キャラ変〜FC東京vs鳥栖(8/1)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□試合前

FC東京というか、味の素スタジアムの城下町といえば飛田給ではなく調布。コロナでない状況で、「飲んで帰ろう」となれば、いったん調布にいく。混雑するので国領や仙川の鳥貴族に行くという選択肢もある。それはともあれ、その調布の再開発が止まらないのですよ。ジャマな踏切が地下での立体交差になって、地上部分の再開発がひとしきり完成に近づいている。

それはそれで結構なのですが、なんかね、パルコが歪んでいるんですよ。もちろんピサの斜塔みたく物理的に歪んでいるわけではないのですが、再開発前の調布に馴染んだ身として、駅前のランドマークがパルコ。線路を挟んだ向こう側がグリーンホール。駅出口とパルコの位置関係で調布の地図イメージを作っていた。でも、もはや、「改札でたら、ドンっとパルコ」でなくなったので、駅前の風景が全体的に歪んで見えてしまうのです。

 

□両チームの現状

え〜と、FC東京ですね。スタートダッシュ的には可もなく不可もなく、いかにもFC東京らしい平常運転。なんですけど、東が故障離脱しちゃいましたね。それから橋本がロシアに飛び立った。U23がリーグ参加を辞退したので、三田も含めて、駒数が足りないということはないと思うんですが、職人的な働きのできる選手が不足していますね。今シーズン、ブラジル人トリオの個を日本人選手の献身が支えるというイメージでチーム作りしてきたと思いますが、そこの部分で献身性担当が足りないかもしれません。

一方の鳥栖ですが、なんか『101回目のプロポーズ』状態。武田鉄矢浅野温子を好きになって、結婚指輪(婚約指輪だったかも)まで買って、でもいったんフラれて仕事も指輪も捨ててしまって、「もう、ボクには何もありませんよ」と浅野温子に問いかけた名シーン。鳥栖の社長さん、たぶん、現在、こういう感じですよね。ただ、武田鉄矢はそれでも、いや、それだからこそ浅野温子と結ばれた。きっと鳥栖も「僕は死にましぇ〜ん‼」ってなるのでしょう。

 

□ピッチ上の両チーム

さて、オンザピッチ。FC東京は442なのか433なのか定まりきっていない今シーズン。この試合では、一応、433だったんでしょうか。高萩アンカーの。ただ、流れのなかで、守備を整えていると、なぜかディエゴオリベイラがセンターサークルにいることも多くて、ほぼ中盤ダイヤモンドの442に見えるような時間帯も多かった。ほんの少しだけ、立ち位置だけみればヴェルディっぽかったりもする。哲学は正反対だけど。

アウェイの鳥栖は、こちらも433なのか442なのかって感じですが、442だったでしょうか。サッカーの内容ですが、ちょいと前『フットブレイン』で岡田武史さんが「中央突破を抑制して、サイドアタックばっかりやってれば、カウンターをうけないから、勝つんですよね(未来がないけど)」みたいなことを言ってて、この試合の鳥栖は、まさにそんな感じ。サイドから攻めてシュートで終わるを愚直に追求してました。

 

□注目点

ワタクシ、高萩のことが好きだったりします。好きと言ってもそういう意味ではなく、と中学生みたいなことを言ってしまう程度には好きです。そんな高萩、年々、長谷川監督の序列が下がっている模様。おそらくそれは、年々高萩が家長化していることと関係があるのでしょう。尤ももともと高萩は家長と雰囲気が似ている。一方、家長は年々家長化している。それゆえ、家長の家長化に比例して、高萩も家長化しているように思うのです。

家長化とは、一言でいうと「舐め腐った悠然」。ボールを取られないという自信があるからか、家長って、他の選手と違う競技をしているのかってくらい、ゆっくりとプレーする。それが年々、より顕著になってる。高萩も、そういうタイプ。ただ、家長と違って高萩はボールを失うんですよね。それから、相手に飛び込む気力を失せさせてしまうようなオーラというか、凄みも違う。三田の序列をみても長谷川監督は、家長系のプレーへの評価点が高くなさそう。東や橋本みたいに、キビキビ走り続けるってことが求められるんでしょうけど、さすがにキャラ変も簡単じゃないと思われますので、なんにせよ、もう一発奮しておくれ。

 

□試合展開

試合としては、比較的スコアが動く試合でした。まず試合を動かしたのは、鳥栖の若武者・石井。鳥栖は数撃ちゃ当たる的に攻めてましたが、昔の人というのは人生の真理を付いた格言を残すもんですね。数撃ちゃ当たるんです。とはいえ、FC東京も黙っていたない。レアンドロが、「えっ! そこからそのコースに蹴って決めてしまうの⁈」ってフリーキックを放り込んで同点に追い付く。ただ、鳥栖はこれまた若武者な森下が練習でも決まらないようねミドルを突き刺して、リードを奪い返す。そんな前半戦でございました。

後半もスコアの動く展開は続きます。まずは鳥栖がデザインされたセットプレーから東京を突き放します。で、そのまま鳥栖は逃げ切りモード。FC東京は総攻撃。両チーム合わせて9人の選手交代が繰り返されるなか、終盤、「いやん、高丘、困っちゃう〜」みたいなゴールでFC東京が1点差に追い上げながらも、決定的なシーンでのシュートミスも重なって、鳥栖に逃げ切りを許しました。

 

 

渡邊新の真価とは。〜東京Vvs新潟(7/29)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□試合前

ワタクシの記憶が定かならば(『料理の鉄人』の鹿賀丈史風)、東京都立川市といえば、今世紀初頭に繰り広げられたFC東京東京Vによる多摩地区争奪戦において、いち早くヴェルディ領化した自治体だったように思うのですが、現在はどうなんですかね。ってなわけで、試合前に久しぶりに立川へと立ち寄ってきました。「グリーンスプリングス」なるニュースポットへ、夕食がてら。

それにしても立川の開発が止まらない。思わず「止まらない柏♪」と口ずさみたくなるくらい止まらない立川。イケアとかなんと、ここ10年くらいで次から次へと駅前が再開発されていく。それだけ再開発できる土地が余っているということですが、ここで勘違いしてはならないのが、立川に土地が余っているのは、田舎だからではなく、米軍をはじめとする軍用地銀座であったから。返還されて、一つ一つ丁寧に再開発している印象を抱きながら南武線から京王線に乗り継いで飛田給を目指します。

 

