はともかく、この2人を覚醒させたのはポステコさんの功績でしょう。個人的には扇原のアンカー職人っぷりを全開にさせてくれていることもポステコさんの評価ポイント。

 

■後半

試合は前半から動きまくり。もうね、マリノス守備陣、完全に崩されるのですよ。そしてオフサイド判定2連発で揺らされたゴールを取り消してもらったりしたのですよ。そりゃ、ジェイの先制点も、もはや必然。でも、完全に崩されたのはマリノスだけでなく、コンサドーレ守備陣も同じ。ノーガードの打ち合い上等よろしく仲川が同点ゴールを決めると、最終ラインすり抜け放題天国を謳歌した山中がものの見事に突破すると、最後はウーゴが押し込み、マリノスリードでハーフタイム。

後半もオープンな展開は続き、互いに相手ゴール前に幾度となく押しかけますが、両チームとも、まるでラストプレーの精度不足を競い合うかのような応酬にもなります。そうやっているうちに、徐々にマリノスは時計の針を進めようとするモードに突入。なのですが、こういのは危険。日本人のメンタリティとして、時間を稼いで逃げ切りを図るというのは、残り5分まで我慢したほうが無難だと思うんですよね。最後20分はコンサドーレが押せ押せに。どうにかリードを守り切りましたが、マリノス的には、あまり心臓に良い試合とは言えなかったでしょう。

さて、最後にマリノス独特のシステムについても触れておきます。マリノス、最近は山中だけでなく、松原もニセボランチになる。なので、攻撃のときは、2323(2CBー松原・扇原・山中ー天野・大津ー3トップ)みたいなかたちとなる。そのときインサイドハーフの天野と大津はセントラルミッドフィルダーというよりもサイドハーフとしての動きをすることになっているっぽい。3ボランチの左右と左右SHの関係だから、臨機応変に大津と松原、あるいは天野と山中はポジションチェンジを繰り返す。なるほど、と。だから喜田や中町ではなく大津が使われているのかと。喜田はサイドハーフというよりセントラルミッドフィルダー。このシステムのインサイドハーフとしては、ややスタイルが違う。出番も減るってもんだ。・・・まあ、腐らずに頑張っとくれ。

 

 

チェスト〜‼〜鹿児島ユナイテッドvsギラヴァンツ北九州(9/15)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

鹿児島、調子が良いですね。折しも今年の大河ドラマは「西郷どん」。鹿児島には追い風が吹いているのでしょうか、すんもはん。ただいま2位の鹿児島なわけですが、1位は琉球。日本南端の隣県同士がワンツーに位置しております。・・・ということは、西郷どん旋風なのではなく、島津藩旋風なのか? 江戸時代のはじめの頃に島津藩が攻め込んで属国みたいな感じにしたとか、「いや、それは観念的な構図が一人歩きしているだけ!」とか、諸説あるようですが、ともあれ島津藩にゆかりの地域が2018シーズンのJ3を牽引しております。

一方の北九州は絶不調。せっかく新スタジアムができて、「これから!」ってタイミングでJ3生活が始まり、しばらく続きそうな気配がしないでもない。解任された前任者とか、監督のチョイスはそれほど間違ってないような印象もありますし、選手もそれなりに揃っている(やや、「実より名前」感もあるものの)。果たして苦戦の要因は現場にあるのか、背広組にあるのか。

 

■前半

そんなわけで、西郷どんなわけですよ。毎年恒例、この時期が遅めの夏休み。せっかくなんで、未踏のスタジアムを絡めて旅行したいっつうんで、西郷どんだし、鹿児島にしたのですよ。そして大河ドラマ館に行ったり、白クマを食べたりしてから鴨池方面へと向かったのだけれど、いやあ、白波スタジアム、クレイジーです。まず何がクレイジーかというと選手紹介のアナウンスが思いっきり鹿児島弁(薩摩弁?)。男性アナウンサーであっても、方言萌えせずにはいられない。止められない、この想い。

他にもクレイジーなことがあって、スタグル、肉巻きおにぎりを食べた後に唐揚げと炭火焼き(各500円)を調達したのですが、その量がクレイジー。都内の業者よ、見習うが良い!ついでに言えば、もう一つクレイジー案件があって、それはメインスタジアムの入場ゲートをくぐったあとのコンコースで生ビールが売っていないこと!まじか‼わざわざ再入場のためにチケットを握りしめて外に出直してしまったよ!

