ワールドカップまで、あと1400日くらいとなりました。早くも胸の高鳴りが押さえ切れません。一方、いつだったかに、アフリカ方面で行われたワールドカップなど、もはや過ぎ去ったお話。記憶も風化して、おぼろげなイメージが残っているのみとなりました。
そんな、忘却の彼方から、微かながら覚えているあれこれを引っ張り出すと、そういうや、韓国代表に選ばれたJリーガーがいましたよね。1人は鹿島のCBだった人。京都のCBや磐田のFWは、コンディションやらの問題で外れましたが、もう1人、Jリーガーの中から南アフリカへの切符を手にした選手がいました。
キム・ボギョン選手。なんとJ2の大分に所属しています。
それもこれも、ほとんど全てリなんちゃらマンショックの、思わぬ副作用ですね。韓国の方々にとっては大変な出来事であっただろうウォン安も、Jリーグに限定すれば、恩恵の源泉になったようです。
さて、大分には2列目のキム・ボギョン選手(10番)の他に、トップのチェ・ジョンハン選手(9番)、3列目のカン・スンホ選手(24番)、最終ラインのチャン・ギョンジン選手(3番)と4人のコリアン系の選手がいます。
ポジションについては、横浜FC戦のものでして、今は多少、変化しているかもしれません。
ともあれ、4人いるわけですね。このうちカン・スンホ選手(24番)だけ、表記が漢字。ワタクシの携帯の変換機能では出てこないのですが、「朝まで生テレビ」とかでお馴染みの東大教授、カン・サンジュンさんの、あの「カン」の字ですね。
これは一体どういうことかと、いろいろ携帯をいじってみたところ、この選手は、選挙権こそ与えられていないものの、基本的には日本で生まれて、日本で育った方のようです。いわゆる在日枠。
そんなことは、大した問題ではなく、ここでワタクシが感じた印象は、九州のクラブにコリアン系の選手が4人もいるって良いことだなぁ、というものです。なんといっても、九州というのは、地理的に、文字通り、日本と朝鮮半島の架け橋になる地域ですからね。
昔、秀吉マニアの友人と九州を旅行したとき、名護屋城に行きました。どうやら秀吉が朝鮮半島に軍隊を派遣したときの前線基地だったみたいですね。名護屋城跡は博物館になっているのですが、そこの展示のスタンスが、なかなか刺激的だったりします。前提として秀吉のことを悪者として描いているっぽいんですね。
なぜ秀吉が悪者なのか、と言えば、そこの博物館は、朝鮮半島の視点を大切にしているからのようです。日本人から見れば秀吉の武勇伝であっても、当時、朝鮮半島にお住まいだった人たちにとっては、大迷惑だったに違いありません。
もちろん、日本人をネガティブに描き出す展示法については、いろいろ賛否両論あることでしょう。ただ、こと、ここの博物館に限っていえば、どうしてもそういう目線にならざるをえない。
なぜならば、来館者の多くが、韓国から観光にいらした旅行者の皆さんと見受けられるからです。ワタクシが参観したときも、(日本で言うところの)修学旅行に来ていた団体客がいて、その少年少女たちはハングルで談笑していました。
九州って、つまり、そういう地域ですよね。
よそ者の勝手なイメージでは、大分の場合、瀬戸内海の方向に視線をやり、大陸にはお尻を向けている感もなくはないですが(あくまでイメージです)、やはり九州は九州。サッカーを通じた日韓交流、別に韓日交流でも良いですが、とにかく地域性を生かした両国交流を活発にやっていただきたいところです。
もっとも、韓国との交流という意味では、圧倒的に福岡なんでしょうけど。
以前、Yahoo!ニュースで、日本と韓国を結ぶ定期船が就航したとか、廃止されたとか、赤字だったか黒字だったかみたいな記事を読みました。だから、アビスパがコリアンカルテットを形成していたら、より「っぽいよね」感が出ていたかもしれません。
また大分には、せっかく中津江村があるんですから、「第2のエトーを探せ、チキチキ・カメルーンの若手をスカウトしよう大会」みたいな風に、外国籍はさしあたりカメルーンから探す的な方針があっても、「っぽいよね」感が出るかもしれません。当たり外れが激しいでしょうし、スカウト網を維持するのに膨大な費用がかかりそうですが。
いずれにしても、大分は、折角どん底なんですから、どん底のときにしかできないような、思い切った、ある意味、劇画的なチャレンジをして、どん底状態を逆に楽しんでもらいたいですね。
また、通貨レートの差を利用できるうちに、どんどん韓国籍選手には来日いただいて、いろんな刺激をJリーグに与えていただきたいところです。