□両チームの現状

対戦する両チームについて、ホームの東京Vは、さほど負けてないのですよね。もはや昨シーズンと思って差し支えない開幕の徳島戦と、絶好調時の大宮、この2試合です。まあ、7戦して2敗ですから、悪くはない(良くもない)。にもかかわらず14位。引き分けが「3」と少し多い。ちなみに引き分けが一つ勝利であれば、8位。そこまで極端にジャンプアップするわけではないですね。まあ、7戦2勝の順位ということです。

アウェイの新潟は、ワタクシ的には予想外の好調。今年も含むここ数年のトレンドとして、攻撃サッカーを志向する戦術家タイプの欧州系指揮官を迎えると、けっこう苦労する印象が強い。そのなかで5位に付けているのは、まずは素晴らしい。しかも3ー3で引き分けたり、3ー5で負けたりのバカ試合をやらかしたからと思いきや、ここ2戦はスコアレスドローとウノゼロ勝利ですからね。比較的、修正能力の高い、柔軟なタイプの指揮官なのかもしれません。

 

□ピッチ上の両チーム

さて、キックオフ。東京Vは例によって井出がISHで、井上潮音がウイングという左サイドコンビ。これって、どういうことかというと、一般的には配球役がボールを持つと、それを外から追い越していく。で、そちらに気をとられてスペースができるとインナーラップを繰り出していくってのがパターンですが、この組み合わせだと、まずインナーラップありきで、それを補う手段としてSBの大外オーバーラップが位置づけられることになる。いうなれば、「インナーラップの構造化」ともいえる現象が発生するのですね。面白い試みですが対策されてからどうするかが気になるところです。

対する新潟、ボールを持たれるものと予想していてのですが、存外、そんなこともなく。尤もそれは「ポゼッションで負けていない」というより、「相手にポゼッションさせない」という部分が優れていたから。永井さんが志向するのは、大きく言えばポジショナルサッカーで、多くの場合、ポジショナルサッカーは攻撃における優位性をポジショニングで作り出そうとするもの。それに対し新潟はポジショニングによって守備での優位性を作っていた。「ポジショナルディフェンス」という造語を作りたくなるスタイルでした。

 

□注目点

5人交代制になってから、まだまだ慣れないですが、少しずつその楽しみ方もわかりつつあります。それを実感させてくれたのが、この試合の新潟の選手交代。同時に3枚替えしてきたのですが、そのうち2枚はファビオとシルビーニョという、言わば飛び道具。ただ、3枚目に選ばれたのが、いぶし銀・島田というのが心憎い。攻守のバランスを考えるというのは用兵の常套ですが、オーガナイズのバランスも整えるというのは良いですね。

で、前線で先発した選手のうち、ピッチに残さたのは中島と渡邊新。中島についてはレンタルされてすぐですので、いわば、「お手並み拝見」的な要素もあったのかもしれませんが、渡邊新については期待されているというか、アルベルト監督のサッカーにおける戦術的なキーマンなのでしょうか。正直、ボールを持ってからのプレー選択にハズレが多かったような気もするのですが…

 

□試合展開

試合の方は、ポジショナルな攻撃を、ポジショナルな守備で受け止める、詰め将棋のような展開でハーフタイムを迎えましたが、「おっかしいなぁ、こんなはずじゃないんだけどなぁ」って焦れていたのはヴェルディの方ではなかろうか。メンタル的な充実感は新潟にあったと思われる前半戦でした。

後半に入るとヴェルディはそれなりに微修正に成功した、「まんまとパスカットされる」というシーンは激減しましたが、両チームともにこの試合では決定力を欠いたため、詰め将棋状態は続く。そのなかでスコアを動かしたのはヴェルディコーナーキックに高橋がヘッドで合わせます。で、そこからは往年のヴェルディらしい、“舐め腐った(褒め言葉)”逃げ切りモードにはいるのですが、ロスタイムに決壊。ロングスローから、件の渡邊新が足を振り抜いて同点に追いつきました。…渡邊新、ワンタッチゴーラーということか?

 

“映える”試合〜東京ヴェルディvsヴァンフォーレ甲府(7/15)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

有観客試合ですね。都内では感染者が多く出ているので、いろいろ躊躇するところが全くないわけではないのですが、都内から都内への移動ですし、ここは堂々と。ということで、渋谷から井の頭線、明大前から京王線に乗り継ぎます。15年ほど前までは毎日乗っていた京王線。もはや、「区間急行」の意味がさっぱりわからない。「この電車はつつじが丘あたりで準特急に抜かされるのか?」なんて疑問を抱えながら調布で途中下車。常に『孤独のグルメ』状態なので、勝手にソーシャルディスタンスは守られるし、飛沫が飛んでくるようなシチュエーションも全く発生しないっつうわけで、怯まず外食。「CAFE BunS」で軽食を済ませます。調布が誇るモツ焼きの一大勢力「い志井」系列のアメリカンダイナー風カフェ。ミックスピザは貫禄のクオリティでございました。

 

□両チームの現状

試合に先立って両チームの状況を確認すると、まず東京ヴェルディは監督が永井さんですね。志向するスタイルが風間さんとかぶる印象があります。その割に風間さんほどはアンチにストーキングされていないような気もする。「出る杭は打たれる」と言いますが、 永井さんの場合、まだ「出る」に至っていないということでしょうか。あるいは、現役の頃から太客なタニマチがスポンサーにいることで有名ですが、そちら方向からのゴリ押しがありそうな雰囲気も仄かに漂う。そういう意味では風間さんというよりも秋田さんとかラモスさんに近いのか?

対するヴァンフォーレ甲府の監督は伊藤彰さん。佐久間さんがフロントの実質的トップだけあって完璧なアルディージャ閥。別に閨閥が自動的に悪いわけではないので、手腕で評価したい。では、その評価はどうか。この試合では随分と大胆なターンオーバーをしてきました。まずは、その胆力に花束を。それもこれも今シーズン無敗の進軍を続けている余裕でしょうか。まあ、無敗の進軍といっても、1勝3分の勝ち点6なのですが、悪くないの範疇に入るところに付けています。

 

□ピッチ上の両チーム

試合が始まって、まず思ったのは、ヴェルディ、意外と秩序があるぞ。もっと「最後は1対1ですから」とか、「止める蹴るが完璧なら守備なんてする必要ないわけですから」みたいなポジションレスアナーキーになるのかと思っていたら、ちゃんと各人に持ち場は割り振られている模様。守備でも、きっちり532のブロックを作ってましたし(途中から4321で4-3ブロックになったかも)。