 

試合については、まず鹿児島は、いかにもヤス、三浦ヤスのサッカー。2トップのフォアチェックを見ていても、とにかく“気合と根性”ってのが前面に出てくるスタイル。ともすれば、昨今はやりの、昔ながらの体育会パワハラ系指導者に率いられた高校とかがやってそう(ヤス、三浦ヤスがパワハラ指導をしているとは言ってない)。なんというか、「考えるな!特攻せよ‼」みたいな。

他方、北九州。シーズン途中からは、もはや“信頼と実績”と言って良い(?)柱谷哲二が率いていて、近年の柱哲は、少なくともチームの形は作るわけですね。ゆえに、ちゃんとサッカーはやってます。なかでも目を引いたのが序盤15分までの安藤。折り返すラストパスを入れる選手を敢えて“クロッサー”ではなく“センタリンガー”と表現するならば、この試合最初の15分の安藤はさながら“フリーランニンガー”。小気味よくチャンスメークしておりました。

 

■後半

序盤から押し込んでいたのは北九州だったんですよね。ただ、好調チームのオーラでしょうか、不思議と鹿児島が失点しそうな気配は余り漂わない。そして、そういうなかで千載一遇のPKを獲得すると、それをキッチリ決めて鹿児島が先制します。いかにも勝ち慣れているチーム。レベルの高低に関わらず、リーグ戦とはそういうもの。そして後半になると鹿児島は薗田と吉井の位置をそれぞれ少しずつ下げて、433のようなフォーメーションへとシステムチェンジ。相手とのはまり具合を微調整したのか、それとも、このまま45分間の逃走劇を完遂させるぞというヤス、三浦ヤスの意思表示なのか。

で、それが65分くらいまでは見事に奏功して、“気合と根性”の前半とは打って変わって、鹿児島は北九州にボールを持たせつつ、ベルギーよろしくな鋭いカウンターを次から次へと発動させます。ただ、あまりにもボールを持たせすぎたらしく、北九州にリズムが出てくる。柱哲流のヨミウリサイドアタックサッカー水戸風味が牙を剥き、左右に振り回しまくりの波状攻撃を仕掛けまくり。しかも本山雅志まで登場する。しかし、鹿児島は粘り強かった。そのままリードを守りきり、逃げきりに成功いたしました。

さて、この試合は九州の北端のクラブと南端のクラブが相まみえたわけですね。小倉と鹿児島中央九州新幹線完乗状態。九州には“sunQパス”というパスの乗り放題チケットがあります。高速バスから何やら、九州内すべてのバスに乗れて、そこには博多〜鹿児島の夜行バスも含まれるので、若人たちはそれで宿代も節約できてしまうシステム(ワタクシみたいな中年にはフィジカル的に無理ですが)。

それくらい離れた両地域ですが、ワタクシの主観においてイメージが重なる部分もある。どういうところがダブるかというと、鹿児島といえば薩摩隼人ですよね。なんだか武士道、つまりは封建気質っぽい。一方の北九州といえば炭坑の男たちが戦後日本を支えてきま街。で、炭坑の人間関係は義兄弟の契りを交わす寄親寄子を彷彿とさせるよう仕組み。任侠といいますか、要は封建気質っぽい。ってところで、ヨソ者のワタクシにはイメージがダブるのですが、実際のところはどうなんですかね⁇

 

空気を乱していこう!〜FC東京vs鳥栖(9/2)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

FC東京、不調ですね、ここのところ。長谷川健太監督は清水でも実績があって、ガンバ指揮時代に至っては三冠とか達成してしまっている、屈指の名監督であるにもかかわらず、ごぐごぐ一部の、そういうサポーター(のふりをしている人)は、ガンバ末期のハセケンをクソミソに言っていた。ホント、ものごとを相対的かつ総体的に見ずに目の前の自分の視野にわかりやすく入る情報だけを切り取れば、なんとでも批判できるわけですが、ただ、確かにハセケンさんのチームは、チーム不調期のグダグダさが、どうにも閉塞感を拭えない感じになるっちゃなりますよね。

