浦和レッズ関連の周辺をウロウロと…2012年シーズンのJリーグを振り返る・選手の群像

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鈴木啓太の存在感[浦和vs鳥栖(07月07日)]

ワタクシの持論としまして、「選手入場の際、エスコートキッズに話し掛けてあげられる選手は良い人」というのがあります。埼スタの場合、バックヤードから選手入場までの一連が大型ビジョンに映し出されますので、注視していたところ、予想通りっちよ通りですが、槇野のフレンドリーさ加減が尋常ではない。ほとんど肩を組むように爆笑しあってますからね。

同じように、柔和な微笑を称えながらエスコートキッズとコミュニケーションを図っていたのが鈴木啓太。この人が人格者であることは、もはや多言は不要かと思います。そんな鈴木啓太、2012シーズンはブルーのスパイクを愛用していた模様。ちなみに同じくベテランの平川もブルーのスパイク。

こういう派手目なスパイクって、年によって流行がありますよね。どうやら去年はそれが青だったらしい。メーカーさんの戦略的な要素もあるんでしょうけど、案外、突如として2012年になってサッカー界に永田裕二ブームが沸き起こっていたのかもしれません。・・・そんなことはどうでも良いのです。ここで強調したいのは鈴木啓太のプレーです。

鈴木啓太といえば中盤のダイナモとして守備を引き締めるスペシャリストですが、一方で攻撃的なパス出しなどには一抹の不安を拭えない選手ですね。そんな鈴木選手が、ペトロビッチになってからは、どんどんチャレンジングな縦パスを出している。もちろん技術がいきなり向上するわけではないので、ヘンテコなミスも少なくないのですが、そういう鈴木選手がチャレンジし続けることが、チーム全体に、ペトロビッチのサッカーとは何かを実感させ、共有するのに、非常に重要な役割を果たしていたのではないかと思うわけですよ。

そういう意味では、鈴木啓太パスミスは、2012年の浦和をポジティブな意味で象徴していたのではないでしょうか。

■浦和のキャプテン候補[浦和vsガンバ(09月22日)]

2012シーズンって、浦和のキャプテンは、鈴木啓太ではなく阿部だったんですね。「キャプテンシー鈴木啓太」みたいな先入観がありましたので、少し意外。もちろん、阿部がキャプテンに相応しくないとか、そういうわけでは決してなく。阿部もジェフ時代にはキャプテンを複数年にわたり務めていましたし、攻守に渡り浦和の「核」「心臓」としてチームを支えていた阿部ですから、その彼がキャプテンを務めることに、なんら疑問を差し挟む余地はありません。

それで思ったのですが、近年の浦和って、けっこうキャプテンキャラの選手が多かったですよね。前述の鈴木啓太と阿部は言うに及ばず、他にも、例えば攻撃の牽引者である柏木あたりが腕章を巻いても、特に不思議はありません。また学級委員長っぽい雰囲気を醸し出しつつ、アベレージの高いパフォーマンスを発揮し続けた梅崎も、キャプテンマークを託されるに相応しいですし、ベテランの平川や坪井にもピッチの責任者として君臨する資格は十分あるかと思います。なによりも槇野がいますよね。2012年の浦和は槙野のチームだったといって過言ではない、部分がピッチ内外にあったことは衆目認めるところでしょうし、あの平川から、‘選手入場の最後尾’というボスキャラ的ポジションを奪い取ることにも成功していたわけですから、槙野がキャプテンであっても、誰も文句を言わないはずです。

逆に、「この選手がキャプテンってのは想像しづらいなぁ」ってのは原口くらいじゃないですね。さすがに原口は、現時点で「キャプテン」って貫禄はないですよね。あとマルシオも、なんとなく違うかなって気がしないでもない。

永田と加藤順大については可もなく不可もなくみたいな感じですが、いずれにせよ2012シーズンの躍進を支えたのは、こういう経験豊富というか、責任感を適切に背負える選手が浦和には揃っていたって要素も無視できないのかな、と。

■山瀬と楠神[川崎vs磐田(05月03日)]

この試合、風間監督の2試合目だったんですが、川崎は稲本をアンカーに置いた433の布陣でした。で、3トップの両WGは楠神と小林という組み合わせ。

左にMFタイプの楠神を置いて中盤の組み立てに参加させつつ、右に配したFWタイプの小林にはPA内への侵入を期待するってパターンが想定される、役割的には左右非対称のWG配置でした。

野洲高校に魅了されたベタ人間のワタクシとしては楠神に大注目だったわけですが、後半になると、ケガなのか、出来の問題なのか、とにかく小林outで山瀬(←元レッズでございます)がinとなりました。

で、山瀬っていうのは、小林と違って、プレースタイルが楠神に近い。なので、サイドにおけるアタッキングのあり方が、左右対称に近くなりました。右でも左でも、中盤から配球されたボールをWGが運んで、そこにSBが絡んでいって、って感じ。

そうすると、右でも左でもWGに与えられた役割が同じになるわけですので、必然的に頻繁に楠神と山瀬がポジションチェンジを繰り返すようになる。イメージ的にはバイエルンにおけるリベリーロッベンの関係に近かった。で、そうした時、山瀬に関しては、左右どちらでも器用に立ち振る舞っていたと思われましたが、この試合を見た限りでは、楠神は右の方が良さそうですね。

左に入るなら、カットインしてからのプレーに幅がないといけませんが、彼の場合、そこに少し不足があるような気がします。ボールを運んだ上で、どうするか。ここに改善の余地がありそうです。なので、しばらくは右に置いた方が良さそうにも思うのですが、それはそれで、野洲高校時代を彷彿とさせて、個人的には不満はありません。