【御蔵出し】ナショナルチームの監督の周辺をウロウロと…

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引っ越しかなんかの時に、それまで書き止めていたコラムめいたエントリーの下書きを保存したUSBメモリーを紛失したのですが、それが先日、発見されました。それを【御蔵出し】シリーズとして不定期連載していきたいと思います。そんなわけで本シリーズは、エントリーが書かれた当時の頃に記憶を戻してお読みくださいませ。

今回は、惜しくも敗れましたが、日本サッカー界に快活な雰囲気を与えた吉武ジャパン(96ジャパン)の躍動にかこつけて、U19を率いながらもアジアの壁を越えられず、U-20ワールドカップへの切符を逃したことでバッシングを受けた布啓一郎氏に関する内容です。の前半。

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と言うわけで、ナショナルチームの監督は辛いよ、って話(でもないかも)。皆さんは中学生や高校生の頃、スポーツ系の部活動ってやってましたか?

ワタクシは、比較的、一生懸命やっていたつもりです。

弱小チームのヘタクソ選手でしたけど、一応、平日放課後はもちろんのこと土曜日の午後とかも学校でバレーボールの練習をしていました。体育館が狭かったものですから、土曜日は13:0015:00と15:0017:00とかに分けて、どちらかが男バレ、残りのどちらかが女バレで交代してやってました。なので、女バレが早番、男バレが遅番のときは、ウッカリ早く来すぎたテイで、中学生らしいピュアな恥じらいを心に秘めつつ、練習している女バレ女子を凝視していたももです。

もちろんカモフラージュのためにストレッチはやっているのですが、そんなことで誤魔化せるわけもなく、他の男バレ部員と次のような遣り取りが発生します。

「お前、女子を見にきたやろ!」

「ちゃうわ。たまたま時間を間違えて、はよ来すぎたからストレッチやっとっただけや」

「絶対ウソやん。てゆうか○○のことが好きなんちゃうん!?」

「はぁ!?意味わからへん。なに言っとん!(汗)」

まあ、中学校のときの好きな子は別に女バレじゃなかったんですけどね。それにしても「時間を間違えた」って何だよって話ですよね。間違えるわけないやん。

ちなみに高校時代は、女バレの子に三年間、ずっと片思いしていたなぁ。(←遠い目)

付き合ってた子よりも、その子が好きだったなぁ。(←贖罪の目)

カオリちゃん、いまも元気にやってるかなぁ。(←ノスタルジー)

とまあ、なんで延々と昔話をしたかと申しますと、噂によると、知らない間にワタクシ、県選抜の候補リストに一瞬入っていたらしいのです。候補と言っても、直接視察の対象となる50人とか100人の母集団が作られ、そこから24人がセレクションに呼ばれて、12人が晴れて県選抜になる。その50人とか100人の中の母集団に入ったらしいってだけの話ですけどね。

そう、今回のテーマは「選抜」です。

高校年代のサッカーって、都道府県選抜の活動、あるんですかね?

例によって、詳しい人、教えてほしの。(←きもい)

インターハイはどうなんですかね?

単独チームが多いのでしょうか?

U16なだけに選抜を組むんですかね?

(注:2013年の東京国体で選抜チームが多いと確認しました)

何の話かと言いますと、布啓一郎氏は、協会に入るまでのキャリアで、「選抜チーム」なるものを率いたことってあるのだろうか?って話です。

ワールドユース本大会への出場権を逃したことで、批判の矢面に立たされた布さん。なかには「無能な布は日本サッカー界からいなくなれ」みたいな感情的な極論を公言する方もいらっしゃいました。育成年代を含め、興味の中心が代表戦にある方々にとっては「サッカー=代表」でしょうから、「代表で失敗した人=無能」なのかもしれません。

ただ、Jリーグや高校サッカーはスタンド観戦するけど代表はVIERA経由でしか見ないワタクシみたいな存在からしてみれば、布さんに日本サッカー界からいなくなられては大変に困るわけです。20世紀末から2000年代初頭にかけての、「あの市船」を作り上げた人なわけですよ。そんな人が無能なわけがないんですね。

仮に布さんが無能だとすると、そんな無能な指揮官に率いられたチームが、何度も全国制覇する高校サッカーって何なんだ?ってことになる。そして、未だに、そんな高校勢にしばしば足元を掬われるJユースって何なんだ?ってことになるわけで、そうすると結局、「日本の育成年代は弱い」という結論になり、ならば最終的には、「布さんが無能だから負けた」ではなく、「日本サッカーのレベルが低いから負けた」ってことになる。

要は論理的に破綻してしまうわけです。

結局ですね、「監督がダメだから負けた」っていうのは、「それ以上、構造的な要因に対する分析を放棄します!」と宣言しているのと同じなんですよね。カタルシスを得ることと引き換えに、思考停止になってしまっている。要するに、生産性が何一つない。

例えば、大学受験に失敗したとして、その理由を「自分はバカだから」とか「先生に恵まれなかったから」とかとしか分析できなかったとしたら、その時点で、早くも二浪確定のランプが点灯しますよね。

何歩か譲ってですね、稲本あたりを「ガンバボーイズ」と名付けた監督さんとかのように、指導者として失敗しかしていない方に対して使うならば、理知的ではないものの気持ちは理解できなくもない。しかし、件のときの布さんとか、南アフリカ直前の岡田さんに対して「無能」なんて言葉を浴びせかけたとするならば、余りにもそれは視野狭小に過ぎるだろうと思うのですよ。

それ、代表での成績だけしか見てなくない?

みたいな。繰り返しになりますが、彼らが無能だとしたら、代表以外における成功経験を、どのように説明するのか、って話になるわけですよ。

グダグダとイロイロ述べてきましたが、ここで主張したいのは、次のような感じになります。もし、「自分のカタルシス」より、「日本サッカーの未来」を優先する志があるのならば、「なぜ高校サッカー界きっての名将が、ナショナルチームでは失敗したのか?」という問題設定をすべきではないか。

あるいは

布さんの長所と短所(=個性)を具体的に検証し、なぜナショナルチームには上手くハマらなかったのかを考えるべきではないか。ってことですね。そこで「県選抜」なわけですが、男バレ話が長引きましたので、本論は、また次回でございます。

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当時の布さん批判に、「Jクラブを率いたことのない指導者にナショナルチームを率いさせるな!」って批判がありましたけど、今回の吉武さんの躍進を見る限り、「Jクラブを率いたことにない」という要素と、「布さんが失敗したこと」は、必ずしも連関しないことが明らかになりましたね。