対戦相手はサガン鳥栖鳥栖フィッカデンティが率いているだけあって、FC東京との縁というか因縁というかが非常に深い。まあ、権田ですよね、目立つところでは。他には、直の移籍ではないですけど高橋秀人。それから忘れちゃいけないのが河野。でも、やっぱり、こと今節に限ればトーレスですよね、フェルナンドさん。ついでに金崎。

 

■前半

マツコ・デラックスが反応するまでもなく、わりと「小岩vs新小岩」問題ってありますよね。時々「川口vs赤羽」とかも煽られますが、こちらはマスコミが作ったフィクション。でも小岩新小岩問題はノンフィクションっぽい。知り合いの小岩住民と飲みながら聞いた話では。ちなみに新小岩の良さは、千葉方面から新宿に向かうとき、一般的には錦糸町総武線に乗り換えるのですが、手前の新小岩で乗り換えると高い確率で座れるところ。錦糸町からだと、まず座れない。

そんな新小岩にいたのですよ。17時頃。キックオフに間に合わせるべく、大急ぎで早めの夕食をとることに。となるとラーメン屋になるわけで、「ごっつ」という背脂ラーメン屋に入店。亀戸でも同じような店(同じ系列だったかも??)があった記憶があるのですが、葛飾には背脂ラーメン文化が根強く残っているのか? ワタクシが大学生の頃、当時住んでいた多摩地域の某ホープ軒に足繁く原チャリで通っていたものですが、胃袋が頑丈だった日々を思い出さずにはいられない。

 

さて試合。FC東京は、例によってのハセケンスタイル。特に前半においては、2トップを走らせる。2トップに裏抜けさせる。で、もし、そこでキープできたら、やおら、全体を押し上げる。ハセケンスタイルと書きましたけど、いわゆる、ごくごく一般的な、『そもそも、そういうものだよね」スタイル。ディエゴ・オリベイラがいると、それでもシュートまで持ち込めてしまうんだから仕方ない。

対する鳥栖は、最初はいわゆる“クリスマスツリー”だったですかね?トーレス頂点、小野と金崎が衛星的に動いて、中盤は左から福田、秀人、高橋義希。ただ、前半なかばから押し込まれると、442だか3421だかに変更させたかも。高橋高橋ボランチで、福田が右のワイドにおりました。前半の鳥栖については、さほどエキサイティングな感じではなく、敢えて最もエキサイティングだったシーンを探すとしたら、戻りオフサイドを取られたときのフェルナンド・トーレスの激昂っぷりだったでしょうか。

 

■後半

まあ、ハセケンとマッシモの対決ですからね、そりゃ、堅い守備合戦になるわけで。見る人が見たら“塩試合”ってことになるのかもしれませんが、そうそうネットは揺らされません。ただ、鳥栖に関して言えば、やや自滅に近いノーゴールだったように思えなくもない。

確かにトーレスは大物ですし、リスペクトするべき選手ではあるのですが、だからと言って、周囲の選手は必ずしもトーレスのお膳立てをするためだけに存在しているわけではないはずなのに、なんだか、みんながみんな「トーレス様、どうぞどうぞ!」になってましたねぇ。特に、シュートへの意識に限ればエゴイストだからこそ素晴らしい金崎がトーレスばかり見てフリックしたりスルーしたりしてシュートチャンスを譲っているのを見て悲しくなったのはワタクシだけでしょうか?

 

要するに、これは鳥栖に限ったことではないのですけど、“空気を乱す人”か必要だったのですよ。ただ、残念ながら空気を乱す人はフィールドにはいなかった。むしろスタンドにいた。この日はバックスタンド上層階のビジター指定席に座ってたんですけど、たぶん十代の学生だと思うのですが、周りの空気感などお構いなく奇声やら身内コトバな嬌声を発してじゃれ合ってる集団がおりましたねえ。空気を乱しまくりです。若さの特権です(一応、フォローする大人の余裕←自画自賛)。それも含めて味スタ夏休みトーレス祭りです。

