悪癖をちらつかせながらの快勝〜千葉vs山形(6月8日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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日曜日はブリオベッカ浦安、水曜日はジェフ千葉。今週はフクアリ三昧でございます。

■前半

アウェイ山形は、ここ数年、石崎監督が率いております。石崎さんも、すっかり“J2の名将”というイメージが定着しました。J2の平均的戦力でJ1に引き上げ、かといって大型補強をしてもらえるわけでなくJ1では衆寡敵せず的な苦戦を強いられるのが無限ループ状態。そんな石崎さんの戦術は今も昔も泣く子も黙る“ハードプレス”です。この試合の山形もキックオフからフルスロットルで千葉の選手をめがけてハードプレスを敢行しまくりでした。

 

 

そんな山形のハードプレスに、キックオフ直後は面食らってボールが足に付かなかったジェフの面々ですが、個々の能力では、ここ何年もずっとずっとJ2では上位にありますから、少しずつ慣れていくと、10分が経過した頃には技術でプレスを剥がせるようになります。そして、リズムが良くなったところで、エウトンが先制ゴールを決めました。この前、見たときもエウトンは決めてました。ワタクシとエウトンは相性が良いのかもしれません。

 

 

これで気をよくしたのか、エウトンは追加点も決めます。このゴールは、まず阿部翔平フリーキックから始まります。ロングキックでペナルティーエリアめがけて放り込むとエウトンが胸トラップ。そのトラップが大きくなる。要するにトラップミス。でも、ここからが、さすがブラジル人です。思いっきり足を伸ばして処理をする。その処理の仕方が繋ぎではなくシュートなんですよ。しかも、そのシュートが決まってしまう。こういうところのゴールへの意識を、前日代表戦での浅野は見習って欲しい。

 

 

それにしても、冷静に考えると、ブラジル人の配置という意味では、ジェフとモンテディオは同じパターンでしたね。すなわちジェフがCFにエウトン、ボランチにアランダを置いていたのに対し、モンテディオはCFにディエゴ、ボランチアルセウを置いていた。中でも、相変わらずディエゴは凄いですね。レイソルで日本デビューしてから随分と経つので大ベテランな印象もありますが、なんだかんだで、まだ32歳なのか。全く衰えていない。

 

 

 

■後半

前半は2点を先制したこともあって、それ以降はズルズルとひいてしまったジェフ。ハーフタイム前の20分くらいは一方的な山形ペースで、ジェフはほとんどボールを持たせてもらえなくなった。リードしたからといって、下がってしまってはいけない。厳密には、意思統一の上、主体性を持ってリトリートするのは構わないですが、「気がつけばひいてしまっていた!」ってのは良くない。後半になって、そういうところが若干なりとも微調整されます。

 

 

前半終盤のジェフは、近年ずっとそんな感じなんですけど、リードすると、途端にボールへの執着心が淡白になる。特に「せっかく敵陣でボールを奪えたのに!」ってシチュエーションで、あっさりボールを失ってしまう。勝っている展開では、「いかにバランスよく敵陣でボールをキープできるか」ってところが大切だと思うのですが、守備への意識が高くなりすぎて、意識が自陣でのプレーに集中しすぎるのか、敵陣での時間を長くする工夫が足りないと思うのですね。

 

 

そんなジェフの悪いパターンが後半になって、わずかなりとも改善されます。しかし、ジェフが逃げ切りに成功した要因は、それだけではない。山形の自滅という要素も少なからずある。具体的にはディエゴのポジションですね。ジョーカーの大黒を投入するとともにディエゴをサイドにスライドさせたのですが、結果論的に述べれば、これによってディエゴは消えてしまった。低い位置に配置し直すなら、思い切ってボランチに下げた方が良かったかも。

 

 

逆に選手交代が上手くいったのが千葉です。山本を下げて町田を投入すると、その町田、割と全開で空回りをしてました。出し手との息が合わないというか、走り回っているのに、うまくボールを呼び込めないってことが多かった。でも、そこで空回ることを止めなかったのが町田也真人の真骨頂。やがて神様からご褒美が与えられて、ダメ押しの3点目をダイレクトボレーで叩き込みました。このゴールは大きかった。完全に山形の反撃ムードを断ち切り、ジェフの完勝となりました。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

・長澤和輝

□推薦理由

今更、説明の必要もない、普通に代表に選ばれてもおかしくない逸材。今シーズンに加入して早くも大黒柱です。この選手の特徴は、その万能性ですかね。ジェフでは主にボランチとシャドーをやってますが、2列目も当然できるでしょう。同じくテクニカルな“9.5番”系の船山とのコンビプレーは、なかなかワクワクさせてくれます。セレッソ時代の香川と乾の関係といえば、まあ、さすがに言い過ぎですね。ともあれ、10番に恥じない活躍をしてます。

 

 

無敵の専修が誇るスーパーエースとして大学時代から思いっきり名を馳せていましたから、Jリーグを経由することなくドイツでプロデビュー。ケガとかいろいろあったみたいですけど、それなりに活躍して、たくさんのものを身につけてきた模様。その一つがヘディング。背は高くないのですが、相手より少し早めに飛んで、競り勝ってしまうんですよね。口で言うのは簡単ですけど、絶妙な空間認知能力と滞空時間がないとできないこと。大男に囲まれるなかで、必死で習得したのでしょう。ブルーのユニフォームでの活躍にも期待しております。