対峙するこの日の甲府は、山本英臣リベロで先発していました。ホント、鉄人ですね。中盤をやってたのは15年くらい前なんでしょうけど、いまだ、元中盤らしくボールを持ち出して、ダイナミックな配球ができるので、思わず「お前は長谷部誠か!」とツッコミたくなる。それから、ポゼッション率で圧倒されることは織り込み済みだったでしょうから、そういう時のディフェンスリーダーには焦れない強さが求められる。そこの部分でも、豊富な経験が生かされていました。

 

□注目点

この試合で注目されたのは、藤田譲瑠チマ。なんか、藤田譲瑠チマ、「ジョエル」という響きの持つ「なんかわからんけど、かっこいい」感と、「チマ」という響きの持つ、どことなく脱力的なラブリーさ、そのアンバランスに心を奪われる。そんな長谷川アーリアジャスール、じゃなくて藤田譲瑠チマ、途中からピッチに入ってきた甲府の宮崎・アジアの・純真(一瞬、宮崎幾笑かと勘違いした)と謎のグータッチを交わしました。

アプリ版エルゴラ選手名鑑をチェックしたところ、譲瑠ジャスールの一個上でFC多摩出身とあった。アーリアチマはヴェルディの下部組織出身なんで東京都多摩地区出身の可能性も十分にある。同じ小学校に通っていたご近所さんとか、そういう関係か?必然的に最寄り駅は京王永山とか京王多摩センター、意表を突いて唐木田、ワンチャン若葉台、みたいな。

 

□試合展開

試合はたくさんゴールが生まれる展開でした。まず、序盤からインサイドに流れずアウトで辛抱しながら虎視眈々とペナルティエリアを伺っていた井上潮音の我慢が報われるゴールでヴェルディが先制すると、甲府もサクッとコーナーキックに合わせた今津の一発で追いつく。

後半に入るとさらに試合は加速して、たぶん森田か誰かのスルーパスに抜け出した小池の折り返しを井上潮音がこの日2点目を決める。ケチャドバ状態になったヴェルディは、前半から「ゴール決めたい病」でもんどり打ってい井出がようやく決めて突き放すと、前半から「攻撃参加したい病」でのたうち回っていた若狭がダメ押しゴール。でも甲府甲府で、ハーフナー・マイクの落としからの流れで山田陸が押し込んで差を縮める。

ただし、甲府の追撃もそこまでで、まあ、ヴェルディの完勝といった内容でしたね。ポゼッション率で圧倒するのはいつものことですけど、ここに、人間のバイオリズムばりに気まぐれな「決定力」というマレビトがマッチすると、それはそれは“映える”試合になるってもの。7月半ばとは思えぬ肌寒さでしたが、試合は寒くなかったです。

 

 

ジェフへの期待感と柏の貫禄〜ちばぎんカップ(2/9)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

前日のゼロックススーパーカップに続いて、日曜日はちばぎんカップです。「ちばぎんカップ」「エッセルスーパーカップ」「翔んだカップ(ル)」が世界三大カップなんでしたっけ?

ともあれ千葉には少し期待感があります。なんせ、新監督がユンジヨンファン。スパルタで有名な新指揮官が沼にはまり続けているジェフを引きずり上げられるか。代名詞ともいえる朝練の成果が発揮されれば、ジャンプアップも夢ではない。ちなみに山登り朝練、千葉の場合は鋸山にでも登ったんですかね⁇

対する柏は円熟のネルシーニョ2年目。ネルシーニョネルシーニョでスパルタなイメージがありますね。昔々はラモス瑠偉と対立して、ラモスはさっさと京都に逃げていった、みたいなこともありました。そんなネルシーニョ、神戸では少しミソが付いてしまったものの、柏での成績については、まさに「信頼と実績」。なお、「ミソが付いてしまった」といえば、菊池大介。今シーズンは福岡へレンタルだそうですが、湘南の若大将も、浦和や柏では上手くいかなかったですね〜。フィジカル的な問題を抱えているとか、スランプとかでなければ、じきに復活するでしょうけど。

 

 

さて、千葉のスタメンとフォーメーションを眺めていると、オーソドックスな442なのですが、ハンパない適材適所感。クレーベと船山のツートップとか、アンドリューと田口のWボランチ、左右のSBが安田と米倉あんどーそーおん。面白かったのは左SHにレフティの堀米が入って、右SHが右利きの田坂だったことでしょうか。順足の美学といいますか、「SHは折り返しを入れる人」という役割分担が明確です。

対する柏は、4231かなと眺めていたのですが、自由に動き回る江坂の位置次第ってところもあって、彼が高い位置にいれば442っぽくなる。低い位置にボールをもらいにいくことも多かったですし、ヒシャルジソンと三原が縦関係っぽかったので、433に見える時間帯が一番長かったように思えなくもない。ただ、そうはいってもクリスティアーノと瀬川の立ち位置も非対称なんで、まあ、よくわかりません。

 

 

この日はメインスタンドで見ていたこともあって、特に後半の最初の方はジェフ左サイドの躍動に目を奪われました。なかなか殻を破れない印象もある堀米が、何度となく単独突破で推進力を見せつけると、それをフォローするのは安田理大。ユンさんのもとでどこまで絞ってくるかが注目されましたが、絞りきったって感じではなかったですかね。キレも“キレッキレ”ってほどでもなく。まあ、「もともと、あれくらいの感じだよ」と言われると、あれくらいの感じなのかも。

一方の柏で注目されたのは中盤。三原が良いですね〜。攻守において、とにかく必要なところに顔を出す感じ。カウンターの危険を察知すれば、そこを潰し、最終ラインがビルドアップに苦労していたら、パスコースを作ってあげる。ネルシーニョが寵愛する理由が伝わりました。それからヒシャルジソン。何が凄いって、体幹の強さ。熊谷アンドリューを引きずり回した上に吹っ飛ばしてましたからね、すんごかったです。

 

 

試合展開は「オルンガがおるんが!」と言わんばかりの挨拶代わり弾でレイソルが先制すると、続けざまにクリスティアーノが角度のないところから追加点をねじ込んでリードが広がります。このあたりは貫禄の差ですかね。もちろん、まだまだジェフのリトリート戦術が構築中っていところもあるんでしょうけど、それ以上に、「オルンガとクリスティアーノの個人技にやられちゃったら、もはやそれは致し方ない!」って感じかもしれませんね。「あんなん、ズルいやん!」ていう話。

ハーフタイムにはジェフ側から羽生直剛レイソル側から岡山一成がピッチゲストとして登場。「期待のベンチメンバーは?」と聞かれてしどろもどろになった岡山さんが発した、「2ー0というのは、サッカーにおいて最もスリリングな点差なんで、後半に期待です!」という言葉に胸をときめかして迎えた後半でしたが、スコアが動くようなことはなく、柏がJ1としての沽券を示しました。

