おいおい、マジで3バック実現??(挨拶)
この前の日曜日は、実に地味なダービーが行われました。
皆さん、大宮とか新潟とか清水とかがマッチアップする試合を何て呼びますか?そうですね、オレンジダービーですね。何故だいだい色だけダービーをつけるんですかね?別にフロンターレとジュビロの試合を水色ダービーって呼んでも良さそうなのに。
…なんてことを言うと、浜松の手前(関東目線)方面から、「あれは『サックスブルー』であって水色ではない」なんてお叱りをうけそうですが、ともあれ、だいだい色だけが特別扱いを受けることに義憤を禁じ得ません。ええ、「義」の意味を全く理解していないからこその暴言でございます。
そんなわけで、ヴェルディと岐阜の緑色ダービー、、、語呂が悪いですね、グリーンダービーでしょうか、、、これまたセンスの欠片もないネーミングになりました。さしあたり、ミドレンジャーダービーにしておきましょう。
さて、チームカラーこそ共通していますが、イメージは正反対の両チームですね。一方は伝統だけなら売るほどある低予算クラブ、もう一方は新興の低予算クラブ。
あ、低予算も共通していましたね。低予算の歴史と伝統はだいぶ違いますが。低予算の伝統だけは、岐阜の方が、吐いて捨てるほど保有してます。とにかく、同じミドレンジャーかつ低予算なクラブでも、こんなにも強化の方法論が異なるものか、と。
岐阜は金もなければ信用もない。そこにあるのは今西さんの経験だけってところからリスタートしてますから、涙ぐましい裏技スカウト活動をしてます。まずは、JFL以下の社会人リーグから、「使える選手」をリクルートしてますね。有名なのは秋田選手ですが、嶋田選手や橋本選手も、その範疇に入るでしょう。中でも、この試合では橋本選手に目が奪われました。
この選手は、「ボールを止めて、自分の姿勢を作って、インサイドキックをジャストミートする」っていう一連の動作が抜群に上手い。プレー経験のないワタクシにも「基本に忠実」な選手だと、容易に推察できます。蹴った脚のフォロースイングとかは、まさに練習風景でよく見るタイプのヤツです。
岐阜の、もう一つの強化策として「地味な大学から非エリート選手をピックアップする」ってのがあります。代表的なのが、この試合でも先発出場していた村上選手と佐藤選手。村上選手、なんと国立大学法人のご出身、しかも泣く広島っ子も黙る名門。確実に偏差値高いです。きっと連立方程式とかスラスラ解けるに違いありません。「どちらかといえば白樺派が好きじゃけん」とか言っていること請け合いですね。
一方で信頼と伝統のヴェルディさんは、「金がないなら、ユースから引っ張ってくれば良い」って話ですね。先人の努力はウソをつかないのです。中でも、「すぽると」的に絶賛プッシュ中なのが高木3兄弟。なんといっても、お父様の前所属はスポーツカートリオなのですから運動神経が悪いわけない。
この日も高木jr.の2号だか3号だか(33番の選手ですね)が先発出場しておりました。お父様も万能勤労型選手だったように、息子さんも、雰囲気的にマジメで爽やかな好青年。確実にママさん受けは良いでしょう。羨ましい。
一方で、同じくヴェルディ期待のユース育ち選手として、高木jr.とは正反対の個性を煌めかせているのが河野選手です。この選手は、ふてぶてしく自信満々な天才型っぽいオーラを振りまいてます。「敬語って何ですか?」みたいなヤンチャくれに、遠目からは見える。でも、圧倒的に上手い。高い位置から下りてきてボールを貰ったら、まずミスなく、美しいパスやらサイドチェンジまで持っていく。家長系?
好青年な高木jr.とヤンチャくれ河野、対照的な2人が美味しいところでフリーキックのチャンスを迎えたらどうなるか。2人の身振り手振りを先入観満載に解読すれば、
高木「割とボク、この位置は得意だけど…」
河野「あん?俺様河野だけど?シッシッ、邪魔すんじゃねぇ」
高木「う、うぅん…」
みたいな遣り取りが前半35分くらいにありました。
そんな河野様にも勝てない相手がいます。いまやミスターヴェルディといっても良いでしょう、平本選手です。ヤンチャ具合では五分だとしても、タッパがだいぶ違いますし、くぐってきた修羅場、残してきた武勇伝、裏切ってきた期待の数が違います。そう、歴史と伝統が違うのです。
後半開始直後のフリーキック、平本選手に威圧された河野選手は、一目散にスゴスゴ退散。睨まれたカエル状態の高木jr.がカモフラージュに入り、俺様様平本選手が豪快に蹴り込みました。結果を聞くのは野暮ってもんです。
ちなみに平本選手、この人の「日向君ドリブル」は、本当に迫力満点です。ボールを貰ったら一直線にゴールへと。まさにこういうのを猪突猛進という。
ブルドーザー平本様様に、天才河野様、さらに万能勤労戦士高木jr.。加えて、使われる側として感動的に走り回り、尚且つ平本のお守りもできる飯尾。
ヴェルディ攻撃陣のカルテットは、『スラムダンク』的な魅力に溢れてますね。
そして不協和音を生じさせることなく、個性の強い面々を操縦しているのが川勝監督。見てくれはともかく、「稲城の安西先生」の称号に値するでしょう。「鬼」だった過去も含めて。
・・・ん?
試合内容?
いやぁ、傾斜のない専用スタジアムって、「臨場感がある」という長所の反面、「全体像は把握しづらい」ってのもあるじゃないですか、みたいな。