ブラジル人の臨機応変さに思いを馳せる【ブラジルvsウルグアイ】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■ブラジル 2 vs 1 ウルグアイ[コンフェデ準決 06月28日]

日本戦とかの印象だと、ブラジルって比較的ポジション固定気味に戦うように思っていたのですが、この試合では割と流動的でしたね。特に、オスカルとフッキの関係は極めて臨機応変。オスカルが軽やかに、フッキは力強く動き回ることで、ウルグアイ守備陣の綻びを探ります。この大会では脇役気味だった彼らですが、やはりしっかりと貢献している。おそらく、こういう地道なジャブが先制点を呼び寄せたのでしょう。

パウリーニョが中盤のマークをいなしながら、DFライン裏に抜け出したネイマールに縦一本。ネイマールが相手を引きつけて、最後はフレッジが押し込みました。このフレッジのアクロバチックかつ確実に相手ゴールに流し込むシュートを見ていると、‘基礎技術’と‘決定力’は必ずしも一致(比例)しないんだなと再認識させられます。

ただ、ウルグアイの守備も非常に固かった。基本的には中央に人数をかけて守ります。で、はっきりとしたキックでクリアする。しっかり着実にミートして大きく蹴り出す。まさにガテン系ディフェンス。昼間のパパは男だぜ!

そして、守るだけでないところも、昼間のパパはちょっと違う。象徴的なのはカバーニ。この試合を通じてカバーニの足の長いスライディングとペレイラのパワフルなショルダーチャージが光っていたのですが、そのカバーニが同点ゴールを決めます。右サイドバックペレイラが持ち上がり、インサイドハーフのゴンザレスとロドリゲスがワンツー。受けたゴンザレスがさらにスアレスとのワンツーからキーパーとの1対1寸前まで持ち込むものの、そこをダビドルイスがクリア。しかし、そのクリアがスアレスに直撃してこぼれる。ペレイラが粘るもチアゴシウバがカットしマルセロにパスするも、そのボールの奪い合いに勝利したカバーニが、流れのまま押し込みした。

勝ち越しを目指すブラジルはエルナルジを投入。どうやら地元の選手らしく、スタンドの声援が凄かった。演奏が止んでもスタンドが歌い続ける国歌斉唱も圧巻でしたが、こういう状況に応じて自然発生的な熱狂が生み出されるところも、ブラジル人の応援の魅力。日本人の応援って、臨機応変さが決定的に不足していて、Jリーグだと、なにかと儀礼的というか、先例重視というか、ピッチのテンションとスタンドのチャントが齟齬していることも少なくないのですが、そのあたりブラジル人のサッカー観戦力は、やはり、歴史の蓄積がある。

ともあれ、そんな大声援を背中にブラジルが決勝点を叩き込みます。ネイマールが蹴ったコーナーキックパウリーニョが頭を合わせて決めて見せました。パウリーニョの決定力が凄いというのはウスウス気付いていたのですが、ヘディングとか、そういうシュートの得点力も素晴らしかったのですね。