ジャイキリさせず!〜川崎vs明治大学(7/3)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

今シーズンのフロンターレですが、ごく最初だけ「スタートダッシュ失敗⁈」みたいな雰囲気こそあったものの、リーグ戦については堅調と言うしかないですね。しかも憲剛も小林悠もスタメンにならないような中での好成績。鬼木監督の手腕に、ただただ感服。ACLについては壁にぶちあたっていますが、アジアの舞台で戦うには、そもそもクレイジーであるか、あるいは適切にノウハウを蓄積しているかのどちらか必要でしょうから、まあ、来年に期待しましょう。

それにしても、なぜ学生相手の天皇杯を見に来たかというと、明治大学に特別な関心があるわけではありません。実は、リーグの鳥栖戦を見に行くつもりだったのですが、いまや川崎フロンターレは広島カープ化している模様。ワタクシ、指定席ユーザーなのですが、等々力の指定席って、一般発売日にマウスをクリックしているようでは到底手に入らないんですね。法律が施行されて、あべちゃん肝いりのオリンピックもありますから、差額利益を追求する職業集団をなんとかしてもらえないだろうか。

 

■前半

水曜ナイトマッチのときは、そもそも仕事をお休みにしてしまうワタクシ。でも、そうはいかないときは、そうもいかない。夕方に職場を出て新丸子で下車。あらかじめ調べてあった洋食屋かオシャレ中華屋でメシにしようとしたものの前者はグーグルマップや食べログ情報とは異なり「18時からです!」との貼り紙。後者に至っては、店があるはずの場所が空き地になっている。たまに発生するグーグルマップの錯誤でなければ、絶妙に建て替え期間にぶち当たってしまったらしい。

そんなわけで「瓦奉店」という薬膳系餃子の店に転がり込み、せっかくなんで焼き餃子と水餃子のどちらも頂戴する。ここの餃子の特徴は、まず、「さわやか」のハンバーグのような赤身の肉肉しさ。そして、昨今、「なんでもかんでも“汁(じる)をプシャーッ!”ってすりゃええってもんちゃうで! 口の中、火傷するわ‼」みたいな店ばかりのなか、プシャーッ!の量とか温度が理性的でとても良かった。それでいて、特に水餃子は適切に出汁(でじる)に満たされており、いやあ、旨かったっす。

 

さて、試合内容。川崎は田中碧と車屋以外はターンオーバー。でも、とてもターンオーバーとは思えない。知念慶とか、山村とか、齋藤学とか、阿部浩之とか、マギーニョとか、レアンドロ・ダミアンとかですよ。「どうなってんだ⁈」と。そういうなかで、お休みを頂戴できなかった車屋は何かの罰ゲームでしょうか? 本人のコンディションの問題か、競争の結果か、今シーズンは登里にスタメンの座を明け渡してますからね、そういったところの影響なのでしょう。ちなみに車屋、明治のカウンターを止めるべくアフター気味にタックルを仕掛けて軽やかに交わされていました。

対する明治大学は、例えば3バックという名の5バックにするとか、そういう小賢しいマネはせず、4231での真っ向勝負。もちろん、押し込まれること前提のカウンターサッカーでしたが、ビビることなく勇戦を続けます。特にカウンターの際の走力であるとか、推進力、あるいは守備の時のぶつかり合いなどにおいて特攻隊精神を発揮させてました。

 

■後半

明治が勇戦していたとはいえ、やはり格上なのはフロンターレ。そんなフロンターレは血も涙もなく沽券を示しにかかる。コーナーキックからの先制点。せめて「カウンターやセットプレーから一発チャンス〜‼」というのは弱者のために譲ってあげなさいよ、みたいな。少なくとも明治大学のゴール裏はそんな思いだったのではあるまいか。

後半になってもスコアは1ー0のまま推移するなか、フロンターレは切り札の中村憲剛をピッチに送り込みます。これによってパスの回りも、展開のダイナミックさも向上しましたが、スコアが動く気配はなし。とういか、いろいろな気配がなかった。何度かカウンターからの決定的なシュートを打った明治大学に勝つ気配がなかったわけではないですが、それ以上にフロンターレに負ける気配がなかった。明治の大学生たちが思ったよりもタフでしたが、まあ、辛勝にみえて川崎の完勝でしょう。