 

 

試合が終わってからは京葉線越中島、歩いて門前仲町。まだ明るい時間だったので、その途中にある「カフェ・デザールピコ」でコーヒーを飲む。どちらかと言えば豆の販売に力を入れている雰囲気の店だけあって、味はとても美味しかったですね。くそ寒い中、暖を求めて入った店でアイスコーヒーを頼むという暴挙に出たのですが、一片の悔いなし。

https://cafe-pico.com/

そこから飲んで帰ろうとしたところ、さすがは下町。多くの飲み屋は日曜日休業。お腹もすいていたので、ラーメン屋でちょい飲みすることに。訪れた店は「支那そば晴弘」。とりあえず生中。そりゃ旨い。つまみはさしあたり餃子を頼む。これも旨い。〆にチャーシュー麺。うん、…うん、うんうん、いわゆる中華そば。不味くはない。もちろん。普通に旨い。というか、普通の中華そば。団塊の世代が昭和を懐かしんですする、あのラーメンのお味ですな。

https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131303/13008015/

 

スーパースルーパスに反応したグダグダPK戦〜横浜FMvs神戸(2/8)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

いよいよ2020シーズンも目の前に。というわけで、ゼロックススーパーカップへ。前座試合はパスして本番から参加したのですが、前座試合、知らないうちに、「ユース選抜vs高体連選抜」じゃなくなったんですね。まあ、構造的に「ユース2年生選抜vs高体連3年生選抜」にならざるをえなかったので、賢明な判断といえば賢明な判断。

そんなわけで午前中は散歩もかねて門前仲町をフラフラと。下町、厳密には川向かい、要するに深川、現代風に言えば江東区って、歴史を感じさせてくれて、散策にはとても良いですよね。清々(きよきよ←イジリネタとしては、古っ!)しい気持ちになりながら、お昼ご飯。カフェ飯です。「リコプラス」というお洒落で清潔なカフェで、これでもかっ!ってくらいの種類に調理されたブロッコリーの小皿をアレコレ食べて、自家製(だと思う)のパンを食べて、マロは、もう、幸せじゃぞ。

 

https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131303/13176930/

 

 

さて、両チームについてですが、まず横浜FMですけど、仙頭啓矢は?前貴之は?ってな感じ。2人ともベンチにも入れず。まあ、水曜日のACLにはターンオーバーして出てくるんでしょうけど、頼むから、どこぞのミシャの岩崎への対応みたいなことはしないでね、ポステコさん!

前貴之は…今ひとつ前寛之との区別がつかないのでWikipediaで調べたところ、貴重な「Jリーグ・アンダー22選抜」での出場キャップがある選手とのこと。頑張っていただきたい。

 

対する神戸は…そりゃ、もう「アンドレース!」ですよ。去年も横浜FMvs神戸を見て、その時はビジャ以外のVIPお二人はお休み。今回もイニエスタが出るとか、出ないとか、とにかく情報が錯綜していて、「ひょっとしてこのまま生イニエスタを見ることなく終わってしまうのかな」とさえ覚悟していたので、南北線の中でスタメンを確認したときには、小さくガッツポーズですよ、。アンドレース!そして、アンドレース‼ アンドレスフォーエバー!サンキューフォーマイアンドレス‼

 

 

この日のピッチ内のデザインを確認すると、マリノスは、『エルゴラッソ』などで表記されるように4231でなく4213。日産の鳥瞰ではよく分からずとも、埼スタだと、さすがは専スタだけあって、しっかりと把握できる。確かに仲川とエリキはマルコス・ジュニオールではなくオナイウと同じ高さにいる時間が長い。

もう一つマリノスで興味深かったのは、ボランチのボールの受けどころ。真正ボランチの喜田と扇原も、エセボランチと同じようにハーフスペースでボールを受けることが多いのですね。

 

一方の神戸は、見れば見るほどブンデスみたいなサッカー。まず、無駄に繋ぎすぎない。割り切って逃げるところは雑なロングキックで逃げる。こういうところの合理的判断は日本人が苦手とするところなので見習わなければならない。

それから攻撃におけるテンションのメリハリが凄い。全ての攻撃において全身全霊でゴールを目指すような非合理的なことはしない。状況が整ったときだけ一気呵成。これまた、日本人が苦手とするところなので見習いたいところですね。

 

 

この試合で注目されたのは、アンカー対決ですかね。神戸にはサンペール、横浜FMには扇原というアンカータイプのゲームメイカーがいて、シャビ・アロンソが大好きだったワタクシのテンションはだだ上がり。どちらかといえば扇原の方が目立っていた印象です。

そしてもう一つはGK対決。飯倉vs朴ですね。飯倉については古巣対決なんで、その時点で注目なんですけど、飯倉を追いやった朴も飯倉と同じスタイルを身につけて凌駕したからこそレギュラー奪取したわけなんで、両チームゴール前とも、とにかくGKがアグレッシブ。今どきノイアーだってそこまで極端にペナルティエリアをお留守にしないぞ!ってくらいの外回り・出張が序盤からひたすら繰り返されていた。それぞれ、相応の副作用の甘受を余儀なくされたわけですが。

 

試合展開は、まずアンドレスのスーパースルーパスに反応したドウグラスが決めたゴールで幕開け。その後、両GK劇場が取り交わされる。まずアグレッシブに飛び出した朴が相手アタッカーと交錯したこぼれ球をマルクスジュニオールが押し込んだゴールで横浜FMが追いつくと、飯倉のアグレッシブさを前提とした不用意なバックパスを古橋がかっさらって、再び神戸がリードする。これらの1点ずつが、先に述べた「相応の副作用の甘受」ですね。

しばらく「このまま神戸かな〜」って雰囲気になったのですが、そんなワタクシの心のエアポケットが神戸守備陣にも伝染したらしく、左サイドからなんとなくクロスを入れられてしまい、それをエリキ(と思いきや扇原)が決めて同点。ここから、どことなくグダグダ感が仄かに蔓延しだし、横浜FMは低い位置での繋ぎミス連発した挙げ句、イニエスタのスーパースルーパス(その2)によって山口蛍の勝ち越しゴールを献上。神戸は神戸でカウンターからあっさり仲川の突破を許し、その折り返しをさらに折り返した遠藤のラストパスをエリキに決められて3ー3に。そしてグダグダはPK戦でも収まらず、9人続けて外すというなかなかの光景が繰り広げられた結果、神戸が天皇杯に続くタイトルを獲得しました。

