「“ボランチいじりまくり”作戦、大成功!」の巻〜相模原vs藤枝(4月20日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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今週も見てきましたよ、J3。ってなわけで。

■前半

互いに中位につけているチーム同士。どちらがイニシアチブを握るのか眺めていましたが、キックオフ直後の時間は藤枝が相模原のゴール前に攻め込むという展開となりましたね。その原動力となったのが、2トップと両SHを中心としたファーストディフェンス。連動したフォアチェックを繰り出し、中盤でボールを回収すると、そのまま中央突破していく感じで、相模原の守備陣をゴール前に釘付けとすることに成功しました。

攻撃においては、アタッカー陣4人のうち、特に、大石(FW)、久富(MF登録ながら、おそらくFW)、谷尾(左SH)の3人が流動的にポジションを微調整しながら、中央突破していくスタイルがはまっていた。ちなみに、右SHの橋本は、ワタクシのいたバックスタンドから見て遠いサイドでしたのでよく見えませんでしたけど、何度かするするすると縦へとドリブルを仕掛けて、対面するディフェンダーを振り切っていたので、ウイングプレーヤーっぽかったです。

対するホームの相模原。序盤は押され気味になりましたが、3000人を超えるサポーターに後押しを受けておきながら、やられっぱなしってわけにはいきません。前半も半ばを過ぎると、おもむろに相模原がペースを握り返します。

相模原が押し返せた要因は、サイドを攻略できたことにあります。もともとそういう狙いがあったのか、試合途中の戦術眼によるものなのかはわかりませんが、中央ではなく、サイドを縦抜けする動きで、藤枝守備陣を混乱に陥れました。その証拠に、前半の相模原はオフサイドが多かった。

オフサイドの多さそのものは誉められたものではありませんけど、それだけ縦抜けへの狙いが徹底されていて、パスの出し手も、使われる選手のランニングを見逃していないということですから、半分は“勲章”ということで良いでしょう。惜しむらくは、そこで量産されたチャンスを生かせなかったこと。ドフリーのシュートを思いっきり外した佐野裕哉の天の仰ぎ方は、なかなかの“オーマイガッ!”でした。

■後半

後半になるとスコアが動きます。均衡を破ったのは相模原。右からのクロスを受けた高原が、しっかりと足元にボール収めた上で、狙い澄ましたシュートをテクニカルに決めてみせました。

一方の藤枝も、程なく同点に追いつきます。相模原が中盤で不用意に横パスを出すと、それをパスカットした谷尾が、そのまま独走して、見事なゴール。この谷尾さん、守備でのチェイシングなんかで顕著だったのですが、かなり機敏な選手です。なんというか運動神経が良さそうなのですよ。きっと、サッカー以外のスポーツでも頭角をあらわしたでしょうし、「球技はできても、こっちは苦手」の代表格である水泳とかも、なんなくこなすに違いない。

勢いにのりたい藤枝は、おそらくスターティングポジションボランチであっただろう佐藤が広範囲に顔を出し、ゴール前にも絡むようになります。イメージ的には4231から4141にシフトチェンジしたような感じ。対する相模原もボランチをいじります。ボランチのスタメンで起用されていた三幸を下げ、FWの服部を投入。トップの位置で先発した佐野が三幸の位置に下がります。

そんな中盤セントラルの攻防を制したのは相模原でした。高原が起点となり、追い越す動きを見せた曽我部にラストパス。曽我部のシュート(たぶん)が藤枝のオウンゴールを誘発しました。実は左SHで先発していた曽我部も、直前の選手交代に伴い、ボランチに下がっていたのですね。そして、長い距離を走ってゴール前で仕事をした、と。曽我部へのマークが剥がれていたからこそのゴールとも言えますから、“ボランチいじりまくり”作戦が奏効したと評価できるかもしれません。

■日本代表への推薦状

□推薦者

高原直泰

□推薦理由

確か、前回も相模原の試合で高原の名前を挙げたような気もするので、我ながら芸がございませんが、やっぱり、良い選手なのですよ。

まず、本論中でも述べたように、相模原はサイドでの縦抜けに活路を見いだしたわけですが、その嚆矢となったのが、右サイドに開いて相手が空けたスペースを突き続けた高原。この時点で十分に素敵なのですが、それに加えて、高原は、ちゃんと真ん中でもカラダを張るのですよ。キーパーからのパントキックで、競り合いを厭わず相手DFとぶつかり合う。これが、何より素晴らしい。

前回の観戦から、たった2週間しか経っていませんが、その短い期間で、2トップの相方である佐野との関係性もずいぶんと良くなったというか、役割分担も整理されたように感じられましたし、「高原が相手守備陣の注意を引きつけて、マークが弛まった他の選手を使う」という連携面にも向上の跡が見られた。この選手を700円(ギオンスタジアムのバックスタンド自由席は、なんと700円!)で見られるのはコスパ高いです(往復の移動費を除く)。