 

この試合は「プロとアマチュアの差はどこにあるか?」という視点で見ていたのですが、案外、大学生ともなるとドゥエルのシバキ合いは、たとえ相手がレアンドロ・ダミアンであっても、それなりに渡りあえる。でもギャップで受ける動きとか、一瞬の隙を突いた裏抜けなんかではペンペンでしたね、特に前半は。

それから“雑なパス”の精度とか、もらいにいくファールとか、そういった部分でのクオリティがだいぶ違う。前者については、Jリーグだけみてると「そこで、そんな無難なパスに逃げるなよ〜」なんて感じることも多いのですが、実は、そういう“とりあえず”のパスが相手に引っかからないというのは、素人が考えるほどイージーなことではないらしい。それからもらいにいくファールを確実にもらったり、ライン際の攻防でスローインをマイボにしたりできるってのは、結局、技術的あるいは精神的に僅かなりとも優位にあることによる余裕の向こう側にこそ発生する現象なんだろうなあ、なんてことも強く感じた一戦でした。

 

今後に期待!〜東京武蔵野シティFCvsヴィアティン三重(6/23)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

武蔵野陸上競技場に来るのは、この試合で今シーズン2回目。特に横河を贔屓にしているわけではないのですが、ブリオベッカが陥落して以降、JFLを観戦しようとすれば、新宿から特別快速高尾行きに乗るしかないわけでして。

で、じゃあ、なぜJFLを見ようとするかというと、前回は鈴鹿アンリミテッドFCで、今回はヴィアティン三重の試合っていう理由なわけです。鈴鹿より一足先にJFL昇格を果たした三重。JFLへの昇格プレーオフ鈴鹿と三重の直接対決となった試合を見に行ったときは、どちらが点を取っても涙がこぼれてきたよ。頭の中は槇原敬之「遠く遠く」が無限ループ。そんなヴィアティンは、今年から、かつて山口で旋風を起こした上野展裕監督が指揮をとっていて、現時点での順位は7位。パスサッカーは、時間とともに成熟していく傾向が、より顕著に出るので、終盤に向けて期待が持てるのではなかろうか。地域リーグに落ちると、リアル地獄なのですが、そこは大丈夫そう。

 

■前半

この日は、ちょいと所用があって青井駅の近くへ。青井駅って、皆さん、知ってます? 東京在住の人でも、青砥は知ってても青井は知らないのではなかろうか。先方さんの指示をもらったところ、つくばエクスプレス沿線の、思いっきり快速に通過されてしまう駅。いかにも足立区の都営住宅タウンって感じだったのですが、所用はさっさと済まして秋葉原へトンボ返り。秋葉原秋葉原で、あまり普段は近寄らない町なので、ドキドキしながら、ランチに考えていた「常陸野ブルーイングラボ」へ。エキュートの一画にある、常陸野ネストビールの直営店。居心地が良いわりに客がそれほどごった返してはいなく、快適でしたよ。ビールが絶品なのは言うまでもなく、カツサンドもなかなか美味しかったし。でも、それ以上に度肝を抜かれたのが秋葉原名物「肉の万世」のビル。だって、「いらっしゃいまんせい」とか幟に書いてあるんですよ。そんなん、度肝抜かれるに決まってますやん。次の機会には万世でいただきまんせいしたいと思います。

 

さて試合内容。武蔵野は前回観戦したときにも思ったのですが、さすがは「東京シティ」やら「吉祥寺」を背負うだけあって、当世風というか、スタイリッシュなサッカーです。どういうことかというと、奪ってから縦に速いのですよ。そして、着実にシュートまで結びつける。ヨーロッパのサッカーに近いですよね。それから、25番のロングスローという飛び道具もあって、総じて合理主義的なのです。

対する三重は、いわゆるパスサッカー。2019年度における当世風ではありません。しかも、マイボにしてからボランチがボールを持っても、そこからの展開がマイナスの横パスをSBに出す感じなので、各駅停車になりがちで、かつパスカットに見舞われまくる。それでもパスサッカーらしい重厚な攻撃が発露されることもあるのですが、当たり前のことながら、それはクサビの縦パスが前線に入るかどうか次第といいますか、条件に左右されるところが大きかった。