ドラマチック〜ルヴァンカップ決勝(10/26)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

ルヴァンカップ決勝でございます。生観戦は何年ぶりかな? まあ、楽しみ。どちらかというとチャレンジャーの立場で決勝の舞台に立つのが札幌。浦和退任後、フリーになっていたミシャを一本釣りして、成績が高止まり状態。野々村さん的にはミシャの浦和退任は「渡りに船」って感じだったと思われますが、ワタクシにとって、札幌の決勝進出が「渡りに船」。今シーズンはなかなか札幌戦との相性が良くなくて、生観戦する機会がなかったのです。「もしや日帰り札幌ドーム⁈」とかも考えていたので、ホント、渡りに船。

そんな札幌を待ち構える壁、それが川崎フロンターレ。まあ、ルヴァンの決勝はフロンターレにとっても高い壁ではあるので、どちらも壁への挑戦なわけですが。思い出すなあ、ガム…。森……。ともあれフロンターレについても今シーズンは天皇杯の明治戦しか見てないので、この大舞台で改めて観戦できるのは、渡りに船っちゃ、渡りに船。なんだかんだでリーグ戦は苦戦してますが、この成績で「苦戦」と言われるのだから、さすがは王者。

 

そんな王者川崎を向こうに回した札幌ですが、ミシャ軍団は怯んだりなんてしない。アタックを仕掛けます。攻守において札幌のキーマンとなっていたのは、ジェイとチャナティップ。この二人にボールが入ると、簡単には失わない。だから守備も体勢を立て直せる。そして、この二人には展開力もあるから、ウイングバック鈴木武蔵も信じて走ることができる。はまったときの攻撃は、とても痛快でした。

対する川崎はスロースターターなんですかね。この試合だけなのか、最近はそんな感じなのか、じっくり相手を見極めようとする序盤。その間に先制点を奪われてしまったのだから、「試合巧者、ウイニングメンタリティに溺れる」みたいなことになりかけました。鹿島やブラジルみたいに序盤を見極める時間にするなら、もう少しセーフティファーストに、例えば大きく蹴るってことを増やすとか、そういう感じでも良いのかな、なんて思ったりもする。パスサッカーのDNAがそれを許さないのかもしれませんが。

 

ともあれ、先制したのは札幌。右サイドからのクロスが抜けて、最後は大外でフリーになっていた菅が豪快なダイレクトボレーを叩き込みました。もう少しミートが綺麗だったら完全にウイニングイレブン状態でしたね。そこからは川崎が攻めまくります。バーやらポストやらに直撃させまくります。なかなかゴールラインを割れませんでしたが、前半のロスタイム、ラストプレーのコーナーキックからの流れで阿部が蹴り込み、前半のうちに同点となりました。

後半に入ると少しずつ札幌がカウンターをしかけることが増えていきます。そしてさらに勢いを加速させるべくミシャ監督はアンロペ(アンデルソンロペス)とルーフェル(ルーカスフェルナンデス)を投入。負けじと鬼木監督は切り札としてとっておいた中村憲剛と小林を続けざまにピッチに送り込みます。しかも、その小林が勝ち越しゴールを決める。これで勝負は決まったかな、と思いきや、後半ラストプレーのコーナーキックで札幌が追いつく。カップ戦の決勝らしくドラマチックです。

 

延長戦に入ると、試合はさらにドラマチックに。チャナティップがカウンターから爆走すると、谷口が決死のディフェンス。イエローカードが提示され、フリーキックの準備をしていると、VAR発動。決定的なレッドカードはVARの対象ということで、谷口へのカードは赤色に変わり川崎は1人少ない状態に。しかも、それだけにとどまらず、直後のフリーキックを福森に決められます。まさに悪魔の左足。これ以上ない“恩返し”で川崎を奈落の底に突き落とします。1人少なくて、さらにリードされる。さすがの川崎も絶体絶命に。

それでも、まだまだドラマチックは終わらない。いや、ロマンティックが止まらない。胸が胸が苦しっくなる〜♪(苦しくなる)。コーナーキックからの混戦、最後は再び小林悠。千両役者というか、なんというか。正直、中村憲剛小林悠が入ってから、リズムとしては少し微妙になったところもあったのですが、それでも決めるときは決める。

 

そんなわけで、試合はとうとうPK戦。いやぁ、一喜一憂ですね〜。正直、テレビや録画で見るときは、PK戦に突入したら、後は見ないのですね。「公式記録的には引き分けでしょ!」ってのもあるし、「サッカーの醍醐味はそこじゃない気がするし」ってもあって。でも、生でPK戦を見ると、やっぱり、そこに勝ち負けのドラマがあるし、サッカーの醍醐味ではないかもしれないけれども、勝敗の醍醐味はあるんだなぁと強く感じた次第です。

で、そのPK戦でヒーローになったのが新井。いつの間にやらチョン・ソンリョンからレギュラーを奪ったいぶし銀。スタンドのフロンターレサポーターのなかには、「新井〜」ではなく「新井さん」って叫ぶ面々も少なからず。メインスタンドにいて、音響が微妙でジョン川平のインタビューが聞きづらかったのですが、なんとも愛らしい表情が素晴らしかったです。ちなみにメインスタンドにいるとセレブレーションもよく見えないってことに、今更ながら気づきました。

 

あと少し〜千葉vs徳島(9/22)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

千葉も徳島もスペイン語やらポルトガル語やらを母国語とする指揮官に、同じような時期から率いられるようになって、ともに「理念や哲学には一目置くべきものがある」との定評を得つつも、「でも、言うほど結果が伴っているわけではないよね」ってところが共通していたりします。

そのうち、先に大ナタがふるわれたのが千葉。まあ、白米ってのは、古代の出挙米の論理に端的なように、「神の恵み」そのものですからね、いくら科学的裏付けがあるといっても、日本人に「白米禁止!」って言うのはヨーロッパ人に「ミサに行ってもサッカーは上手くならない。時間のムダで、非科学的だから、ミサ参加禁止!」って一方的に押し付けるようなもの。そりゃ、結果も出ないし、求心力も維持できないってものです。

千葉の悲劇は、早めに劇薬投下したにもかかわらず、その後も低空飛行が続いてるところ。神戸の吉田前監督もそうですが、第一次政権が悪くなかったにもかかわらず、座を追われ、そして再招聘された元レジェンドな監督って、二次政権で評価を落としてしまう傾向にあるような。

 

 

