ブラジリアン!〜浦和vs東京V(8/22)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

                                  にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村

熊谷です、熊谷。天皇杯ですね、ええ、ええ。天皇杯なんでカテゴリーの違うクラブの対戦を見たいっつうんで。で、浦和なわけですが、オリベエラさんになってから好調ですね。就任前には懐疑的な向きもなくはなかったですが、立派なものです。浦和のフロントやサポは霞ヶ浦方面に足を向けて寝れないのではないでしょうか。オリベエラだけでなく、ファブリシオも常軌を逸するレベルでゴールを量産しておりますし。

対する東京Vも、今シーズンは勝ったり負けたり引き分けたりしている印象もなくはないのですが、しっかりとプレーオフ圏内界隈をうろついております。やはりサッカー先進国で歴戦のキャリアを積み上げた監督さんですからね、さすがですよ、そこは。もちろん不安要素もありますけど。まず、畠中が個人昇格した影響は今後、出てくるかもしれません。井林と平で大崩れしないとは思いますが、どちらかが出れないときのバックアップが若干心許ない。それから渡辺がアジア大会から帰ってくるまでは頑張らないといけないですね。

 

■前半

 

熊谷と言えば、もちろん埼玉県なんですが、高崎線における熊谷駅のポジションは宇都宮線における小山であり、常磐線における土浦なんで、もはや北関東と位置付けて良いでしょう。良くないかもしれませんが、北関東とせずとも埼玉県の北部は、言わずと知れた小麦文化。加須うどんなんかが有名ですし、武蔵野うどんとか、おっきりこみとか。多分、前近代における治水技術の問題とか、そういうことなんだと想像しますが、麦作が盛んだった模様。

そして、熊谷には泣く子も黙る小麦グルメがありますね。そう「フライ」です。“海老フライ”とか○○フライの“フライ”ではなく、「フライ」がフルネームになるB級グルメ。食べたことがなく、どうしても食べたくなってしまったので、バスに揺られてイオン熊谷店のフードコートに赴き、食べてきましてよ、フライ。お好み焼きをものすごくチープにして、半分に折ってペッタンコ。静岡県民が駄菓子屋でおでんを食べるような感覚で食べるものですかね。嫌いではない。決して。

 

イオン熊谷店からバスを乗り継いでスタジアムへ。ピッチを眺めるとヴェルディは珍しく442でした。今シーズンは概ね4123のことが多かったと思うのですが、強気に2トップで臨んできました。しかもアラン・ピニェイロと林陵平という7番11番のセブンイレブン2トップ。そして井上潮音と橋本というWボランチ。このボランチコンビは良かったですね。中盤のイニシアチブを握ってました。

一方の浦和。浦和はオリベエラになってから、すっかりブラジリアンサッカー。前半からぶっ飛ばすようなことはせず、まずはじっくり相手の出方を様子見する感じ。なのですが、この試合では、それが、ややもすれば“受け身”となってしまい、前半は防戦一方となってしまいました。特にシステムの噛み合わせとしてサイドでは数的不利になるメカニズム。しかもファブリシオは守備をしない。武藤とファブリシオが位置を入れ替えるまでは、宇賀神のサイドで随分と手を焼いておりました。

 

 

■後半

 

ヴェルディは前半から格上相手であることを意識しまくった戦い方。常套手段としてキックオフ直後からGKの柴崎がゴールキックをなかなか蹴らないという柴崎大作戦を敢行。もちろん、浦和は浦和でそんなことは我関せず。こちらはこちらでマイペース。そんな浦和のギアが上がったのは森脇が負傷でピッチを退いたくらいの時間帯から。本来、先発選手がアクシデントで交代するのはチームにとってネガティブなことなのですが、世の中、何が奇貨となるかわからないもの。ゴールへの圧力が高まります。

そして、それが空砲に終わらないところが、今の浦和の強さ。問答無用の中央突破でファブリシオが決勝ゴールを叩き込みます。そして、ここからはオリベエラ采配が冴える。すかさず興梠に代えて荻原を投入するという、この上なく明確なメッセージをピッチに送って、試合をクローズさせました。

 

さて、この試合で注目されたのは、もはやヴェルディ名物ともいえる逆利きSB。右SBに入った林昇は左利き(わりと右足も使う)で、左SBは右利きの香川。ということは縦に香車走りしてからのシンプルクロスは求められていないということ。では何をやるかといえば、1つにはビルドアップ、それからカットイン。ってことになるはず。持ち直してアーリークロスってのも考えられますが、あまりそういう感じではなかった。

なんてことを考えていると、対面する浦和の森脇が、もしヴェルディに所属していたら、ロティーナは確実に左で使っていたであろうな、ということ。森脇って、最も状態の良かったときには、“使われる側”ではなくて、“使う側”だったですよね。特にまだ関根がいたころ、右CBの森脇が右WBの関根を走らせるパスを出すってシーンが続出しておりました。なんとなくサイドの職人のイメージが強いのでクロッサーと思われがちかもしれませんが、多分、ロティーナが求めているSB像に最も近いのが森脇だったりしないだろうか?