もう一人、こちらは良い意味で空気を乱す人がいて、それは丹羽大輝。ベンチスタートでハーフタイムはアップしていたのですが、ハーフタイムがあけて審判が戻ってくるまで、ずっとピッチに残っていて、主審や副審と握手をして退いていった。彼のルーティンなのかどうは存じ上げませんが、トーレスが熱くなったり、前半のうちから少しレフリーに対するフラストレーションというか、ヒートアップしかねない雰囲気もあったので、そういう不穏な空気を乱す(平静に戻す)ために審判陣とコミュニケーションをとったようにも解釈できて、だとしたら、なかなか立派な行動でございます。

 

転機はクリスランの負傷交代〜横浜FMvs清水(8/29)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

ミッドウィークで唯一試合のあった日産スタジアムへ。今ひとつ波に乗れないマリノスですが、少し前に中澤の連続出場記録が途切れたと話題になりました。ケガですかね?それとも衰えでしょうか?……まさかですけど、ついに本格的な安室ロスにはまりこんでしまっていたりする??安室ちゃんが引退宣言してから、地味に恐れていた事態。こういうときこそ、トライミー。ドンワナクライでございます。

対する清水。こちらはヨンソン新監督を招聘して、比較的スタートダッシュは悪くなかったし、ドウグラスというピンズド補強にも成功したはずが、気がつけば、残留争いにも留意しながら勝ち点計算をしなければならなくなってます。とはいえ、今年から自動降格が2チームになって、この試合勝てば17・18位のチーム(ガンバと長崎)との勝ち点差が「残り試合数×1」のラインに乗る。「残り試合数×1」が詰められる勝ち点の基準とされていますので、とりあえずここは勝っておきたいところ。

 

■前半

この日は故あってパーワンツーにおりました。ちなみに“パーワンツー”というのは、“八王子”をそのまま中国語読みしたとき、こういう発音になるらしい。ワタクシ、八王子市に所在する大学で、第2外国語として中国語をとっておりました。全く何も覚えちゃいないのですが、“パーワンツー”だけは耳が覚えております。あとは“ウォアイニー(アイラブユー)”とか“トゥーシュークワァン(図書館)”とか。

京王線沿線に住んでおりましたので、帰省とかから下宿に戻る際は、新横浜から横浜線、で八王子から京王八王子(けいはち)というルート。その頃から比べると様変わりした部分と変わってない部分があって感慨深かったです。まず様変わりしたのが南口。ワタクシが知っている八王子南口は、いかにも“裏側”って感じで、素朴な広場って雰囲気だったのに、いまやすっかり再開発が完了していて、綺麗になってます。その一方で変わらぬないのが、八王子駅から京王八王子駅へ歩く途中にある九州ラーメン屋さん。まだあったのか! まあ、食べたことはないんですけどね。。。

 

さて試合。この試合で密かに期待していたのは、マリノスの健とエスパルスの后という、松原対決。なのですが、残念ながらお預けとなってしまいました。マリノス健が、何やらセレモニーはしてもらっていたものの、肝心のゲームには先発出場せず。マリノス右WBが肩透かしだったのですが逆サイドは見ごたえ十分。山中が神がかり気味に利きまくり。守備はよくわかりませんが、攻撃においては、ほぼ全てのプレーを意図通りに完遂できていたのではあるまいか。

その分、清水は苦労させられましたけどね。もっと清水の苦労は山中にやられたというより、攻撃時にセカンドボールをまったく拾えなかったことによる。で、その病は、文字通りケガの功名で処方されます。クリスランが負傷退場して北川がスクランブル投入されると、その北川がリンクマンとして機能。清水は不用意にボールを失わうということがなくなりました。

 

■後半

 

スコアはキックオフ直後に動きます。ファーストプレーがマリノスコーナーキックになり、それをドゥシャンが押し込んで、あっという間の先制。びっくらこいたよ。その後はしばらくマリノスが一方的に押し込む展開で、清水としては相当厳しかったのですが、金子がワンチャンを生かして同点に追い付くと、そこからは清水も息を吹き返し、むしろマリノスが押し込まれる時間帯が長くなって、ハーフタイムを迎えます。