 

■後半

そんなわけで、前半はサポーター目線でいけば、三重サポーターより武蔵野サポーターの方が爽快感を感じられたのではないでしょうか。武蔵野の守備を褒めるべきか、三重のパス精度の問題か、ともあれ三重はなかなかリズムをつかめなかった。それでも前半の終わりに近づくにつれ、ゴール前中央での攻防が増えていったので、少しずつリズムをつかんでいったようにも見えました。

後半に入ると、少し両チームともヒートアップして荒れ気味の展開となりましたかね。「最初のファールをちゃんととっておけば…」みたいなこと。で、前半に比べると三重が攻勢となる時間帯が増えました。ただ、試合巧者という意味では武蔵野の方に分がありましたので、よくあるパターンで、「三重が攻めているけど、決定機の数は武蔵野」という構図となります。こうなると、三重が自滅しそうなものですけど、そこは守備陣が踏ん張ってスコアレスドローに持ち込みました。

 

それにしても三重、パスが繋がらなかったですねぇ。もちろん、武蔵野のパスカットが異様に素晴らしかったというのもあるんでしょうけど、ストレスフル。その要因を探ってみると、1つには野垣内依存ということがあったかもしれません。J2の岐阜などで長く活躍しただけあって、ここでは頭一つ抜けた存在。最終ラインで攻守をコーディネートをしていたので、ボランチの選手などはついつい、前方ではなく、野垣内にバックパスをしてしまい、それがパスを各駅停車にしてしまった。

そして、そのことと密接に関わるのですが、結局はボランチをはじめとしたパスの出し手のクオリティが上野さんの望むレベルに届いていないということもありそうです。もっとも、「そこで、そのパスが出せればJFLにはいないよ!」っつう話なのですが。そして三重のパスが繋がらなかったです最大の要因は、受け手の問題かな、と。受け手の“止める蹴る”もそうなんですが、それ以上にパスコースを作る動きの工夫が足りなかったように思います。そこは身体能力というより、頭の動きの部分。戦術理解の深化とともに改善するでしょうから、期待したいところです。

 

生の醍醐味〜YS横浜vs北九州(6/9)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

この日はYS横浜と北九州の試合を観戦。YS横浜は新たに招聘したリヒャルト監督が奮闘中で、クラブ規模を踏まえると「よくやっている」の範疇にあるのではなかろうか。ちなみにリヒャルトといえばリヒャルト・ワーグナー。高尚なことはいっさい分からないワタクシでも「リヒャルトといえば、リヒャルト・ワーグナー」というのは分かります。なぜかというと、ワタクシが使っている変換アプリの予測変換だと「リヒャ」の時点で「リヒャルト・ワーグナー」が出てくるから‼

対する北九州は好調。開幕当初の絶好調からは少し落ち着きつつありますが、なんせ、信頼と実績の小林印。10試合で失点7。守備組織なんぞ、さっさと整えてしまうのです。攻撃面はやや物足りない現状ですが、コバさんのチームは、シーズン終盤に近づくに従って、加速度的に得点と勝ち点を積み上げていく傾向にある。仮にこの法則がギラヴァンツでも発動すると措定すれば……オラ、想像するだけで、ワクワクすっぞ!

 

■前半

この日の午前中は戸塚まで足を伸ばす。戸塚って、実はヨットスクールがあるわけではないんですね。いや、何らかのヨットスクールそのものはあるかもしれませんが、80年代に取り沙汰された、あのヨットスクールは、別に東海道戸塚宿の地名を冠していたわけではないらしい。そんな体罰地獄というわけではない戸塚に来たのは、「とんかつ専門的 山かつ」でランチを食べるため。揚げ物って、揚げたてであれば、その瞬間、自動的に美味しいのですが、しかも素材に最低限の手間暇をかけているであろう店。美味しくないはずがない。優勝〜‼

 

