赤子をひねるように〜町田vs岐阜(8/26)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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日曜日は野津田。それにしても町田、大健闘ですね。スタジアムの問題などでJ1ライセンスがないなか、それでもモチベーションを維持して首位争い。町田の場合、損をしていますよね。多くのスタジアムは国体を契機として整えられるわけですが、東京で国体をしても、なかなか「町田をサッカー会場として再整備しよう!」ということにはならない。「ムダに税金を使わず、西が丘でやれ!」ってことになってしまう。国体に限らず、なかなか東京都が予算を出してくれるとは考えづらい。町田市として整備するしかないとなると、これは、かなりハードルが高くなってしまいます。

相手は岐阜。序盤は旋風を巻き起こしかけたのですが、古橋を抜かれた影響もあって、ここのところは低空飛行。個人的には大木監督は大好きな指揮官なのですが、他のクラブを率いたときも、わりとずっとこんな感じ。なかなか“会心のシーズン”って感じにならないきらいもあったりします。

 

■前半

この日は品川にいたのですね、いろいろあって。ワタクシが上京した頃には、まだ品川に新幹線が止まらず、浜松町あたりで新幹線は減速していた。そのタイミングで車窓を眺めると、ちょうど東京タワー、みたいな。で、湾岸エリアに流れ出す運河のきったないきったない水を目の当たりにして、大都会を実感したりしたものです。いまや駅ナカ充実の新幹線停車駅ということで「常陸野ブルーイング」に立ち寄ろうとしたら、日曜日の夕方だけあって大混雑。さすがに付き合いきれない。

ということで山手線で一駅移動して大崎へ。大崎駅は日常的にもときどき利用するので、勝手がわかる。駅構内のニューデイズて生ビールが298円で売っていることや、ホームのベンチには割と座れることも知っている。ええ、ええ、ホームで生ビールを飲み干してから埼京線に乗り込みましたが、何か? そして新宿駅から小田急線に乗り換えて鶴川駅へと向かいましたし、さらに言えば、シャトルバスではなく、多摩センター行きのバスに乗って、サンシティ町田で下車しましたけど、何か?

 

そうこうしているうちにキックオフ。町田の好調さは、よく伝わってきました。なんせ、ムダがない。とりあえずボールを奪ったらFWに縦抜けさせるわけですが、そのままゴールに向かわせるというより、そこからサイドに展開。もっといえば右サイドに展開して、で、折り返す。秀逸なのは、このとき、右サイドにかけている人数と、ゴール前で待ち構えている人数の配分が常に正しいところ。相馬さんのトレーニングの成果でしょう。

対する岐阜は大木さんのサッカー。大きく分類すれば風間さんと同じ指向性ですね。どこが同じかというと、とにかくトラップを大切にするわけです。ボールを大事にするには、まずはトラップ。このサッカーだと、ボールを受けてから出すまで、多少の時間がかかる。だから、局面を打開するためには勝負のパスを出さなければならないのですが、その勝負パスにおける“止める・蹴る”のクオリティが少し足りていませんでした。

 

■後半

勝敗は前半にオウンゴールで町田が先制した時点で決まっていたのかもしれないのですが、とりあえず、シュートが相手にあたってのオウンゴールになったことに対する森村の戸惑い方が面白かったです。で、そこからの数十分はひたすら町田がゲームをコントロールしてタイムアップを迎えた、そういう試合でございました。

そうとはいえ、後半も15分を過ぎたあたりからは、さしもの町田も、やや間延びしだす。岐阜のアタッキングにも迫力が出て、大きな展開が通ったりし始める。でも相馬監督は慌てません。ちゃんと処方箋を持っていた。具体的には土岐田をアンカー、中島を左アウトに配置し直す4141でスペースのバランスを整える。ここからは、再び膠着、岐阜の攻撃はトーンダウンします。後半ロスタイムに得たPKを外すというご愛嬌もありつつも、まあ、町田が貫禄を見せつける結果となりました。

 

岐阜の視点から見ると、かな〜り厳しい現実を突きつけられた格好。町田の、それはそれは美しいブロックを前に、まったく侵入ができません。ブロックの外、岐阜の最終ラインでボールが右に行ったり左に行ったり。そこにもフォアチェックがかかると苦し紛れのイチかバチかパスを出して奪われる。そこまでいかなくとも、結局は“飛んで火に入る夏の虫”状態の中央突破を余裕綽々に奪われてしまってカウンターのピンチを迎えてしまう。ずっとそんな攻防でした。

風間さんや大木さんのトラップを大切にするサッカーというのは、基層的な哲学として“不確実性の排除”という考えがあるのだと思います。相手にマイボを奪われず確実にゴールに近づける、或いは相手をゴールから遠ざけるためには、しっかりトラップをして、丁寧にパスを出すのが最も確実性が高い。数学的な考えのサッカーといえます。しかし、それは同時に、相手にとっても「えっ!?そこでそんなことやる?? そんなん予習復習できへんし、傾向と対策もあったこっちゃない」って状況が発生しづらいということです。完膚なきまでに上回らないと相手を崩せない、難しいサッカーでもあるわけですが、とはいえ、それでも大木さんにはそこを追求してもらいたいとも思ったりします。