対照的ながら甲乙つけがたい〜横浜FMvs名古屋(4/29)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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スカイラインvsカローラ

マリノスの新しいクラブハウスができましたね。横須賀ですけど。なんとなく、みなとみらい地区から都落ちした感じもありますが、そもそも超絶一等地を使えたのは、マリノスが、ではなく、日産自動車横浜市のアイコンだから。ホームスタジアムのネーミングライツも含めて、マリノスというクラブの実社会における社会的信用は全て日産が担保しているといって過言ではない。親会社が日産だからという理由で通った稟議書がたくさんあるはず。

アウェイの名古屋、そらもう泣く子も黙るトヨタ自動車。泣く子と地頭には勝てないのですよ。トヨタがあるから地名が豊田市になって、地名であるからFIFAの試合でも「トヨタスタジアム」名称が使える。でも地名の由来はトヨタ自動車トヨタ自動織機だったらすいません。なんにせよ、もはやトヨタ豊田市の地頭みたいなもの。何はともあれ、この対決はスカイラインvsカローライデオロギー闘争なのです。

 

□安定感対決

今シーズンのここまでの成績を概観すると、横浜FMはさすがの安定感。シティグループのノウハウも借りつつ安定して何年間も上位を維持し続けております。今シーズンのトピックとしては渡辺皓太と角田が台頭したことですかね。「ヴェルディの秘蔵っ子を引き抜いておいてベンチにくすぶらせているなぁ」とか思ってましたが、渡辺皓太本人にとっては良い修行期間だったのかもしれません。

安定感といえば名古屋も負けてません。厳密にいえば名古屋グランパスの安定感ではなく、長谷川健太の安定感ですけど。この監督の最大のストロングは「残留争いに巻き込まれない」こと。戦術的には特に目新しくないですし、わりとすぐにマンネリ感を感じさせるのですが、低迷したとしても、「長谷川健太就任以前に比べりゃずっとマシ」ってところからは外れません。失って初めてわかる長谷川健太。ガンバや清水サポは実感しているところではないでしょうか。

 

□風上?名古屋の一気呵成

さてオンザピッチ。横浜FMはマルコス・ジュニオールがトップ下だと実質4ー2ー4になります。で、強者のポジショナルですから、前線の選手はロングキックに一発で抜け出すためのポジショニングをしている。つまり両WGが戻らない。そうやって相手の腰を引かせられれば良いのですが、それができないとサイドの守備で著しい数的不利が生じる。そこを名古屋に突かれ続けます。

名古屋はハセケンチルドレンともいえる内田宅哉が右WGで起用されていますよね。「また微妙な選手をFC東京から連れていったな」なんて失礼な感想を抱いたりもして、しかも右WGなのは意外だったのですが、名古屋の守備って、内田と永井が一時的に両SH化する442でいったんセットするのですね。そして酒井宣福がターゲット要員としてCF化する。なんだか納得。

とにもかくにも試合前にサイドを入れ替えて風上に立った?(スタンドだと逆方向の風も吹いていましたけど)名古屋が一気呵成に攻めたてる。めっちゃ攻める。それを横浜FM守備陣がぎりぎりで凌ぐって展開。30分過ぎからはマリノスも押し返し出しましたけど、そういう時間帯に名古屋の先制点が決まります。それにしても森下、どこまでダイアゴナルするんですかね?アタッキングサードで相手をかき乱すためのダイアゴナルではなく、CFがゴール前で押し込むときのダイアゴナルですもんね。そんな森下のゴールで名古屋リードでハーフタイムを迎えました。

 

□テンポメーカーvsテンポブレイカ

前半30分過ぎ以降、ペースを握ったマリノス。その要因は、ポジショナル特有の「(繋ごうと思えば繋げるけど)敢えて蹴る」をやめたことですかね。「繋げるなら繋ぐ」という、より日本人的には自然なやり方に切り替えたことでリズムが良くなる。そうやって中盤でボールが回りだすと渡辺皓太も輝き始める。さすがはヴェルディの育成組織でNo.10を背負っただけあっね、リズミカルなパス回しの中では気持ちよさそうにプレーします。本人がえぐいパスを出すわけではないですが、上手に全体をリンクしてました。

相手に持たれながらも逃げ切りを図るハセケン監督はユンカーと和泉を同時投入。ユンカーの背番号が77番。そして和泉の背番号は7番。2人同時投入で777。本来なら出玉が止まらないはずなのですが、どん詰まり。なんなら同点ゴールを奪われてしまう。それまでの右サイドからのデザインされた崩しではなく、なんとなく左に展開され、なんとなく折り返され、まんまと喜田が決めました。点が入るときって、えてしてこういうもの。

逆襲したい名古屋ですが、頼みのマテウスが〝マテウス宇宙開発財団〟状態。同点のあとは試合が膠着しました。とはいえ、試合全体としては中盤でテンポを作るマリノスのWボランチに対し、名古屋のWボランチがそのテンポを崩しにいくという緊張感あふれる攻防がタイムアップまで続き、なかなか見応えのある一戦だったと思います。