さて試合内容ですが、大変です、YS横浜のリヒャルト監督。ラップトップの使い手です。厳密にはタブレットの使い手です。もっと厳密にはタブレットを片手に指揮をとりながらも、たぶん、タブレットのスイッチはずっと切れたままです(そういうタイミングでベンチを見ることがなかっただけなんですけど)。そして、タブレットを駆使して選手に植えつけているのは、「最小手数でシュートまで!」です。ゆえに、ロングボールや、一発で局面を打開したいって感じのパスが多いのですが、北九州のディフェンダーに「蹴らせとけば良いよ♪」とか言われていました。

対する北九州は、イーブンボールの勝率が異様に高いような印象があります。一見、フィフティに見える場面でも、10cm、20cm、北九州の選手の方がボールに近いところにいる。こういう、フィフティボールの勝率については、「サッカーの本質だ‼」「気合だ!気合‼」ってことにされますよね。もちろん、選手はそれで良いのですが、たぶん、そこには論理というか、必然性があって、コバさんみたいな名将は、そこにこだわったチーム作りのマニュアルを持っているんだと思われます。

 

■後半

展開としては、序盤から北九州がイニシアチブを握ります。ただ、日本のサッカー界では「イニシアチブ掌握=決定力不足の露呈」が絶対のデフォルトですから、そういう意味では北九州が貫禄の決定力不足を顕示しまくって、それに伴い、YS横浜のプレーがラフになっていく、そんな前半戦でございました。ディサロがケガしちゃったし。

ということで、後半から北九州は池元を投入。ジーコジャパン(古っ!)で言うと、前線でカラダを張ってた巻誠一郎が負傷交代して、代わりに点取り屋の大黒将志が入ったような感じ。そして、ベテラン池元は貫禄を見せつけ先制点をゲット。先制すると北九州は強い。YS横浜の反撃をのらりくらり交わしながら、終了間際に町野がダメ押しゴールを奪い、上位チームの沽券を示しました。

 

この試合は観客が1000人くらいで、しかも専スタということもあり、ピッチの声がよく聞こえてきた。そして分かったこと、それは北九州においては新井が叱られ役だということ。チームスポーツにおいて、叱られ役になれるというのは、とても大切な才能。こういうタレントがいないとチームはなりたたない。そして、その役割を果たせる個性というのは、そうそういない。

他に聞こえてきた声は北九州ゴール裏のヤジ。いやあ、偏見ですよ、偏見。でもね、やっぱり北九州のサポーターのヤジは、荒々しくあってほしい(表現を選んだ)。炭鉱と鉄鋼の都市。汗にまみれて、いわば封建制の寄親寄子的な人間関係で秩序を作ってきた都市なんだから、そりゃ、なめたらあかんぜよ。けれど、それ以上に目立った声はYS横浜リヒャルト監督の審判団へのアピールですね。もはや、ただのクレーマーですやん。ほわーいじゃぱにーずぴーぽー‼

 

試合終了後は桜木町まで足を伸ばし、「ゴールデンもつ」というクラシカルな地下街酒場へ。そこには樽生のホッピーがあるんですけど、びっくりしました。樽生ホッピー、メッチャ上手い。黒ホッピーとか、ハーフ&ハーフも飲んだんですけど、樽生ホッピーの軽やかさを満喫するのは、いわゆる「白ホッピー」だと思います。なかなか東京って、「東京ならでは!」ってものがないなか、東京(南関東)ローカルグルメとして気を吐いているホッピー。地方から来たお客さんを接待するなら、がぜん、樽生ホッピーです!(接待相手を選ぶ)

9番の系譜?〜大宮vs京都(6/8)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

この日はWヘッダー。西ヶ丘でJ3を観戦した後は大急ぎでNACK5スタジアムへ。まさに翔んで埼玉。そんなアルディージャ、すっかり高木色ですね。まるで何年も前から指揮をとっているかのような。そもそもアルディージャといえば堅守速攻の質実剛健サッカーというイメージが強い。で、高木さんは元FWらしからぬ、堅守速攻の質実剛健サッカーを、どこのクラブでもやってきた。そして、結果を出してきた。惜しむらくは高木さんが3421を重用しているところ。アルディージャらしく442でやってほしい気持ちがなくもない。

対する京都も今シーズンから新指揮官。我らが中田一三ですよ。老若男女を問わず、日本人なら全員が知っている、いや、知っていなければならない中田一三(*本ブログは個人ブログなので、時々ひどい独断と偏見が紛れこみます)。そう、四中工3羽烏の中田一三なのですよ。地元のクラブチームを育てていた頃から変わらないクレーム対応の下手くそさに大きな不安こそあるものの、ここまでのところ監督としては優秀じゃないですか!ここは応援あるのみ!