後半に入っても当面の流れは変わらず。清水がセットプレーの二次攻撃から金子がクロスを入れて、ドウグラスがゴラッソを突き刺します(オフサイドでないってことで良いのだよね?)。追いかけるポステコさんは4バックにして捨て身の攻撃を仕掛けたら、ホントに身を捨てることとなりドゥシャンが退場。そこからは、もうワンバックなのか喜田CBなのかワケがわからないまま、物凄い猛攻。清水はやられっぱなし。清水はひたすらアタフタアタフタになって、ついでにPK疑惑等もありましたが、ともあれ、どうにかこうにか凌いで、逃げ切りました。。。

 

ちょうど『エルゴラッソ』でアジア大会日本代表の1トップ2シャドーが「トリプルストライカー状態だ」って記事を読みましてね。それが上手くいってるから不思議だって内容だったんですが、そこに書いてあったのが「原則として組合せの基本は異なるタイプの掛け合わせ」というテーゼ。まあ、感覚的に、あるいは経験則的に「そりゃそうだよね」って話。

なのですが、ヨンソン監督ったら、そんな原則なんてまるで無視して、同じタイプを組み合わせるの、好きね〜。白崎と河井のボランチコンビは、大きく言えばレジスタ同士の組合せだし、石毛と金子のサイドハーフコンビも「走力とアジリティで勝負!」という意味では似ている。先発2トップはクリスランとドウグラスのブラジル人コンビで、2CBもフレイレとファンソッコという助っ人コンビ。まあ、ブラジル人同士や助っ人同士だからといって、プレースタイルまで似ているわけではないのですけど、特に2トップのキャラかぶりは機能的に宜しくなかったかもしれません。北川が入って、役割分担が明確化になってチームが生き返ったように思われます。

 

赤子をひねるように〜町田vs岐阜(8/26)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

日曜日は野津田。それにしても町田、大健闘ですね。スタジアムの問題などでJ1ライセンスがないなか、それでもモチベーションを維持して首位争い。町田の場合、損をしていますよね。多くのスタジアムは国体を契機として整えられるわけですが、東京で国体をしても、なかなか「町田をサッカー会場として再整備しよう!」ということにはならない。「ムダに税金を使わず、西が丘でやれ!」ってことになってしまう。国体に限らず、なかなか東京都が予算を出してくれるとは考えづらい。町田市として整備するしかないとなると、これは、かなりハードルが高くなってしまいます。

相手は岐阜。序盤は旋風を巻き起こしかけたのですが、古橋を抜かれた影響もあって、ここのところは低空飛行。個人的には大木監督は大好きな指揮官なのですが、他のクラブを率いたときも、わりとずっとこんな感じ。なかなか“会心のシーズン”って感じにならないきらいもあったりします。

 

■前半

この日は品川にいたのですね、いろいろあって。ワタクシが上京した頃には、まだ品川に新幹線が止まらず、浜松町あたりで新幹線は減速していた。そのタイミングで車窓を眺めると、ちょうど東京タワー、みたいな。で、湾岸エリアに流れ出す運河のきったないきったない水を目の当たりにして、大都会を実感したりしたものです。いまや駅ナカ充実の新幹線停車駅ということで「常陸野ブルーイング」に立ち寄ろうとしたら、日曜日の夕方だけあって大混雑。さすがに付き合いきれない。

ということで山手線で一駅移動して大崎へ。大崎駅は日常的にもときどき利用するので、勝手がわかる。駅構内のニューデイズて生ビールが298円で売っていることや、ホームのベンチには割と座れることも知っている。ええ、ええ、ホームで生ビールを飲み干してから埼京線に乗り込みましたが、何か? そして新宿駅から小田急線に乗り換えて鶴川駅へと向かいましたし、さらに言えば、シャトルバスではなく、多摩センター行きのバスに乗って、サンシティ町田で下車しましたけど、何か?

 

そうこうしているうちにキックオフ。町田の好調さは、よく伝わってきました。なんせ、ムダがない。とりあえずボールを奪ったらFWに縦抜けさせるわけですが、そのままゴールに向かわせるというより、そこからサイドに展開。もっといえば右サイドに展開して、で、折り返す。秀逸なのは、このとき、右サイドにかけている人数と、ゴール前で待ち構えている人数の配分が常に正しいところ。相馬さんのトレーニングの成果でしょう。