この日の午前中は千葉駅界隈を散策してました。厳密には「京成千葉駅」ですかね。いろいろ地図を見ていると、京成線はかなり近い距離感で「千葉中央駅」「京成千葉駅」「新千葉駅」が軒を連ねている。この3つの駅を徒歩で移動してみれば、千葉駅界隈の秩序がなんとなく理解できるのではなかろうかと、散策してみた。もちろん、ランチも食べるわけで、チョイスしたのは千葉中央駅近くの「宗庵」という豚骨ラーメン屋さん。背脂が特徴的ですが、大局的には王道の豚骨ラーメン。おいしかったですよ。

ちなみに千葉駅近辺に密集してドミナント展開しているのは京成の駅だけではなく、QBハウスも同様。自慢じゃないですが、ワタクシ、QBハウスが今ほど市民権を得ていない頃から、おそらく少なくとも15年近くはQBハウスのヘビーユーザーです。というかQBハウス以外のどこで髪を切れば良いかがもはやわからない。この日も千葉駅界隈にいくつもある選択肢のなかからペリエ駅ナカ店でサッパリしてもらいました。

 

ってなことでキックオフ。千葉の先発ラインナップを眺めていると、ベテラン選手とか、ボランチもこなせる選手が多いですね。こういうパターンって、あまり良い印象がない。というのも、ベンチが確固たる羅針盤を持たないまま、「あとはピッチで解決してくれ」と丸投げした場合に発生しがちだから。攻守に気が利いてバランス感覚であったり戦術眼に優れている選手って、ベテランかボランチだったりすることが多い。なので、そういう選手が多く起用されているときは、少し怪しいのです。

対する徳島は3421で両WBに杉本と岸本が起用されていました。どちらも元々はストライカータイプですよね。日本代表に例えるなら宮市(あるいは原口)と伊東純也が両WBで起用されているようなイメージなので、相当に攻撃的です。そんなわけなんで、攻撃時に5トップになって、自動的に5レーンも作れてしまう。ただ、5レーンが作れることと、「適切な距離感で三角形ができる」ことは、必ずしもイコールではないらしい。

 

ともあれ、攻撃的な両WBですから、千葉としても突きどころは明確。特に岸本の裏なスペースを何度も為田が攻略していました。突破してからの工夫に物足りなさはありましたけど、総じて千葉がイニシアチブを握る。徳島のカウンターも含めて前半からゴール前での迫力溢れる展開が繰り広げられ、その中で徳島がPKを献上。クレーベがしっかり決めて、千葉リードでハーフタイムを迎えました。

後半も概ね千葉が試合をコントロール。そのままリードを維持しつつカウンターの質を上げるべくゲリアを投入し米倉を1列上げる。徳島は徳島で藤田征也を右WBとして投入し、岸本をトップにスライドさせます。それでもスコアは動かずバイスを前線に上げてパワープレーモード。その一気呵成が実って藤田が殊勲の同点ゴールを決めて、ドロー決着に持ち込みました。

 

それにしても徳島の攻撃サッカーは面白いですね。特に実質5トップに加えて6人目の男として内田が突撃してくると、がぜんセクシーさが増します。そのような総攻撃サッカーを支えているのがボランチ陣のバランス感覚。いつもいつも思うのですが、岩尾って本当に良い選手ですよね。突き抜けたパンチに欠けるとはいえ、パスの正確性、視野の広さ、プレー選択の適切さ、それからポジショニングのバランス感覚。いつ見ても惚れ惚れします。

徳島の攻撃サッカーで惜しむらくは、抽象的になりますが、擬音にして“ポンポン感”が不足しているんですよね。ほぼ必ず「ボランチ→WB→折り返し」という手続きを踏むので、カウンターなんかで、「最小タッチ数でシュートまで」という動きが整備されていない。なんか、“一辺倒”感を否めないというかメリハリが不足しているというか。藤田の同点ゴールは、サイドアタックではありましたが、縦抜けのところで勝負を付けていて、そういう縦へのチェンジオブペースが加わると、昇格も見えてくるのではないでしょうか。

 

興奮のルツボ〜鳥栖vs仙台(8/31)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

いや、ホントはね。7月だったかに川崎vs鳥栖を観戦するつもりだったんですよ。でもね、その試合、一般販売開始日には指定席がソールドアウトになっていましてね、で、ちょうど夏休み旅行で九州に行く予定があったので、急遽、スケジュールに組み入れたのが、この試合。じゃあさ、おらへんやん、トーレス。謙虚に日本のサッカーのみならず日本文化へも順応してくれたとの評判高いトーレスですけど、だったら、いやあ、日本の夏休み文化というものも尊重して欲しかったなぁ。この日は8月31日、(少なくとも我々アラフォー世代の時代には)ある意味、子どもにとって最も印象に残る一日、つまり夏休み最後の日。やっぱねー、日本文化を尊重するなら、この日までは現役を続けてくれても良いじゃない〜!

 

というのは、完全に自分が8月31日に試合を見るからという個人的理由を一般化して逆ギレしているだけなのですが、逆ギレついでに続けると、前回来たときも思ったのですが、駅スタのスタグル広場的なところって、なんか、今ひとつ魅惑的でない。あくまでワタクシ個人の感想であり、効果効能を保障するものではないですけど。その最大の理由は、「どこで食べればよいかわからない」ってことだと思うのですよね。広場の向こう側のホール的なところの階段には座れそうなんですけど、平塚や甲府に比べて、「まあ、どっかに座れるでしょ!」って安心感がない。FC東京が青赤横丁の改善策を考えるべくアンケートをとった結果、要望の圧倒的多数は「座れる場所を増やしてくれ」だったというのは、エルゴラッソだったかオンライン媒体だったかのインタビューで責任者さんが述べている。ってなかで、むしろ鳥栖では数年前より椅子の数が減っているような感さえする。ワタクシが読んだ記事をチェックする程度のことは、当然、フロントさんはやってなくちゃいけなくて、にもかかわらず敢えて椅子数を増やさないとすれば、どういうつもりなのか知りたいですし、担当者が青赤横丁の記事をチェックしてないとすれば、「そもそも(裏方としての)プロフェッショナルとは?」ってところに疑問を禁じえなかったりするって話です。

 

まあ、そんなことは気にしない。サッカーを見るのです。鳥栖と仙台ですからね。それはそれはミラーゲームになるわけです。今回に限ればシステムも同じ442で、ベースはリアクションサッカーというか、どちらかといえば“弱者の戦術”。案の定、息の詰まるカウンター合戦だったわけですが、ただ、本来的に目指している志向性についてはいささかの温度差があって、たぶん、仙台の方がポゼッション志向が強くて、鳥栖はよりピュアな堅守速攻志向だったように思われます。

