ベレーザと伊賀くノ一の一戦は、いかにも「読売vsプロビンチャ」という構図で試合が進みました。
まず、くノ一ですが、このチームは2トップの一角に入った20番の松長選手をスペースに走らせる、シンプルなサッカーを、前半から展開します。如何せん‘リアルくノ一’として、すいとんの術やら、隠れ蓑やら、手裏剣やらを「ニンニン!」と使うわけには、ルール上、いかなかったので、獅子丸もチクワを食べられず残念でしたが、とにかく、そういうスタイル。
一方のベレーザ。こっちは、現在は多くの選手がINACに所属しているとはいえ、「なでしこジャパンの半分は読売下部組織で出来ています」ってことですから、なでしこジャパンよろしく、技術とアジリティを生かしたサッカーで押し込みます。伊賀が2トップを走らせたのとは対照的に、ベレーザは2トップの一角、9番の永里妹が力強いポストワークをこなしつつ、そこからの大きな展開で伊賀を圧倒していました。
試合が開始して、まず、目を奪われたのが、ベレーザ8番の小林弥生選手。ベレーザの屋台骨とも言えるベテランですが、ここ最近はベンチスタートが多かった選手ですね。監督が変わった今シーズンは、けが人との兼ね合いもあるのかもしれませんが、レギュラーを奪還した模様。
そんな、小林選手には浦和の柏木選手と共通点が多い。まずセントラルミッドフィルダーだという点。フリーキックに定評がある点。さらには笑顔で多くのサポーターを魅了している点も似ています。
しかし、何よりも、長袖のシャツを袖余りで着ている点が、‘くりそつ’です。もはや、‘くりびつてんぎょう’ですね。そして、この日の小林選手を見て、改めて確信しました。そう、「女子だと確かに袖余りが可愛く見える。しかし、柏木の袖余りは何一つ可愛くない」と。
ベレーザの小林選手ばかりをクローズアップしては、不公平感が否めなくなるので(何が?)、くノ一からも、目に留まった選手を紹介したいと思います。
それは2番の山口選手。左SBの選手ですね。この選手は、モデル体型というか、スラッと長身で、後ろ姿が、なかなか凛々しい。左SBで、凛々しいルックスとなれば、そうですね、我らが、いや‘オレの’鮫ちゃんとキャラが被るのです。
そして、何を隠そう、この山口ちゃん(鮫ちゃんに引き付けて‘山ちゃん’と呼ぼうと思ったのですが、この愛称には可愛い感がまるでないので断念)、ランニングフォームまで鮫ちゃんに瓜二つなのです。鮫ちゃんといえば、走るときの腕の振り方が‘女子女子’していて、非常にラブリーなわけですけど、山口ちゃんについても、そこの‘いやんいやん’感が全く同一でございました。
とにもかくにも、ベレーザが圧倒しながらも、決め手を欠くうちに、少しずつ押し返されるという、ベレーザ的には歓迎できない状況のまま、45分(+ロスタイム)が経過しました。
そこで、野田監督はハーフタイムに修正を加えます。どうやらポジションを微調整した模様。前半は多分、永里と田中美南の2トップ、2列目の左に木龍、右に伊藤って感じだったと思いますが、後半からは田中美南が完全に左に張り付きます。
単純に木龍と田中美南の位置を入れ替えたのかな、とも思いましたが、或いは、フォーメーションそのものもイジっていたかもしれません。
もう、この辺りは、‘見方によって’とか、‘その時々の場面を切り取れば’って世界になるのですが、左から田中、永里、木龍で伊藤が真ん中に絞った433にも見えましたし、中盤を原と小林だけにした424に見えたりもしました。とにかく前傾モードになったことは間違いありません。
後半のポジション調整によってベレーザは、一気呵成に伊賀を攻め立てます。中でも田中美南がサイドに張り付いたことに象徴されるように、サイドでの圧力が段違いに高まりました。で、サイドに気を取らせつつ、相手守備陣の集中力を疲弊させると、今度は真ん中から縦一本。永里選手がフィードに抜け出し、あっさりと先制点を奪い取ります。
ただ、くノ一も粘りを見せます。先制したことで、いわゆる‘攻め疲れ’が顔を覗かせてしまったベレーザの隙を窺い、コーナーキックからの流れで11番中出選手がサイドを攻略し、折り返しを19番小林選手がヒール気味、オシャレ風に決めて、同点に追いつきます。
その後、同点であるにもかかわらず岩清水を前線に張り付かせるなど、あくまでベレーザは勝ち点3を目指しますが、時間が足りず、11のままタイムアップとなりました。
【日本代表への推薦状】のコーナー
推薦者:山口選手(伊賀)
理由:本文で述べたとおりです。ランニングフォームですね。