スタジアムの管理と審判の周辺をウロウロと…2012年シーズンのJリーグを振り返る・サッカー界を彩る人々

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というわけで、今年も前年度のJリーグを振り返るシリーズをやります。まぁ、現地観戦記のレポ以外の部分ってことです。そして、きっと今年も2013シーズン開幕までには終わりますまい・・・

■味スタの芝[東京Vvs富山(08月05日)]

毎年、毎年、繰り返し言われていることですが、夏場の味スタって、ホントに芝生の状態が悪いですよね。まあ、夏になって暑くなると、スタジアムってのは基本的に風が通りづらい構造ですし、どうしても芝生の元気はなくなってしまう。

しかも味スタの場合、FC東京ヴェルディという2チームがホームスタジアムにしていますから、原則として、毎週末Jリーグの試合が開催されるので、特に、芝は荒れる。仕方ないっちゃ、仕方ない。

しかし、08月05日の試合の時点で、芝の状態がコレだと、非常に不安になるってもんです。そう、FC東京ヴェルディのサポーターなら御存知の通り、8月の末には、(サッカー関係者にとっては)悪名高き「anation」が開催されるわけです。

これまた毎夏の風物詩ですが、「anation」→芝がボコボコ→FC東京激怒、というパターンが発生すること間違いなしなわけで。ただ、逆に言えば、8月頭の時点で、これだけ芝の状態が悪いということは、問題の本質は「anation」にあるのではないような気もします。

もちろん「anation」の影響も無視できないんでしょうけど、むしろ、FC東京とかが苛立つ原因は「ただでさえこんな状態なのに、さらに痛めつけるような相手に貸す?」とか、「毎年こうなるのがわかってんだから、もう少し芝生の養生技術を向上させるなり、夏場はイベント貸し出しを控え目にするとか、なんとかならない?」って部分にあるのかも。

とはいえ野外フェスは夏、夏休みにやらないことにはどうしようもないですから、むしろ、お盆からの1ヶ月間は、「どうせ味スタは使えねぇし」と割り切って、早め早めに国立を押さえてしまうための努力にパワーを集中させた方が生産的なような気がしないでもない。

■村上さんの大岡裁き[大宮vs神戸(06月06日)]

この試合、主審は村上さんでした。後ろ髪の長さがどことなく西村さんを彷彿とさせる村上さんですが、いろいろと見るべき所がありました。前半のわりあい早い時間帯に、神戸の北本選手がボールを足元に止めながら、村上さんに何やらアピールしています。どうやら空気圧か何か、ボールにトラブルがあったようです。珍しいシーンですので、両チームサポーターも一瞬エアポケット的に静かになり、村上さんの肉声が聞こえてしまいました。ボールパーソンに向かって、「ボールをチェックしてくれないか」といった内容の言葉だったのですが、ここで一つ素朴な疑問が。・・・ボールパーソンにそんなこと言っても無駄じゃない?

それはポペイロとかの仕事であって、近所の学校から動員されたサッカー部員に、ボールをメンテナンスする特殊技術が身についているとは、なかなか考え難いのですが。ま、それは良いとして。けっこう試合が荒れましてね。その意味では、ゲームを上手くコントロールできなかったわけで、やや村上さんにはネガティブな評価を与えねばならぬわけですが、そこからの対応が悪くなかった。

後半の真ん中くらいに大久保選手と下平選手に接触プレーがあって、下平選手がやや大げさに倒れた。そのとき大久保選手は下平選手の顔を覗き込み、何か余計な一言を吐き捨ててしまったらしい。激昂した下平選手は大久保選手を突き倒してしまったのですね。

一般論的に言えば、たとえ、どのような遣り取りがあったとしても、手を出してしまった下平選手に非がある。しかし、村上さんはここで喧嘩両成敗ってなことで両選手にイエローカードを出した。これは非常に適切な処置だったと思います。外野から見ていても大久保選手の一言が下平選手を激昂させたのは明らかですから、大久保選手にも非がある。また、ここでレッドカードを出してしまうと、試合は更に更に荒れて収拾が付かない状態になる危険があった。そのような場面における「両選手へのイエロー」というのは、大岡裁き的な意味で、とても理に適っていたと思います。

■女性審判ゲームの諸相[伊賀FCくノ一vsジェフレディース皇后杯(12月22日)]

女子サッカーのレフェリーって、概ね女性の方がつとめますよね。この試合でも、女性の審判がポニーテールを振り乱しながら、かなり正確なジャッジを振るっておりました。地味ながら、ほとんどミスジャッジはなかったのではないでしょうか。

ともあれ、女子サッカーだから、女性審判。この構図は、果たして適切なのだろうか、と。一見、男女平等という観点からすれば合理的にも思われがちでしょうが、そもそも「男子サッカーだから男性、女子サッカーだから女性」という発想が、そもそも男女平等の理念に反しているような。本当の意味での男女平等を追求するのであるならば、「選手が男子であろうと女子であろうと、審判は男性女性関係なく能力順で最適任者を選ぶ」ってのが、宜しいんじゃないでしょうか。繰り返しになりますが、この試合のレフェリーさんは、そういう意味でも最適任者でしたけど。

それはともあれ、そのレフェリーさんがポニーテールだったのが興味深かった。と言いますのも、〈男社会の紅一点の女子は、多くが髪を伸ばす〉という法則があると聞いたことがあるからです。たとえば女性のトラック運転手とか、ガテン系やら宅配業者やらですね。

こういう、〈構成員の圧倒的多数〉という職場に入る女性というのは、ある意味‘男勝り’な部分があるわけで、そういう観点からすれば男っぽい短髪オカッパ頭であってもおかしくない。しかし、そういうことには、余りなりづらいらしい。

なぜならば、男ばかりに囲まれた環境だからこそ、自分の持つ‘女性’という特性を意識せざるを得ず、無意識のうちに、その部分を前面に押し出してしまうんだそうな。逆に、女子校の体育会など、周囲を女子に取り囲まれた女性は、自らの‘女子’的側面を必要以上に意識する必要もないから、ベリーショートという名のオカッパ頭にすることにも抵抗がないらしい。そう考えると、女性審判の多くが長髪であるうちは、まだまだ審判社会は男女平等ではないということかもしれません。審判社会の数的バランス的に。