そんななかで異彩を放っていてのが、両チームの助っ人外国籍選手。鳥栖のイサッククエンカについては、もはや攻撃に関するありとあらゆるプレーが異次元。対する仙台の外国籍選手も、クロスの跳ね返し加減がえげつなかった。キムタク(あるいはホリ)でなくとも、「ちょ、待てお!」と愚痴ったに違いない。

 

ともあれ、そんなわけでカウンターの応酬だったわけですが、そのなかで先制したのは仙台。速攻からのワンチャンを道渕が決めました。仙台は2〜3列目から斜めのグランダーで鳥栖最終ラインの裏を攻略してましたね。これで鳥栖が攻めに出る。そうすると、ポゼッションへの指向性の度合も含めて、全くのミラーゲーム状態が発生して、鳥栖オフサイドでゴールが取り消されたり、仙台はジャーメインが超決定機でミスったりしながら、ハーフタイムを迎えました。

 

後半の開始とともに鳥栖は松岡に替えて小野裕二を投入します。あまりワタクシの交代予想って当たらないのですが、珍しくこの交代は予想通り。期待の若武者松岡も、少しこの日は精彩を欠いていましたね。なんか、もっと若者らしく怖いもの知らず感全開でやって欲しいというか、「何も迷わず、オレはこのプレーをするんだ〜! うおおおおお〜〜」って雰囲気が足りませんでした。それから鳥栖は後半開始からクエンカと金森の位置を入れ替えました。たぶん、後半が本来のカタチ。金森がトップで、クエンカが左サイドに。一般的に視野の広さとかパス能力を生かすのであればセントラルの方が好適ってことが多いのですが、この選手はそうではない。なんせ、左サイドから右サイドまで一瞬で視野に入れて、一発のキックで逆サイドにボールを届けてしまう。クエンカの能力を最大限に生かすのは真ん中ではなくサイドの模様。

 

展開は、鳥栖が圧倒的に攻めたてます。攻めたてて攻めたてて、それでも仙台は跳ね返す。仙台というか「島尾、待てっ!」が跳ね返す。それでも、そんな島尾との肉弾戦から逃げることなくカラダを張り続けた金崎にご褒美が用意されていました。相手DFとの駆け引きを制してPKを獲得すると自ら決める。そして、それでより勢いづいたチームのテンションそのままに、流れの中から金崎が2点目をねじ込み、鳥栖が大逆転しました。激アツでしたね〜、エモかったですね〜。興奮のルツボとなった駅スタを去って、ワタクシはホテルに戻ったとさ。

 

選択肢のあるカウンター!〜横浜FCvs鹿児島(8/24)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

横浜FC、今シーズン後半最大のトピックは、「ホームタウンの誇りのお弁当が、某政治家の不買宣言により、かえって爆売れ!」ではなく、横浜が生んだ天才がユニフォームの色を薄くして港町の丘の上に帰ってきたことですね。彼はずっと三ツ沢愛を公言していて、もとの所属チームは、あまり三ツ沢の丘の上でゲームを開催しなくなっている現状、帰るべきところに帰ってきたような感がなきにしもあらず。彼がトリコロール少年だった頃とは違い、マンションからスタジアムを覗き見する風景は失われましたが。

徳永悠平が長崎に帰ったり、古い事例では元グランパスの福田が愛媛に加入したり、キャリアの晩年に故郷のクラブに里帰り入団するというのは、ときどきある話。鹿児島でいうと遠藤保仁ですよね。このままガンバで綺麗な幕引きを図るのか、それとも下位カテゴリーで故郷に錦を飾るのか。もっとサプライズがあるとすれば大迫! ただ勇也の方は、まだしばらくJ2には来ないでしょうから、あるとすれば希の方ですかね。カテゴリー的には昇格ってことになりますけどね。

 

この日は日中、箱根なんぞへ出掛けておりました。祖父が(当時としては)一世一代の大旅行として両親を連れて行ったと、生前に語っていたのが箱根。18歳からずっと東京に住んでいるのに、箱根を訪れたことは、たぶん、2回かな。もっと箱根のことを知りたくて。どれくらいもっと知りたいかというと、薬師丸ひろ子が1985年7月3日に発売したシングルくらい知りたかった。世代的には小学6年生のときに薬師丸ひろ子の「時代」を聞いて、後に“J-POP”と称されるようになる音楽に思春期の想いをもっていかれた世代だったりします。それが本来は中島みゆきという人の名曲だということはなんとなく当時から耳に入っていましたが、中島みゆきという人の偉大さを思い知るのは、それから数年後の話。「戦わないヤツらが笑うだろ〜」。ともあれ、箱根に行って、両極端を経験してみた。午前は箱根彫刻の森美術館で呆然と歩き疲れてみて、午後は、箱根の旧街道、石畳のところの甘酒茶屋という超々老舗で甘酒を堪能したんだとさ。

 

15時半頃に箱根を出発して、三ツ沢へ。そこで繰り広げられていた両チームのありようは、「横浜FCの好調は、フロックにあらず!」というもの。なんかね、基本、カウンター戦術なんですけど、そのカウンターでの選択肢がなんとも豊富なんですよね。たぶん、常に複数の選択肢を持つよう下平監督が指導しているんだと思われます。言い換えれば、下平さんは視野重視。と、考えるとボランチとして松井が重用されている理由も理解できるわけです。

対する鹿児島は、噂通りのパスサッカー。わかりやすいのは左SB砂森の役割。いわゆる“アラバロール”というほど極端ではないものの、パスの出し手としてボランチのような役割を担う。それから、そういうスタイルとの相性が良いのでしょう、牛ノ濱が躍動してましたね〜。特に最初の15分は。

 

ただ、鹿児島が猛攻を仕掛けた最初の15分を凌ぐと、横浜FCのカウンターが牙を剥きます。ほぼほぼ鹿児島のミスがらみではあったんですけど、鹿児島GKのパスミスから中山の落ち着き払った“ゴールへのパス”で横浜FCが先制すると、追加点も横浜FC。高速カウンターの流れで右サイドクロスからクロスが入ると、真ん中のイバを通り越して、フリーの松尾がジャストミートで合わせて決めきりました。流れるような速攻で3人目の動きが絡んで、やすやすと決めてしまうなんて、どこの強豪なんだ⁈と。