 

■前半

京都についてスタメン発表を眺めていたときの感覚だと、庄司ではなく宮吉が出ていたので、「おっ!、今日はいつもの4123ではなく442か?」と思ってしまったのですが、実際は、いつもの4123で、宮吉はインサイドハーフでした。「宮吉をスペースのないところで使うのは勿体ないなぁ」と反射的に感じたのですが、どうやらワタクシ、宮吉と宮市を混同している模様。宮市がインサイドハーフだと勿体ないですからね。

一方、大宮のスタメンを見ていて感じるところがあったのは、すっかり茨田が2列目の選手になっていたこと。レイソルサポーターには「茨田と秋野、キャラがカブる!」でお馴染みの茨田、相棒(?)の秋野が湘南で最終ライン扱いされているのとは対照的に、もはやアタッカー扱いなのですね、ピルロ系アンカーではなく。

 

試合は前半のうちから騒がしかった。大宮は奥抜と吉永という2人の若武者が先発起用されていて、しかもFW登録の吉永がWB、MF登録の奥抜が前線起用というトラップが仕掛けられる中、奥抜が京都の一瞬の隙を付いて先制ゴール。しかし、京都は京都で、スーパー仙頭がスーパー銭湯ばりに同点ゴールを決める。挙げ句の果てには、大宮3バック一角の河面が、それだけ切り取ればワールドクラスなロングシュートを決めて、前半だけで3ゴールが決める乱戦模様。塩試合にならないことがハーフタイムを待たずに既成事実となりました。

 

■後半

後半に入ると、がぜん、京都のパスサッカーが炸裂。でも、得点は大宮。ファンマがカウンターから相手GKと交錯しながらも決めきります。ファンマは、この交錯で負傷交代。得点と引き換えにプレー続行が不可能に。まさにスカイラブツインシュート状態。この例えがわかる人は、リアルタイムなら、確実に40代以上です。リードを広げられた京都は怒濤の総攻撃。もうね、パスサッカーのクオリティ、めっちゃ高いっすよ。そして、守る大宮の守備戦術のクオリティも、めっちゃ高いっすよ。攻める側も守る側も、ちゃんとサッカーしてる。そんなん、見ててエキサイティングに決まってますやん。感動で涙ぐみそうにさえなりながら、試合は3ー1のままタイムアップとなりました。

 

それにしても京都、負けたとはいえ、贔屓目なしで素晴らしかった。中でもドリブルを始めるときのフォルムがミュラーに似ている重廣には刮目。でも、やっぱり仙頭・小屋松ですよね、京都の象徴は。特に小屋松。正直、この試合では奥井に押さえこまれましたけど、彼のある部分には注目せずにはいられない。思い返せば、大黒将志岡崎慎司など、ブルーのユニフォームに袖を通したストライカーたちは、若い頃から、その、ある部分との死闘に打ち勝ってきた。後退を余儀なくされながらも、それでも驚異的な生命力を発揮してきた。そういう意味では、今後の驚異的な生命力次第では、小屋松にも代表の「9」番を背負う資格を得られる可能性があるのではなかろうか。期待せずにはいられない。

 

……ともあれ、試合後は、かつてNHKの「ドキュメント72時間」でみた「伯爵亭」に立ち寄ってみる。厳密には、立ち寄ろうとしてみる。だって、めっちゃ行列してるんですもん。そりゃ、諦めて帰りますよ。元赤羽住民として、ワタクシ、「いこい」「まるますや」「丸健水産」が観光地化して以降、行列に並ぶ人々を冷めた目で眺めてきました。地元に愛される店は、行列してまで行くべき店ではないのですよ。というか、地元に愛される店が観光地化したら、もはや、それは別の何物かになってしまうわけです。

