■フランス代表 1 vs 0 日本代表[国際親善試合 10月13日]
先制しちゃいましたね。ザックJAPANらしくないコーナーキックからのロングカウンターで。もう、今野がドタドタ走るんですもん。ワチャワチャ駆け上がるんですもん。そこから長友に開いて、折り返しを香川が詰める、と。
ザックJAPANらしくないと言いましたが、80分を過ぎてから、先般出場していた今野・長友・香川という3人が愚直に全力疾走するところなどは、勤勉さと「気合いと根性」で戦後焼け野原を復興させてきた日本人らしいっちゃ日本人らしい。
まぁ、いくら日本のサッカーが成長したと言っても、相対的な力関係は変わらないわけで。もちろん、かつては「世界一vs発展途上国」だった構図が、いまや、どうにかこうにか、「停滞気味の先進国vsそれなりに元気な中流国」くらいの差にはなっているんでしょうけど、格上は格上ですよね。
で、「11人の能力×戦術浸透度」の絶対値で劣っていることを皮膚で感じてしまうと、どうしても選手というのは浮き足立ってしまうらしい。長谷部が這々の体でイエローカードを頂戴したり、男だらけのピッチ上で川島が大磯ロングビーチでの水泳大会もビックリなくらいのポロリをしたりと、なんやかんや、序盤の日本は怪しかった。
そういう中でも遠藤とか憲剛とかベテラン勢は落ち着いていましたね。落ち着いていたというか淡々としていたというか、達観していたというか。もはや聖闘士星矢の老師状態です。そのうち廬山昇龍覇を坂田大輔とか田中佑昌とかに伝授し出すんじゃないかと。
特に、遠藤については、全体が浮き足だっていた序盤に、守備で奮闘していました。前日に雨が降ったらしく、「悲劇」とネーミングされた10年(11年?)前と同じように、お足元が悪い中、スライディングしたパンツを泥だらけにしつつ、苦しい中、しっかりと足にボールをミートしてクリアをしたり「できることは、やりまっせ!」といういつもの遠藤。
また、憲剛も「変な奪われ方をしない」という意味ではベテランらしい渋い働き。ただ、逆に言うと、それ以上のことは出来なかった。香川とか、憲剛と交代して入ってきた乾なんかを見ていると、プレスをいなしてボールを貰うって部分が上手い。ここの部分には、海外組と国内組とで若干の差があるのかな、と。
ともあれ乾の投入などでテコ入れした日本の中盤に対し、フランスの中盤は少し押し返されてしまった。原因は、いろいろあるんでしょうけど、一つは油断でしょうね。特にシャントーム。もちろん裂傷で「途中投入→途中交代」になってしまったことを責めているわけではありません。
彼の髪型ですね。クラークケントみたいな、「7・3分け」を超えた「9・1分け」。生真面目なサラリーマン風といえば、そうなんですけど、主にアメリカ映画などで、日本人(東アジア人?海域アジア人?)を、揶揄やら嘲笑やらをする際に描写される髪型ですよね。シャントームも、そういうシニカルなメッセージを含めて、あの髪型をチョイスしたに違いないわけで、そんな見下した態度で日本に挑むから、めぐりめぐって罰を受けることになるのです。やはりフランス人はフランス人らしく、中途半端な長さのソバージュヘアーをたなびかせなければなりません(うん?ミイラ取りがミイラになった??)。
■ACミラン 0 vs 1 インテル[セリエA 10月09日]
電光石火のセットプレーでインテルが先制。あとは86分+ロスタイムを凍らせて、そのままインテルが逃げ切った、そういう試合です。
この試合については、「長友が退場した試合」と言えば、皆さん思い出しやすいのではないでしょうか?
プロ入初の退場だそうで。不運と言えば不運ですが、1枚目のイエローカードは、妥当なイエローだったですし、どうしてもプロフェッショナルファールをしなければならないっていうほどの場面ではなかったので、その辺りは反省の必要もあるのかもしれません。
2枚目については、状況的に悪質なファールとは思えませんが、確かに身体のフォルムが不自然な形になりましたし、自覚的に意識してか、「思わずカラダが…」なのかは微妙ながら、イエローとまでは言えないまでも、ハンドの反則ではありましたね。
解説の福田さんも「故意か故意じゃないかといえば故意でしょうけど…」と仰っていました。それにしても「故意か故意じゃないかといえば故意でしょうけど…」って。。。松山千春の名曲か、と。「それでも恋は恋」なのかと。愛することに疲れたのか、と。ワタクシはさすがに、この世代ではありません、念のため。幼い頃、父親がよく聞いていました。
ともあれ、なかなか厳しいレフェリーさんでした。ただ、このレフェリーの被害者はインテルだけじゃないですからね。前半のうちにミランのパスが2回も妨げられました。確かに、パスがレフェリーに当たるってことは、しばしばあることですけど、1試合、しかも前半だけで同じチームに2回となると、なかなかお目にかかれません。長友の退場は、レフェリー必殺‘辻褄合わせ’だったのかもしれません8(?)
ともあれ、長友の退場でインテルとしてはバランスを整え直さなければなりません。イタリアのチームですから、ここは常套手段を用います。そう、アタッカーを外して守備的な選手を投入することに。外れたのはカッサーノ。戦術上の交代なので、本人的には少し気の毒でした。
受難と言えば、カッサーノの相棒・ミリートも同様。前半アッピアーティのパスミスをかっさらい、これ以上ないってくらいおあつらえむきのチャンスが転がり込みながらも、シュートを撃とうとした瞬間にクリアされるなんてシーンがありました。まぁ、これは受難と言っても、本人のミスなわけですけど。「あれっ、こんなハズじゃなかったぞ!?」という意味では受難。
一方、ミランの1トップ・ボージャンについても、ミリート的な意味での受難がありました。この試合、一度ならず、めっちゃ精度の高いミドルシュートを蹴り込んでいたモントリーボが、またまたミドルシュートを放つと、そのこぼれ球にボージャンが反応します。あとは冷静にコースを狙って撃てばって状況。そこで、ボージャン、こともあろうに、思いっきりずっこけてしまいました。これも受難っちゃ受難でしょう。芝生の罠でもありますし。
さて、皆さん、お気づきになりました?この試合で受難に襲われた、長友・カッサーノ・ミリート・ボージャン。この4人には共通点があります。そう、全員、背番号がゾロ目なんですね。なので、このミラノダービーは‘ゾロ目受難ダービー’だったといって過言じゃありません。