最後は先輩監督の貫禄〜名古屋グランパスvs鹿島アントラーズ(8/13)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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LIXILダービー

何年か前になりますけど、LIXILでお家騒動がありましたね。そもそもなぜトステムとイナックスが合併して、かつ、トステムに主導権が残ったのかがわからないのですが、ともあれトステム創業者一族の高学歴ボンボン御曹司がガバナンスをめったこたにしたってのが根本原因。外資が株主に名を連ねる状況で、そんなやり方は通じませんよ、っていう日本における資本主義発達史上の一コマ。

結局、物言う株主が第三極として機能したようですが、第三極が第三極として機能できた背景には第四極の動きがありました。それがイナックス創業者一族。イナックス創業者一族が反トステム創業者一族の旗幟を明確にしたことで、対抗勢力に軸ができました。要するに大御所を大御所が倒したという構図です。そんなイナックスの本拠地が愛知県常滑市で、グランパスのお膝元ですね。一方、周知のように、トステムはずいぶんと長い間、アントラーズのユニフォームスポンサーを続けてきました。ゆえにこの一戦はLIXILダービーなのです。

 

□好調同士

ここのところの名古屋は、直近5試合で2勝2分1敗。順位は暫定で3位。この試合に勝っても負けても3位。安定してますね。こういうところがハセケン。スーパーでもスペシャルでもないですけど、戦力値なりの成績は出します。ある意味で、ピクシー以降の名古屋の監督に最も足りていなかった資質、それが戦力値をそのまま順位にするスキルです。そういう意味ではハセケンメイクスレボリューション、生地の少ない衣装で扇風機に吹かれるのです。

対する鹿島も、ここ5試合に限れば負けてません。2勝3分の無敗、勝ち点9。ようやく岩政体制が軌道に乗ってきたといったところでしょうか。知り合いの知り合いが岩政監督時代の上武大サッカー部らしいのですが、意外にも岩政さん、戦術家ではなくモチベーターらしいですよ。てっきり、人の心がわからないガリ勉クンかと思っていたのですが、言われてみたら、チームが勝てない時期も戦術への不満はあったっぽい一方で、不協和音でチーム崩壊、みたいな話はなかったような気もする。

 

□戦前のイメージ通りの展開

さて、この試合で名古屋は新加入の森島を先発に抜擢してきました。マテウスがいなくて、和泉もケガ?なのかな、ってなかで、この判断になったのでしょう。ついでに同じく新加入の久保はベンチスタート。同じ新加入でもJ1で何年もやってきた選手とJ2一年生からの個人昇格では当然扱いに差は出る。また3バック+両WBの5人のうち4人がCB対応可能選手というのもハセケン味がする。

一方の鹿島は安西が右のSBに入ってましたね。鹿島に行ってからはずっと左でしたけど、そもそもは右SB。左の「あんざい」は「あんざい」でも安在であるべきであって、安西は右なのですよ。けっこう苦労してましたけどね、神出鬼没な森下の対応に。審判と「いやいやいや」ってコミュニケーションをとる機会も増えて。あと中盤の4人も特徴的。佐野とピドゥカはもちろんとして、仲間と樋口もCH対応可能タイプなんで、少し古い表現で〝ハーフ〟が4枚って雰囲気でした。

試合は序盤からイニシアチブは鹿島にあったかも。岩政メイクスレボリューションはそれなりに進行しているらしく、鹿島が鹿島っぽかった。ペースのメリハリと阿吽のワンタッチパス交換でボールをキュッと前に進めていくようなところが、ふんわり黄金期の風様相を醸し出していた。けども、それも含めてグランパスペースだったのかも。ユンカーの抜け出しから野上が決めて、グランパスのリードで折り返しました。

 

□藤井藤井稲垣米本

後半に入ると鹿島は須貝を右SBとして投入。それに伴い安西が左に。いや、だから左は安在であって、安西は右なんだ、とか思っていたら、さらに岩政監督、知念を投入してきました。先発した垣田がどちらかというと左右に動くのに対し、知念は前後に動きますね。そうすると鈴木優磨とプレーエリアが重なって、結果的に鈴木優磨はゴールから離れていく。鈴木優磨との相性でいうと、知念よりも垣田の方が良いかもしれません。さらに荒木や松村が投入され、最終的にはCB佐野のファイヤーで鹿島が攻めたてる。

しかし名古屋は怯みません。これまであまりそういう強い印象はなかったですけど、内田宅哉の守備ってハードで粘り強いんですね。最後まで足を動かして搦め取る、みたいな。それから、これまでもよく知ってましたが永井謙佑のチェイシングがえげつない。交代直前までまるで衰えない。そして、当たり前のことを言いますが、永井は足が速い!超速い‼

とはいえなんだかんだで鹿島も見所は作ります。特に終盤に投入された鹿島藤井の縦突破はキレキレでした。鹿島藤井の縦突破があまりにもキレキレなので名古屋藤井はたまらずイエロー。その前にも鹿島藤井に股抜きされた稲垣が抱きかかえてイエロー。しかし、稲垣の仇は米本が打つ。今度は米本が鹿島藤井からイエロー獲得。なんて攻防を繰り返しているうちにタイムアップ。長谷川監督が岩政監督に貫禄の違いを見せつける結果となりましたとさ。