2点リードしたくらいで気を緩める横浜FCではありません。前半のうちに、さらにもう1点。今度はエースのイバです。スローインから自ら作り出したビッグチャンスに、視野広い〜ズの一員たる松尾がリボンを添えたリターンパスをお膳立て。イバは決めるだけ。ほぼワンサイドゲーム。ってところで、前半のうちから鹿児島は動きます。八反田に替えてFC東京の次世代を担う予定の平川を投入し、どうにか形成を整えにかかります。というか、八反田、パスは上手いんだけどなぁ。

 

ともあれ、鹿児島は前半のうちになんとか一矢報いました。ルカオのゴール。ルカオ、なんか良いですね。運河とかある北海道の港町のチーズケーキ屋さんみたいな名前だし、なにより、カラダが大きい。そして、いちいち動きが大げさ。鹿児島にはボランチに入っているニウドという選手も同じく“いちいち大げさ系”なんですけど、このタイプが2人いると、もはやそれだけでエンターテイメント。なんなら栃木にいるヘニキも取ってしまえ!と。

なんて冗談を考えているうちに後半となり、横浜は4点目。松井がクルクルとボールをキープしてから正確な展開。そこから中山が狙い澄ましたスナイパーショットを突き刺します。横浜FCの猛攻は、これでも打ち止めにならず、さらにレアンドロからイバへのホットラインが開通して5点目。その後はニウドが退場になったたりとか、俊輔が投入されたりとか、イバがハットトリックのチャンスを潰し続けたりとかありましたけど、まあ、横浜FCの完勝となりました。

 

リヒトの運命〜東京ヴェルディvs山形(8/18)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

ヴェルディについては今シーズン初観戦。ホワイト時代をまるまるスキップして、知らないうちに監督が永井秀樹に。そうか、永井が監督か。この人、ベテラン扱いされるようになったのが早かったので、「ずっといる感」が異様に強い。そんな永井秀樹には永井篤志という実兄がいて、こちらもJリーグで息の長い活躍をしたことは有名な話で、その永井篤志が最も耀いていたチームこそモンテディオ山形だったりする。そういう意味では永井兄弟ダービーと言えなくもない一戦。

ちなみに永井秀樹氏、ユース監督としては評価が高いようで、ユースから天才肌の10番が次々と昇格していく読売の遺伝子を途絶えさせることなくバトンを繋いできました。で、そんな読売の遺伝子を継承している選手が山形にもいて、それが南秀仁。もっとも永井さんがユースの指揮をとるようになる以前の選手で、同じ選手として現役晩年の永井さんとプレーしていたのではあるまいか。いろいろトラブルの全くない選手ではなかったので、どちらかというと小林祐希とか、この試合でも先発した河野広貴にイメージが近い。

 

ともあれ、そんか因縁も見え隠れする一戦だったわけですが、ピッチに目を移すと、いやあ、ヴェルディというか永井監督は強気ですね〜。内田達哉がCBで、佐藤優平がアンカーですってよ。シミッチとかボランチの選手を隙あらばCB起用したがる風間八宏じゃないんだから。。。というのを差し引いても佐藤優平のアンカーっぷりは素晴らしかった。もはや天職ですね。サイドチェンジのパスの質は言うまでもなく、視野の広さ、それからフリーになる技術、この人はアンカーになるため生まれてきてのではあるまいか。「海賊王にオラはなる!」みたいな太々しさもアンカー向き。

対するモンテディオで目立っていたのはジェフェルソンバイアーノのカウンター。いろいろツッコミどころ満載ではあるのですが、迫力はメッチャ凄いのですよ。メッチャ凄いのは迫力だけで他はツッコミどころしかなかったとしても、迫力は素晴らしかった。

 

試合展開としては、キックオフ直後の10分、山形が魂のフォアプレスでかまします。「このクソ暑いのに!」って思わせるようなフォアプレスを繰り出しヴェルディに陣地を回復させず、イニシアチブを握ってしまおう作戦。とはいえ、しばらくは面食らったヴェルディも少しずつ慣れていくうちにハーフタイムに。後半のヴェルディですが、少なくとも守備時は442になりましたかね。レアンドロと河野の2トップに見える時間帯がチラホラあった。

受ける山形はCFをバイアーノから高木彰人にスイッチします。これをプロ野球のオールドファンに説明するなら、4番バッターを元広島のランスから、元ロッテのサブローにチェンジしたようなイメージ。とはいえ、特に状況に変化はなし。そのままスコアレスドローとなったのですが、老練であり技巧派が揃った山形守備陣(加賀・栗山・熊本・中村・本拓)の円熟味が強く印象付けられる一戦でございました。

 

この試合で目を奪われた選手にヴェルディ20番の山本理仁がいます。「“りひと”って、Z型ファイルとかで有名な文房具メーカーかっ⁈」と思わずツッコまずにはいられない部分もあるのですが、ともあれ、この選手、左利きの右SB起用なのですよ、しかも4バックの。ここ10年、ウイングが逆足であっても驚かなくなった。近年はWBが逆足であることも稀にある。でも4バックのSBが逆足って、ケガ人続出のスクランブルならいざしらず、もうね、永井監督、ティキタカやる気満々ですやん!

でも、同じヴェルディユースの元10番であっても、ひょっとしたら、この山本理仁よりもインサイドで出ていた森田の方が大成するかもしれません。だって、山本理仁は黒髪好青年系で、森田は仮にその辺の大学生ならただのチャラ男っぽい金髪。歴代ヴェルディユース出身者を振り返ると、チャラ男風のが活躍しがち。というよりも、管嶋とか中野雅臣とか、黒髪好青年系は、なかなかトップチームでチャンスを生かせなかった選手が多い。果たして山本理仁の運命はいかに⁇

 

帰りに晩酌。最近ハマっている「中華食堂 一番館」という激安中華屋さんに行こうとしたのです。先日、渋谷の店に行ったところ、とにかく安い。樽生発泡酒が200円で、ハイボールはなんと100円です。なので、今回は通勤定期で途中下車できる目黒店に行ってみた。行ってみたところ、ちょうど閉店時間を迎えたところだった。。。ガックシですよ。しかたないので類似の店を探す。まあ、王将か日高屋になるわけで。で、Googleマップ先生にご教示いただいたのは、御諸賢ご存知の日高屋さん。

もちろん樽生発泡酒はないのて、生中になって、生中の値段なら一番館と変わらない(290円)。でも、ハイボールの値段が違うのですよ。日高屋さんはハイボールも280円とかするのですよ。普通に考えりゃ安いはずなんですけど、「ハイボールって100円でしょ⁈」って頭になってるから、不当に暴利を貪られているような気分になる。そんな理不尽に負けてたまるか‼ 崎陽軒シウマイ弁当不買運動も辞さない覚悟でホッピーセットを頼んだとさ。