仕方ないので、「ごはん家 たじま」ってところに足を伸ばしてみたら、Googleマップ情報とは裏腹にお休みだったりする。やさぐれながら辿り着いたのが「武州うどん みどり&あかねダイニング」という店。夜定食があるというので、うどんの定食を食べようとしたら、定食メニューにうどんがない。仕方ないので、居酒屋メニューの焼きうどんを食べて帰ったとさ。

 

懐かしさと革新と〜FC東京U23vs長野(6/8)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

この日は西ヶ丘へ。FC東京U23長野パルセイロの試合。FC東京U23は、J3のビリを独走しています。独走とまで表現すると、少し過剰ですが、最下位は最下位。東海地方民のワタクシ、18歳で上京して、最初に仲良くなった大学の友人に「そうなんだよね、東海地方の人って“ドベ”って言うんだよね。関東では“ビリ”だよ」って教えてもらったことを、まるで昨日のことのように覚えております。

対する長野も期待値ほどは奮いません。J3が出来た頃は、「J2にイチ抜けするのが長野かな?」って雰囲気もあったのですが、足踏みが続いております。関係ないですが、長野県といえばイナゴの佃煮を食べる文化が残っていることで有名。そしてFC東京サポーターといえば、アウェイのスタグルを食べ尽くすことから「蝗」と形容されたりする。ということは、仮に長野ホームの試合なら、「長野のスタグルを食べ尽くす蝗を、長野県民が佃煮にして食べる」という構図が発生するわけですね。むむむ、俄然、因縁めいてきたぞ。

 

■前半

この日は午前中に早稲田方面に用事があったので、とりあえず新宿を目指します。新宿といえば、街の端々にどこか学生運動の時代の残り香を湛えているのですが、最近ご愛顧にしている「ベルグ」も、そんな感じ。椅子席とスタンディングが混ざった、改札近くの猥雑なコーヒースタンドであり、ビールパブでもあるようなお店。ここで朝食ではなく朝飲みをして、早稲田方面へのバス停を目指す。「新宿駅東口」なんてバス停があるらしいので、探したものの見つからない。結論的には、最もベタな場所にあったのですが、「まさか、こんなスクランブルのまん真ん中にあるはずがない」ってな場所だったので気づくこともなく、徘徊しているうちに歌舞伎町のバス停に辿り着いていた。路線番号は覚えていたので、「ここからでも乗れる」って思って待っていたものの、待てど暮らせどバスが来ない。改めて調べ直したら、なんと、同じ路線でも、帰りのバスは歌舞伎町バス停に停まるものの、行きは止まらないときたもんだ。全くもって、とんだスットコドッコイだったよ。

 

さて、試合。長野には内野がいますね。脳内美化も含めて、いまだに“高校サッカー史上、最高のチーム”なのが、伝説の野洲高校なのが、オールドファッションなワタクシ。野洲戦士の名前を見つけるとそれだけで嬉しくなる。それから、長野には明神もいるんですね〜。明神みたいなプレースタイルの選手こそ、日本人代表。こういう選手に欧州挑戦して欲しかった。

対するFC東京U23。J1は代表ウィークで中断中なのだから、もっとえげつないラインナップも可能だったのですが、ミニキャンプをしているのかオフなのか。通常営業モードのメンバー構成。仮にトップチームがオフだとすると太田宏介と丹羽は残業を押しつけられているようなもの。どこの職場でも、誰かが留守番してくれるから、GWに10連休とかを取れるわけであって、世のサラリーマンを代表して、二人には感謝申し上げたい。

 

■後半

試合展開としては、プチブレイクしかけの渡辺剛が筋肉系のトラブルで前半から交代。岡が投入されます。ちょうどFC東京U23が圧倒的にポゼッションしているバイオリズムだったのですが、ちょいと、そこは、岡君、おぼつかない。この日は30℃はあろうかというなかでのデーゲーム。全体的な動きにキレがなく、動物としてフィジカル的な負荷のかかるコンディション。渡辺剛の負傷もそういう要素がありそう。原大智も一度倒れてピッチ外に出たりしてましたね。

