若者の手本となるJリーガーの周辺をウロウロと…2011年シーズンのJリーグを振り返る・選手の群像編

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えと、4月30日のFC東京vsコンサドーレ札幌戦ですから去年のGWのお話です。夏は暑いし、冬は寒い。そんな四季とお付き合いしながら暮らしてきた我々日本人。自然との長い長い格闘の中で身に付けた日本人の知恵、それは「春と秋を楽しむ」という画期的な戦法です。

つまり新緑のウララカな日射しに包まれるように、味スタでポカポカとサッカーを観戦していたわけですよ。そんな一向に暁を覚えようとしないワタクシの春眠を、一発で撃退してくれたのが、札幌GKのイ・ホサン選手。

この選手、ゴールキックだとか、バックパスの蹴り出しなんかでは、ごく普通のキックをするのですが、何故かボールをキャッチした後のパントキックに限って、もの凄く高く蹴り上げる。

思い出すのが、元柏で、いまや熊本の守護神となった南雄太選手です。この選手も、キックを高く蹴り上げることで印象的なのですが、南選手の場合、「遠くに飛ばせないから、せめて高く」みたいな感じ。それに対してイ・ホサン選手は、「遠くに飛ばそうと思えばできるけど、パントキックに限っては敢えて高く蹴り上げる」って感じなんですね。うん、何か意図があるのでしょうか?

おそらく単純なキック技術の問題かと思われますが、「キック技術」と聞いて、皆さまは最初に、どの選手が頭に思い浮かびますか。なにはともあれ「中村俊輔」の名前が出てくるのはワタクシだけではないでしょう。

俊輔については、ナビスコカップの横浜FMvs神戸(06月05日)で観戦しました。今年のナビスコカップは、例年と、というよりも当初の予定と、ずいぶん異なったレギュレーションで開催されました。震災の影響でJリーグのスケジュールが大幅な変更を迫られ、その余波として、「ナビスコカップをやる暇がない」ってことになってしまい、グループリーグを省略の上、1回戦からホーム&アウェイのノックアウト方式ってことになりました。

かなり無理を重ねて開催にこじつけたわけで、あれやこれやと、クラブにとっても、選手にとっても、オーディエンスにとっても、何より(株)ヤマザキナビスコ様におきましても、何かとデメリットを否めなかったわけですが、世の中、楽ありゃ苦もあり、苦もありゃ楽もある。想定外の副作用が発生することもあれば、思わぬ「不幸中の幸い」が転がり込んできたりもします。

2011年シーズンのナビスコカップで言えば、初っ端から一発勝負になったことで、「カップ戦仕様のメンバー構成」が減り、多くの試合で、リーグ戦と同じ面子同士の戦いを見ることができました。この試合でも、「ベストメンバー規定上のベストメンバー」が見れました。

そういう、いわゆる「ベストメンバー」の中でも、ひときわ輝きを放っていたのが、我らが中村俊輔

以前にも同じようなことを書いた記憶がありますが、この選手のキープ力と展開力は本当に凄い。スタンドで見ている我々よりも視野が広いってのは、尋常ではないと思います。スタンドから見ているにもかかわらず、選手が出したパスの行き先を追って、はじめて「そんなところにフリーの選手がいたのか!?」って気づかされることって、なかなかないのですが、この試合では、複数回、そういう経験をさせてもらえました。

また、これは代表で活躍している頃から変わりませんが、俊輔の最大の武器は「キープ力」だと思います。つっついても取れないから、相手ディフェンスは、なかなか飛び込めない。飛び込めないから好きなように展開されてしまう。前半は、まさに俊輔のやりたい放題状態でした。

ただ、ヴィッセルとしても、指をくわえて眺めているわけには行きません。勇気を持ってチェックに詰めるしかないわけです。後半になるとヴィッセル守備陣は、競り合い・つぶし合いに持ち込み、俊輔を(ある程度)無力化させました。やはり、俊輔対策とは、つまり肉弾ディフェンスのようです。

さて、俊輔とは異なるスタイルで芸術性を発揮してくれるのは、鳥取の服部選手。07/02のFC東京vs鳥取で見たのですが、服部選手の場合、安全確実かつ的確なパスを味方に優しく配球し続けていました。ほとんどボールを失わないし、繋ぎ役としては申し分ない働きをしていたと思います。

というよりも、服部選手だけでなく、鳥取の選手は全体に、中田というよりは名波っぽいパス、受け手の足元にキッチリ収まるようなパスを出していたと思います。これはこれで、技術ですね。前のエントリーで例えたように梶山谷澤ラインをダウンタウンなり爆笑問題なりになぞらえるとするならば、鳥取は全体的にナイツの漫才に近かったように思います。誰にでも分かりやすいし、手数も多く、教科書に忠実、みたいな。

これはこれで、よく訓練された「芸」だったと思います。勿論この場合、「I am げい」ではなく「I have げい」なんで、自分で自分を誉めても何ら問題はありません。

こういう俊輔や、服部のような選手は若年層のヤング君にとって素晴らしい手本になるわけですが、若年層のヤング君と言えばフロンターレ。9月24日の川崎vs清水を観戦すべく等々力に赴いたときにですね、『ヤンフロ通信』なるフリーペーパーを頂戴したのですよ。「ヤンフロ」とは即ちヤングフロンターレ、要するにフロンターレの育成年代に関するトピックを集めたフリーペーパーのようです。

バルセロナと契約したナントカ君(久保君?)を輩出したことに象徴されるように、近年の川崎は随分と育成に力を入れて、かつ成功もしている模様。なんと「U12ダノンネーションズカップ優勝」なんて記事があるではないですか!

ただ「U12ダノンネーションズカップ」の凄さがよく分からないワタクシとしては、下野毛スクールのコーチとして鄭容臺氏が登場していることに、よりクリビツテンギョウしながらフリーペーパーを読み進めたわけですが、その鄭容臺コーチの記事の右上には、U15岡田優希君のインタビューが。どうやブラジルキャンプを体験したらしく、その感想を述べていたのですが、残念(?)なことに岡田君、少し小倉隆史に似ています。何が似ているか?そうです、見てくれというか、誌面を通じて想像される全体的なフォルムというか、とにかく、よく分からないのですが、岡田君の写真を見ていると、何故だかオグを彷彿とさせるのです。頑張れ、岡田君!

というわけで、Jリーグには手本になる選手がたくさんいるぞって話でした。