地味に強い勝ち方〜清水エスパルスvsレノファ山口FC(8/12)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□ツナ缶ダービー

ワタクシ、世代的にギリギリ「大洋ホエールズ」を知ってる世代でございます。とはいえ、その頃のユニフォームは紺色で帽子には白字で「W」ってありました。聞くところによると、その少し前まではオレンジに緑という、令和的感性でいくと絶望的な色彩感覚のユニフォームで、袖には「○」に平仮名の「は」というマルハロゴが入っていたとか。

そんかマルハ、いまや北洋漁業の雄たる日魯と合併してマルハニチロですけど、こちらは南洋漁業の雄でした。いや、北洋にも行ってたかも、排他的経済水域とかが設定される前は。とはいえ基本はアフリカ沖に蟹工船的な工船を仕立ててツナ缶を作る会社で、その本拠が山口県下関市ですね。ちなみにツナ缶の代名詞といえば「シーチキン」なのですが、その「シーチキン」、実ははごろもフーズ登録商標。そして、そのはごろもフーズが本拠を置くのが静岡県清水市なわけです。ゆえに、この一戦はツナ缶ダービーということになります。

 

□ブーストが終了した両チーム

鈴与財閥が全面バックアップする清水はJ2でも巨大戦力を誇ります。鈴与財閥が全面バックアップするがゆえに低迷している可能性もなくはないですけど、ともあれ予算は潤沢。そんな清水は秋葉さんへの監督交代ブーストは一段落したものの、高水準な勝ち点取得率を維持し、ここ5試合でも3勝2分。そこに中田一三氏が〝プレイヤーデベロップメントコーチ〟として加わってた。プレイヤーデベロップメントコーチって……。プレイヤーデベロップメント=コーチなんだから、なんだかチゲ=鍋でチゲ鍋みたいな役職ですね。

対する山口はここ5試合で1勝2分2敗。エスナイデルへの監督交代ブーストは完全に確変終了ですね。もともとネタキャラ扱いされてたエスナイデルだっただけに、レノファでJリーグに監督復帰するとなったときは、一部でまあまあのお祭り騒ぎになっていましたが、いまや、祭りの後っぽい雰囲気。とはいえ世の中はお盆、夏祭りはここから、なんなら秋祭りだってある。再び祭りが起きるかもしれません。

 

□スコアは動かず

さて、ホームの清水はここのところコロリがCFでしたが、この試合ではサンタナが先発に復帰。ただ、少し衰えた説。衰えたというか、調子を崩しているというか、バイオリズムが宜しくないタイミングというか。一昨年とかは、迫力溢れるパワーで、ありとあらゆるポストワークをマイボールにしていましたが、その頃に比べると精度も迫力も0.8×サンタナになってました。ちなみにチーム全体の全体の攻め方としては、「右で作って左で仕留める」というパターンが多かったですかね。ただ、プレースタイル的には山原が右SBで左SBがと原なら、もっとスムーズに「右で作って左で仕留める」を完遂できたかも。

対する山口はシルビオと梅木をツートップとする3322というか5122だったと思いますが、流れの中では2列目に左から五十嵐・池上・梅木が並ぶ5131みたいになることも多かった。ちなみにWBは右に矢島で左が田中稔也。SHとかISHタイプを両ワイドに置く意欲的な配置。そして3バックは左からキムボムヨン・ヘナン・前。髪型に注目するとアフロ・スキンヘッド・チョンマゲ。こちらもなかなか意欲的な組み合わせです。

とにもかくにも前半はスコアレス。清水の決定力が不足しているのか、山口の守備が粘り強いのか。はたまた、その両方か。前半終了間際に山口のファールにイエローが出されて荒れかけたとき、FKを蹴ろうとした乾にエスナイデル監督がちょっかいを出して乾が苦笑い、みたいなシーンが印象的でございました。

 

□スコアはなかなか動かず

後半になるとサンタナカルリーニョスジュニオの距離感が良くなったので、2人をツートップとした442にしたのかな?と思いきや、サンタナ・乾・カルリーニョスジュニオを3トップとする343というか3421というか、みたいな形にエスパルスは変更した模様。おかげで前半以上にサンタナはやりやすそうになった。でもね、ゴールが決まらないのですよ。そもそもチャンスは前半からたくさんあったのですがゴールが決まらないのですよ。

攻めても攻めてもシュートだけ決まらないものだから、ホナウドも突進するってものですよ。で、レノファGKの関と交錯して、関は演技かリアルかは分かりませんが激昂。必然的に裏にいる清水サポーターは一斉の大ブーイングを繰り返す。。

まあ、サッカーを見てたら往々にして出会いますよね、こういう試合。で、パターンとしては相手にワンチャンスを決められて負けてしまうのが王道。でも、そうはならなかった。乾が縦パスで途中出場のオセフンを激走させて、最後はカルリーニョスジュニオが押し込みました。清水サポ的にはフラストレーションの溜まる試合だったかもしれませんが、こういう転換で勝ちきるのは、それなりに完成度の高いチームの証拠。いよいよ町田の背中が見えて……来ないんだな、これが。町田が止まらないんだもん。