■ラジャ・カサブランカ 2 vs 1 オークランドシティ[CWC開幕戦 12月13日]
序盤しばらくは五分五分といった感じだったのですが、時計の針とともにカサブランカがダンディーになっていき、バイタルエリアで前を向いてラストパスを出せるようになっていきます。それでも、オークランドはのらりくらりと交わしていたのですが、39分に均衡が破れます。ヤジョーリが収めたポストから、ゲヒ→ケルシとワンタッチかつダイナミックに繋がり、最後は起点となったエースのヤジョーリが抜け出して、GKとの1対1を制しました。
オークランドは、支配率に優れるカサブランカを相手に、両SBの位置取りが中途半端になってしまいました。ベタ引きにしなかったのが災いして、さほど広大でもない後方のスペースをけっこう蹂躙されてしまっていました。ただ、広範囲に入ると、カサブランカの運動量が落ちたということなのかもしれませんが、オークランドが高い位置までボールを運べる機会が増えました。そして高い位置までいってしまうと、それなりに攻撃の形を作れるらしい。
そんな感じで、比較的イーブンな展開に戻ると、後半の15分すぎにカサブランカが攻め上がった後の相手のクリアボールに対し、その処理を誤り、オークランドのクリシュナの独走を許すと、そのままゴールを決められ、試合は振り出しに戻ります。
その後は、両チームともに選手交代で運動量を補充しながらも、完全にカサブランカにガス切れ疑惑が持ち上がる。ゆえにカサブランカが攻めているように見えて、なんとなくオークランドの方が正確なシュートを撃てそうな予感が漂い出しましたが、最後は結局、カサブランカが意地を見せ、ロスタイムのゴールで勝利を収めました。シュートを決めたのは、ハフィディでしたが、その過程で最も良いプレーを見せたのは、メトワリ。中盤でファールを受け倒されながらも立ち上がり、そのままアドバンテージで流させて、ドリブル。そして大外へスルーパスを出して、そのクロスから生まれたのが決勝点。
前半からメトワリは都並さんとかから絶賛されていましたよね。スピードをそこまであるようには見えませんでしたが、テクニックを駆使したドリブルの突破力はなかなか素晴らしく、かつ、ベースが技術力ですから、切り返したり、入れ替わったり、相手の裏を付いたりといったプレーが次から次へと出てくる。イメージ的には松井大輔のプレーに近いですかね。
対面したのは日本人の岩田でしたが、まぁ、そりゃ、ペンペンにされていましたよ。この岩田、去年のCWCでも少し注目された選手で、もはやお馴染みなわけですが、決勝点の場面でも、‘飛び込むも及ばず’って感じで、なかなかホロ苦いモロッコ遠征となってしまいました。