対する岐阜は大木さんのサッカー。大きく分類すれば風間さんと同じ指向性ですね。どこが同じかというと、とにかくトラップを大切にするわけです。ボールを大事にするには、まずはトラップ。このサッカーだと、ボールを受けてから出すまで、多少の時間がかかる。だから、局面を打開するためには勝負のパスを出さなければならないのですが、その勝負パスにおける“止める・蹴る”のクオリティが少し足りていませんでした。

 

■後半

勝敗は前半にオウンゴールで町田が先制した時点で決まっていたのかもしれないのですが、とりあえず、シュートが相手にあたってのオウンゴールになったことに対する森村の戸惑い方が面白かったです。で、そこからの数十分はひたすら町田がゲームをコントロールしてタイムアップを迎えた、そういう試合でございました。

そうとはいえ、後半も15分を過ぎたあたりからは、さしもの町田も、やや間延びしだす。岐阜のアタッキングにも迫力が出て、大きな展開が通ったりし始める。でも相馬監督は慌てません。ちゃんと処方箋を持っていた。具体的には土岐田をアンカー、中島を左アウトに配置し直す4141でスペースのバランスを整える。ここからは、再び膠着、岐阜の攻撃はトーンダウンします。後半ロスタイムに得たPKを外すというご愛嬌もありつつも、まあ、町田が貫禄を見せつける結果となりました。

 

岐阜の視点から見ると、かな〜り厳しい現実を突きつけられた格好。町田の、それはそれは美しいブロックを前に、まったく侵入ができません。ブロックの外、岐阜の最終ラインでボールが右に行ったり左に行ったり。そこにもフォアチェックがかかると苦し紛れのイチかバチかパスを出して奪われる。そこまでいかなくとも、結局は“飛んで火に入る夏の虫”状態の中央突破を余裕綽々に奪われてしまってカウンターのピンチを迎えてしまう。ずっとそんな攻防でした。

風間さんや大木さんのトラップを大切にするサッカーというのは、基層的な哲学として“不確実性の排除”という考えがあるのだと思います。相手にマイボを奪われず確実にゴールに近づける、或いは相手をゴールから遠ざけるためには、しっかりトラップをして、丁寧にパスを出すのが最も確実性が高い。数学的な考えのサッカーといえます。しかし、それは同時に、相手にとっても「えっ!?そこでそんなことやる?? そんなん予習復習できへんし、傾向と対策もあったこっちゃない」って状況が発生しづらいということです。完膚なきまでに上回らないと相手を崩せない、難しいサッカーでもあるわけですが、とはいえ、それでも大木さんにはそこを追求してもらいたいとも思ったりします。

 

面白系フィジカルモンスターなオルンガのゴールもあったよ。〜柏vs長崎(8/25)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

土曜日は日立台。今シーズンの柏は、サポからの支持率が成績のわりに宜しくなかった下平さんを切って、途中からレジェンドの加藤望を監督に昇格させましたが、残念ながら、そこからV字回復ということにはなっておりません。加藤望さん、確かにレジェンドだったんですけど、どちらかといと頭脳派というよりは天才肌のファンタジスタだったので、指導者としては、少し様子見をしないと評価しづらいところ。

一方の長崎。昇格初年度のプロビンチャは、ほとんどがそのままJ2に返り討ちされるのですが、さすがは実績十分の高木監督だけあって大健闘しております。それでもジリジリと成績を下げて降格圏にはまり込みつつあるいま、ここはアキラの神通力が必要ですかね。分割手数料をジャパネットが負担した上で、原価大安売りの勝ち点を大量に問屋から仕入れるってことはできないのかしら? 冗談はさておき、まさに正念場。真価と底力が問われるシチュエーションとなっております。

 

■前半

 

この日は松戸の花火大会だった模様。南船橋から武蔵野線で新松戸まで行き、そこから常磐線だったんですけど、浴衣を着た“かわいこちゃん”をたくさん見かけましたよ。“かわいこちゃん”というワードチョイスから世代を推測してくださいまし。そんなジジイであるにもかかわらず、オシャレカフェで軽食をとっていこうと試みながらも、目当てにしていた「 グリーフルカフェ」というお店が18時閉店。食べログだとバータイムがあるはずなのだけれど…

仕方ないので、同じくあらかじめ調べてあったカレーのお店「ボンベイ」に予定変更。いわゆるインド人のカレー屋さんではなく、日本でお馴染みのスタンド系のカレー屋さん。でも、味はしっかりと本格派。南アジアのサラサラカレーでございました。

