ゴールデンウィーク後半戦。味スタへ。ヴェルディ戦は今シーズン初観戦。
実はどうやら知らないうちにブログの設定を「スポーツナビ+トップページ等に新着を公開しない」しておりました。その期間にアップしたのは以下のエントリでございます。
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FC東京U23vs栃木(05/01)観戦の周辺をウロウロ写真で振り返る
■前半
去年は予算規模を踏まえればそれなりに善戦していたヴェルディですが、今シーズンは今ひとつですね。7試合勝ちがないとのこと。その要因はひとえに「ゴールが奪えない」に尽きるそうです。そんな得点力不足に苦しんでいるヴェルディとしては、先制点だけは許したくない。・・・のですが、前半の早い時間帯にリードを許します。宮阪の、それそれは美しい放物線のフリーキックがヴェルディゴールに吸い込まれていきました。
両チームとも、前半戦はノーリスクの縦に速いサッカーを志向していましたが、よくよく見ていると、それなりに相違も。まず松本山雅は、パスの1つ1つがそこまでハイクオリティではないものの、出し手と受け手の意志疎通はできている印象。なので、見ていて爽快感はある。対するヴェルディは伝統的に技術力は高い。なのでキックの正確性も高いものの、全体的に今ひとつ出し手の意図と、受け手の動きに齟齬がある。どうにもストレスフル。
去年と比べて戦力もさほど変わらず、監督も同じなのに調子が上がってこないというのは、つまり、バイオリズムのようなものが悪いということ。チームは生き物ですから。そんなバイオリズムの悪さが凝縮していたのが、2失点目となったPK献上です。チーム事情で本職でない中野が左SBに配され、慣れていないポジションで悪戦苦闘するなか、余計なファールをエリア内で犯してしまう。本職SBだったら、また違う対応もあったことでしょう。
それにしても中野は気の毒な面もある。だって、対面していたのが田中隼磨なんですよ。かつてはブルーのユニフォームにも袖を通した百戦錬磨を向こうに回すには、いささか荷が重すぎたのでしょう。山雅の側からすれば、この試合の(この試合も?)田中隼磨は、とても頼りがいがあったのではないでしょうか。いや〜、さすがでしたね〜。思わず「うまっ!」っと何度、口ずさんだことか。クロスがちゃんとそれっぽいところに上がっていくのですよ。ほぼ、必ず。
■後半
前半だけで2点のビハインドを負ったヴェルディは2トップの一角で起用された杉本に変えて高木善朗を投入。システムを4231とします。結果には結びつきませんでしたが、この交代には一定の効果があったと思います。高木が中盤を広範に動き回りながら、パスの受け手、そして出し手となることで、確かにヴェルディにはリズムが生まれた。しかし、だからといって山雅を圧倒できたかというと、そんなことはない。
むしろ、リードは広げられる一方。その中心にいたのが山雅のFW高崎。前半のPKでゴールが記録されたことに気をよくしたのか、後半は流れの中から完璧ともいえる崩しの形から2ゴールを叩き込み、ハットトリックを達成しました。田中隼磨のクロスをヘディングで合わせたチーム4点目もさることながら、チーム3点目の崩しは美しかった。松本山雅としては珍しいんじゃないでしょうか、あんな、ゴリゴリの中央突破って?
大量リードの山雅は、ここから慎重かつ余裕の選手交代で逃げ切りを図ります。例えば、FWの山本を下げ、WBの飯尾を投入し、石原を1列上げるなど守備を固める。対するヴェルディもいろいろ配置を変えていく。ボランチの楠美を下げて、アタッカーのドウグラス・ヴィエイラを投入。高木がボランチに入る442に戻すともに、右SHの安西を左SBに、左SBの中野を左SHに、左SHの澤井を右にスライドさせます。
でも、それが奏効しない。こういうときに限って(今シーズンはいつもかもしれませんが)、パスを繋ぎ倒しながらシュートを打たない、悪いパスサッカーの手本のような光景が繰り広げられる。まさか、味スタで緑のユニフォームを着たサポーターから「シュート打て!」コールを聞かされることになるとは。味スタでの「シュート打て!」コールは青赤ユニサポーターの専売特許かと思っていたよ。そんなこんなで試合は4ー0のスコアで松本山雅が完勝しました。
■日本代表への推薦状
□推薦者
・岩間雄大
□推薦理由
反町さん率いる松本のサッカーというのは、端的に述べるならば「回収力と推進力」ということになろうかと思います。運動量豊富に連動したフォアチェックでパスコースを限定し、苦し紛れのパスを相手より一歩早い反応で搦め取る。そして、マイボールになったら、一気にゴールを目掛けて雪崩れ込む、みたいな。そんな山雅のスタイルを体現しているといって過言でないのが、この選手なのではないでしょうか。まさに山雅の象徴。
この選手はガゥトゥーゾタイプのハードワーカーですから、あまりエレガントな足技を持っているようなイメージはない。ないのですが、それでも良い位置でボールを奪うと、迷いなくオーバーラップをしかけていきます。そのときに、例えば浦和時代の坪井慶介とかと違って、オロオロ感がないのですよ。なんというか、攻めあがるときも度胸が座っているというか。こういう部分も含めてハートの強い選手なのでしょう。チームにひとりは必要なタイプです。