「勝ったから良いものの、甲府は勝負への執着心が不足してる?」ってな試合【鹿島vs甲府】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■鹿島 0 vs 1 甲府[J1第9節 05月02日]

いくら相手が下位に沈み、かつ今ひとつここから浮上してくる予感も感じさせない甲府とはいえ、いくらACLの大一番を控えているとはいえ、今シーズンのレギュラー格はGK曽ヶ端を含めて半数もいないメンバー構成で臨んでくるとはねぇ、鹿島。さすがはトニーニョセレーゾというか非日本人監督。「スポーツマンシップに則りウンタラ・・・」よりも合理性を優先できるメンタリティは外国人監督ならではですかね。ナビスコなら、まだしも。

 

 

対する甲府山本英臣ボランチで固定されているんですね。本職ボランチの新井を3バックに回してまでも、中盤で起用されていました。オミさんも元々はボランチの選手ですけど、彼をCB固定してから甲府は強くなりましたから、厳しい状況なんでしょうね。両チームとも、そんな体たらくとくれば、そりゃ前半の戦いはグダグダになるってもの。カイオがミドルを撃ったシーンくらいですかね、ハーフタイム前に血湧き胸躍ったのは。

 

 

試合が動いたのは、後半が始まった直後。高崎がヘッドで落としたボールが阿部拓馬に渡ってしまい、阿部はダイレクトでロビング。それが上手く相手守備ライン裏に出て、走り込んだ伊東が値千金のゴールを決めました。といってもまだロスタイムを含めると45分くらいある。でも、この日の鹿島イレブンは試合勘に不安のある面々の集合体。後半開始から送り込まれた小笠原とて、逆境を跳ね返すだけの強さを1人だけでチーム全体に波及させるのはさすがに難しい。

 

 

前半から決して良くはなかった鹿島ですが、これ以降ますます後手に回ってしまう。一般的に442と3バックとの対決になるとサイドは442の方が数的優位になるはずなんですが、この試合の鹿島は、相手WB裏を突くことはほとんどなく、逆になぜか1人しかいないサイドプレーヤーをフリーにしてしまっていた。サイドを使えなかった要因は、おそらく前線に基点ができずタメを作れなかったから。だから攻撃がどうしても縦へ縦への単発となり、サイドから攻め直す余裕がなくなる。ラスト10分はともかく、前後半を通じてほとんど良質のクロスが入れられることなく、鹿島はまさかの取りこぼし劇を演じてしまいました。

 

 

 

ということで甲府が久々の勝ち点3を奪ったわけですが、この試合のクライマックスは前半の20分くらいだったかもしれません。植田が山村と交代になったのですが、その原因は豪快な出血。「鼻血を切ったか、唇を切ったか」みたいなことが言われていましたけど、なかなかの鮮血。植田といえば武道経験のある武闘派で強面。そんな植田が血まみれになっているのだから、「ホラー映画か、Vシネマか!」ってくらいに身の毛もよだつってもの。

 

 

まぁ、アクシデントですから、鹿島としては仕方ない。問題は、その時間帯の甲府ですよ。一旦は試合復帰を試み、植田はピッチ外で治療を受けていた。1人少ないってことで、鹿島GKの曽ヶ端は、意図的にダラダラと時間を稼ぎ、なかなかキックしない。そんな場面でも阿部拓馬をはじめとする甲府のアタッカー陣は曽ヶ端を突っつきに行かないんですよ。確かに正々堂々って価値観からすれば、武士道精神的な対応だったと思いますが、甲府って、そんなことを言ってるチーム状況ではなかろうに。

 

 

「卑怯者!」と後ろ指を指されても、相手が10人になった時間帯を最大限に利用しなければならない。もし反対の立場にあったなら、試合巧者の鹿島は、その時間帯にいかに多くのプレーをねじこむかって意思統一をしていたはず。それが勝負へのこだわりですし、サッカーとはそこまでしないと勝てないスポーツ。ひょっとして今シーズンの甲府は、勝ちへの執着心が不足しているのではなかろうか・・・(後半、青木が出ている時間帯には容赦なくアドリアーノがシュートをバーに直撃させていましたけど)。