この店の何が良いかって、まず生ビールがハートランドであること。グラスサイズなので値段も400円とお手頃でしたし。さらに食後にはデミタスコーヒーがサービスで出てきた。これまた嬉しい。何よりも、店員さんが、皆さん南アジアの方々であるにもかかわらず、日本語で会話していらっしゃった。これは高感度が高いです。

 

さて試合。まず柏ですが、端的に言いあらわすならば、「スペースにボールを出して走らせるのではなく、動いている受け手に出し手が合わせてパスを出す」というようなイメージ。「奪ったら、自動的にここに出せ!」という約束事があるというよりは、選手同士の即興のコンビネーションに依存するので、ボールを奪ってから攻撃に移行するまでのトランジションに異様に時間がかかります。

対する長崎は、逆に奪ってからのオートマティズムは見事です。奪ったら、まずスペースに大きく展開。あるいはサイドチェンジ。そこは高木さんの手腕。なのですが、さしもの高木さんにもお手上げな要素があって、それは個々の選手の個々のプレーの精度。こればっかしは、なかなか指揮官の手腕だけではいかんともしがたい。一見、レイソルのプレスがかかっているように見えても、ほとんどが長崎の自滅的なミスで、奪われていたように見えました。

 

■後半

前半、先手を取ったのは長崎。序盤は機能していた「奪ったら縦に長いの!」アタックが炸裂します。スペースに出されたフィードに鈴木武蔵が反応して首尾良く決めきります。しかし柏もすぐさま反撃。システム上のかみ合わせや個のクオリティの差もあって、サイドでは柏が優位に立つ。そして「クロスからクリスティアーノ」2連発であっという間に逆転してしまいました。さしずめそれを“クロスクリスクリス”と表現してしまいましょう。

後半に入っても柏の勢いは止まりません。というか、長崎の自滅が止まらない。ゴールに向けてのアバウトなボールに伊東純也が追いついて決めた3点目は、むしろ不用意に飛び出した長崎GK徳重のミスというべきですし、試合終了間際の2失点は完全に心が折れてしまった結果のように思えてなりません。柏の完勝となりました。

 

尤も、そうは言っても長崎を責めるのも酷。長崎のサッカーはハードワークサッカー。弱者が採れる数少ない選択肢なのですが、このサッカーにとって夏は鬼門。酷暑のなか、90分のハードワークはもたない。逆にレイソルは受け手の足下足下に付けていくタイプのパスサッカーですから、いわゆる“ボールは疲れない”を地でいくスタイル。夏場にマッチアップしたら、そりゃ、レイソルのサッカーの方が分が良いに決まっているわけで。

長崎は後半の15分過ぎには走れなくなってしまいました。そうなるとテクニシャン揃いのレイソルは俄然、テンションマックス。それはそれは幾つも幾つも縦パスをバシバシ通していましたよ。長崎はダブルボランチの両方を交代せざるを得なくなった。これでは厳しい。長崎にとって不運なのは、昇格初年度がワールドカップイヤーに相当してしまったこと。6月から7月までの長い中断期間がある分、ただでさえタイトな夏場が連戦続きとなる。ハードワークを身上とするクラブには、余りにも厳しいスケジュールです。高木監督の立て直しに期待しましょう。

 

ブラジリアン!〜浦和vs東京V(8/22)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

熊谷です、熊谷。天皇杯ですね、ええ、ええ。天皇杯なんでカテゴリーの違うクラブの対戦を見たいっつうんで。で、浦和なわけですが、オリベエラさんになってから好調ですね。就任前には懐疑的な向きもなくはなかったですが、立派なものです。浦和のフロントやサポは霞ヶ浦方面に足を向けて寝れないのではないでしょうか。オリベエラだけでなく、ファブリシオも常軌を逸するレベルでゴールを量産しておりますし。

対する東京Vも、今シーズンは勝ったり負けたり引き分けたりしている印象もなくはないのですが、しっかりとプレーオフ圏内界隈をうろついております。やはりサッカー先進国で歴戦のキャリアを積み上げた監督さんですからね、さすがですよ、そこは。もちろん不安要素もありますけど。まず、畠中が個人昇格した影響は今後、出てくるかもしれません。井林と平で大崩れしないとは思いますが、どちらかが出れないときのバックアップが若干心許ない。それから渡辺がアジア大会から帰ってくるまでは頑張らないといけないですね。

