「漢前田」「三羽烏の時代」「浦和の人気回復停滞」2014シーズンを振り返る・サッカー界を彩る人々

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■漢前田[ベレーザvsINAC(8月2日)]

前田さんがINACの新監督に就任するとなったとき、ちょっとした話題になりましたよね。「最強のチーム」を「最弱記録を打ち立てた監督」が率いたら、どうなるのか?と。ホント、見事に勝てなかったですからね、鳥取時代。それに比べたら、よっぽど良い成績を収めていたにもかかわらず解任された小村さんが不憫でならない。小村さんは「戦力を考えれば、ギリギリ及第点かな」くらいの勝ち点を積み重ねていましたので。

 

 

現役時代の前田浩二といえば、フリューゲルス最後の天皇杯で見せた強烈なキャプテンシーが我々世代の印象には残っている。キャプテンシーにも二種類あって、宮本恒靖みたいなクレバーさでチームを統率するタイプに対し、前田さんは熱いハートで情熱的にチームを束ねるタイプのキャプテン。同じキャプテンでも「ハートより頭」なのか、「頭よりハート」なのかってところに、指導者としての分岐点がありそう。

 

 

もっとも、現役時代は「頭よりハート」タイプに見えて、指導者として成功する人々もいるんですけどねぇ。例えば、闘将・柱谷哲二。彼の場合、失敗経験もありますが、水戸での実績は、まあ、成功の範疇に入るでしょう。視線を海外に移せば、ドゥンガ。現役時代、鈴木秀人にキレまくったところ、鈴木秀人に逆ギレされるという経験を持つ闘将。この人も成功か失敗か微妙なところですが、ブラジル代表の監督に2回もなるのだから、漢前田と比較して成功と言えるでしょう。

 

 

 

三羽烏の時代[大宮アルディージャvs清水エスパルス(9月27日)]

清商も学校名が変わったんでしたっけ? ともあれ「清水」といえば「サッカーの街」という知名度も、全国規模でいけば、少しずつ低くなっていますが、アラフォー世代にとっては、「清水」といえば永遠に「サッカーの街」。そんなサッカーの街・清水を象徴するのが“清水東三羽烏”。長谷川健太、大榎克巳、堀池巧ですね。長谷川さんも大榎さんもエスパルスの監督まで経験しちゃってるんですもんね。堀池さんは、いま、何やってるんでしょうか?

 

 

三羽烏”といえば、清水が元祖とはいえ、専売特許ではない。四中工にもいましたよ、“三羽烏”。我らが小倉隆史、フランスWCに出た中西永輔、そして中田一三の3人ですね。それぞれ、グランパス、ジェフ、フリューゲルスでプロになりました。小倉は、その後、大怪我して代表では1試合1ゴールで終わりましたが、中西は長く活躍しましたし、中田も30歳を越えるまでプロでありつづけた。ちなみに、一時期、ジェフで3人が同時在籍しましたよね。

 

 

ただ、やっぱり“四中工三羽烏”は“清水東三羽烏”。だって、“清水東三羽烏”の3人って、小学校から同じチームですよね。“四中工三羽烏”は、高校で邂逅した3人。小学校年代から同じチームで活躍した選手が、お案じ高校を経て、同じクラブのレジェンドになっていくんですから。Jリーグの育成組織が整備された現在では、そこまで珍しくないかもしれませんが、ミソは、高体連で全国優勝しているところ。今後は、まず、出てこないでしょうね、このパターン。

 

 

 

■浦和の人気回復停滞[浦和vs仙台(4月6日)]

この日は日曜のナイター。しかも夕方には一雨あって、かつ、4月だというのに、死ぬほど寒かった。となると、どうしても観客数は伸びません。これは仕方ない。ただ、それを勘案しても、埼スタのレッズ戦で26,762人というのは、やっぱり寂しい。

 

 

ミシャじゃない方のペトロビッチ時代とか、低迷していたり、迷走していたりしているなら理解できるのですけど、ミシャの方のペトロビッチになって、少なくとも常にACLをうかがえる順位にいながら、なかなか客足が回復しない。これはなぜだろうかと考えてみました。

 

 

浦和が45万人を平気で毎試合ごとに動員していたブッフバルト時代って、それまで弱小とされていた浦和が、いよいよ強豪のの仲間入りをしていく過程でしたよね。「新たな歴史を作るぞ!」という高揚感があって、そこに多くのサポーターが魅了された。

 

 

一方、現在はどうか。確かにミシャさんは成績をある程度まで引き揚げてくれている。しかし、ミシャさんのサッカーって、要は、広島時代のサッカーを、そのまま浦和に導入しているわけですよね。補強も広島の選手を多く獲得している。

 

 

そうなると、どうにも「みんなで新たな歴史を作っているぞ!」って雰囲気になりづらいのではないか。既視感があるんですね。以前どこか(つまり広島)で見た光景が、そのままそこにあって、「作り上げる」というより「(完成品を)移植している」って感じ。それがゆえに「高揚感」が生まれづらく、成績ほど観客動員が回復できていないのではないかな、なんて思います。