意識高い系の3142より、みんな大好き442〜ジェフユナイテッド千葉vsツエーゲン金沢(7/9)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□持ちやすいダービー

ワタクシ、フェリーが好きなのですが、そのきっかけとなったのは仙台から名古屋へ向かう航路に乗ったから。それで体感したのが、犬吠埼の波が高いということ。ちょうどビュッフェ形式の夕食を食べていたんで、揺れの影響をモロに受けました。千葉県が所在する房総半島は太平洋に突き出ていて尖っている。

しかし、突き出ていて尖っているという面では金沢も負けません。泣く子も黙る能登半島がありますからね。とはいえ日本海側のフェリーってさほど揺れない。江戸時代とかの廻船も日本海側がメインですし、海流が素直ということなんでしょうか。そういう差こそあれ、千葉も金沢も突き出ていて尖っている。往年のバカリズムのネタ、「都道府県の持ちかた」でいくと、迷う余地もなくそのまま掴めば良いもの同士のダービーがジェフvsツエーゲンです。

 

□ボトムサードを抜け出せ!

さて、ここのところの千葉ですが、直近5試合の成績は1勝2分2敗で15位。良くないですね。しかも天皇杯を含めて大宮に2連敗してしまってます。良くないです、全く良くないです。前日に讃岐の米山監督を見て、「あの頃の桐蔭」と一括りにしちゃいけないと痛感しましたが、〝意識が高いこと〟が目的化し、意識の高い自分に自己沈溺の結果、最もベタなサッカーにすがりつくってことにならなければ良いのですが。(←予言になってしまった)

アウェイの金沢は、柳下さんの長期政権。成績的には頭打ち感も漂いますが、そもそも強化費が頭打ちしていて右肩上がりじゃないのだから、成績も右肩上がりになるはずがない。ツエーゲンサポーターの中には「柳下さんは限界だ。そろそろ決断を」みたいは気持ちの人もいるかもしれませんけど、なくして初めてわかる柳下さんの貴重さ。安易に監督交代をすると、それがそのまま地獄の始まりになるかもしれません。予算規模を考えると残留できれば御の字なので、堅実に歩を進めていただきたいところです。

 

□ともにクオリティ不足

さて、オンザピッチ。千葉のシステムは、これまで攻守で少し変えたりしながら442と記されたりもしましたが、この日は攻守に完全なる3142。高橋・鈴木・佐々木ー小林ー末吉・田口・見木・日高ー呉屋・新明を維持して、「守備時は日高が落ちて4バック」とかはしない。なんなら末吉の方が落ちる。ちなみに2トップは色白王子の呉屋と、相方が新明。この新明がティーンエイジャーらしく真っ黒に日焼けしてる。もはや松嶋と中島。オセロ2トップでございました。

他方、金沢は、やっぱりしっかりとトレーニングされてましたよ。ボールの奪いどころとかブロックの作り方なんかでバラバラな印象はなかったですし、カウンターの際のボールの運び方もルールがあることが、なんとなく伝わってくる。敢えて一つ問題点を述べると、基本に忠実な高校生サッカーなんで、高校生のメンタリティがないと遂行できない。でもプロの選手はどうしてもちょいちょい生意気なプレーを入れ込んでしまう。そのあたりの折り合いが課題でしょうかね。

とまあ、どちらかというと「組織的にはできてる」って論調で述べてきましたが、実際には双方ともに前半戦はビルドアップに四苦八苦していて、その要因は相手の守備というより、たんなるクオリティ不足のようにも見えた。互いに何回かチャンスを作ってましたが、それも相手の対応が緩慢だったり、あるいは攻撃のためにポジションがずれてスペースができてたり、そういう隙ができた結果という印象です。

 

□魂の6枚替え

後半に入ると、どういうわけか、途端にジェフ3バックが地に足つかない感じになりました。PA内でのボール処理が危うかったり、スペース管理がまるでできなかったり。特に鈴木大輔が後半最初の15分、なかなか怪しかった。マッチアップしてたのが星稜の先輩である豊田陽平だったから遠慮したんしょうか?尤もジェフ守備陣を困らせたのは豊田というより相方の大石でしたかね。ジェフ守備陣は、まるで大石を掴まえられてなかったです。とはいえ大石を含めた金沢のアタッカー陣は、ラストパスなりシュートなりに持ち込めないんですよね。だったら率は低くともダイレクトでシュートを打てばよかったのにってシーンが続出しました。

なんて中で状況を打開すべく両監督とも魂の選手交代です。金沢の柳下監督が魂の2枚替えを敢行すると、それと同じタイミングでジェフの小林監督はなんとスーパー魂の4枚替えときたもんだ。さらに、それに付随してシステムを超シンプルなボックス442にトランスフォーム。そして、それが的中。ブワニカのポストワークやSHとSBによるサイドの崩しで攻撃があっという間に活性化。決勝点はスペースを爆走した途中出場の米倉によるダイレクトクロスに、やはり途中出場のブワニカがバイシクルでポストに直撃させ、そのこぼれ球を拾った見木が決めたもの。

そんなわけで、前目5枚で唯一ピッチに残した見木が決めた虎の子の1点を守ったジェフが、貴重な勝ち点3を積み上げました。

ちなみに米倉が投入されてから、右サイドの相棒である高橋の情緒が覿面に安定したように見えました。システムがシンプルになった影響もあるのでしょうけど、たぶん、あれですな、高橋は米倉のこと好きだな、あれは。