 

■前半

 

熊谷と言えば、もちろん埼玉県なんですが、高崎線における熊谷駅のポジションは宇都宮線における小山であり、常磐線における土浦なんで、もはや北関東と位置付けて良いでしょう。良くないかもしれませんが、北関東とせずとも埼玉県の北部は、言わずと知れた小麦文化。加須うどんなんかが有名ですし、武蔵野うどんとか、おっきりこみとか。多分、前近代における治水技術の問題とか、そういうことなんだと想像しますが、麦作が盛んだった模様。

そして、熊谷には泣く子も黙る小麦グルメがありますね。そう「フライ」です。“海老フライ”とか○○フライの“フライ”ではなく、「フライ」がフルネームになるB級グルメ。食べたことがなく、どうしても食べたくなってしまったので、バスに揺られてイオン熊谷店のフードコートに赴き、食べてきましてよ、フライ。お好み焼きをものすごくチープにして、半分に折ってペッタンコ。静岡県民が駄菓子屋でおでんを食べるような感覚で食べるものですかね。嫌いではない。決して。

 

イオン熊谷店からバスを乗り継いでスタジアムへ。ピッチを眺めるとヴェルディは珍しく442でした。今シーズンは概ね4123のことが多かったと思うのですが、強気に2トップで臨んできました。しかもアラン・ピニェイロと林陵平という7番11番のセブンイレブン2トップ。そして井上潮音と橋本というWボランチ。このボランチコンビは良かったですね。中盤のイニシアチブを握ってました。

一方の浦和。浦和はオリベエラになってから、すっかりブラジリアンサッカー。前半からぶっ飛ばすようなことはせず、まずはじっくり相手の出方を様子見する感じ。なのですが、この試合では、それが、ややもすれば“受け身”となってしまい、前半は防戦一方となってしまいました。特にシステムの噛み合わせとしてサイドでは数的不利になるメカニズム。しかもファブリシオは守備をしない。武藤とファブリシオが位置を入れ替えるまでは、宇賀神のサイドで随分と手を焼いておりました。

 

 

■後半

 

ヴェルディは前半から格上相手であることを意識しまくった戦い方。常套手段としてキックオフ直後からGKの柴崎がゴールキックをなかなか蹴らないという柴崎大作戦を敢行。もちろん、浦和は浦和でそんなことは我関せず。こちらはこちらでマイペース。そんな浦和のギアが上がったのは森脇が負傷でピッチを退いたくらいの時間帯から。本来、先発選手がアクシデントで交代するのはチームにとってネガティブなことなのですが、世の中、何が奇貨となるかわからないもの。ゴールへの圧力が高まります。

そして、それが空砲に終わらないところが、今の浦和の強さ。問答無用の中央突破でファブリシオが決勝ゴールを叩き込みます。そして、ここからはオリベエラ采配が冴える。すかさず興梠に代えて荻原を投入するという、この上なく明確なメッセージをピッチに送って、試合をクローズさせました。

 

さて、この試合で注目されたのは、もはやヴェルディ名物ともいえる逆利きSB。右SBに入った林昇は左利き(わりと右足も使う)で、左SBは右利きの香川。ということは縦に香車走りしてからのシンプルクロスは求められていないということ。では何をやるかといえば、1つにはビルドアップ、それからカットイン。ってことになるはず。持ち直してアーリークロスってのも考えられますが、あまりそういう感じではなかった。

なんてことを考えていると、対面する浦和の森脇が、もしヴェルディに所属していたら、ロティーナは確実に左で使っていたであろうな、ということ。森脇って、最も状態の良かったときには、“使われる側”ではなくて、“使う側”だったですよね。特にまだ関根がいたころ、右CBの森脇が右WBの関根を走らせるパスを出すってシーンが続出しておりました。なんとなくサイドの職人のイメージが強いのでクロッサーと思われがちかもしれませんが、多分、ロティーナが求めているSB像に最も近いのが森脇だったりしないだろうか?