前後半通じてポゼッションではFC東京U23が圧倒気味だったように思います。ただ、ポゼッションってのは、圧倒してしまうと、却って相手の守備の準備を整えてしまう。シュートを打てなくなってしまうんですね。それでも、長野が保持率を回復したタイミングで原が久保君さんじゃない方の久保とのコンビプレーで先制点をもぎ取ります。もぎ取ったのですが、長野のベテラン津田によって同点に追いつかれ、なんだかんだで同点決着となりました。

 

今年はBSでプンデスの試合を多く見てました。で、思ったのが、この試合の長野のスタイルは、ブンデス下克上チームのスタイルに似ているということ。長谷部のフランクフルトとか、大迫のブレーメンの試合を見ていると、いわゆる“ビッグクラブ”でないチームのサッカーって、「攻撃で手数をかければかけるほど、こちらのポジショニングが乱れるのだから、それだけ失点に近づく」という考え方ですよね。“手数は身を滅ぼす”といわんばかりの。

だから、少々の無理をしてでも、シュートまでの最短距離となる強引なパスを出しまくる。日本人はパスに“正確性”とか“受け手への思いやり”を込めますが、「そんなこと、知ったこっちゃない。そんなこと気にしたら、最短距離じゃなくなるじゃん!」みたいな。長野のサッカーには、どこかをそういうところがあって、だとすると、長野の横山監督は欧州のトレンド最前線を追求する革新的なサッカーをしていると言えなくもない。言えないでしょうけど。

 

アジカン⁇〜相模原vs岩手(6/1)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

今週はギオンスタジアム、相模原です。それにしても相模原、毎年毎年、選手も監督もコロコロごっそり入れ替わり続けてますね。なんでしょう、たぶん、グラウンド内だけでないところで、いろいろ歯車が噛み合わないんですかね。他のJ3と比較して、経営難のニュースを特段に頻繁に耳にする感じでもないのですが、何か、永遠に掛け違い続けるボタンでも抱えているんですかね。とりあえず、頑張れ、望月。

対する盛岡ですが、ワタクシ個人の印象として、どうも影が薄い。お隣のブラウブリッツみたく、県知事さんがオモロい人であれば、新スタジアム関連とかでニュースも届いてくるんでしょうけど、幸か不幸か、そういうインパクトもあまりない。そもそも岩手県のイメージが、あんまり、、、って感じ。平泉は何度か観光したことがあります。盛岡も行きましたが、あまり強烈な印象は感じなかったような。遠野高校出身の菊地利三が監督しているわけですし、カッパにでも会いに行きますかね。

 

■前半

そういや、指原の卒業コンサート的なもので、九州のJクラブのマスコットが大集合したってニュースがありましたね。ニータンの人脈、なかなか恐ろしい。ああいう場合は、中の人も集合するんですかね、それとも中の人以外の部分が集積されるのだろうか?(中の人などいない)。マスコットというか、ゆるキャラで思い出したのですが、「ずーしーほっきー」って、ご存知です?「ブキウギ専務」で知ったのですが、北海道北斗市のご当地ゆるキャラ。ほっき貝の寿司だから、「ずーしーほっきー」。なぜ、そんなことを言い出したか。それは、この試合の前、逗子に寄っていたから。京急新逗子駅の駅ソバが、立ち食いソバとしてはまあまあ旨いと聞いて、そのためだけに逗子くんだりまで出向いたのですよ。もはや海岸はウインド何某的なマリンスポーツに興じるリア充の巣窟とも言える逗子。というか、うすうす知ってたんですけど、同じ神奈川県とはいえ、逗子から相模原、遠いなー。川崎市の「南北問題」はしばしば噂に聞きますが、神奈川県そのものの南北問題も、なかなか根深い。

 

ともあれ、神奈川北郊の雄・相模原は、神奈川ブランドなのか、それなりにネームヴァリューの高い選手も多く、ポゼッションの部分では優勢に立つ。ただ、不思議なことに、なぜが、「相模原と盛岡、ボールを大切にしていてのはどっち?」って聞かれると、なんだか盛岡な気がする。盛岡からは「ボールを持ったら受け手にちゃんとタスキを繋げよう」と意識が感じられました。

そんな盛岡3トップの頂点にいたのは10番の谷口。相模原の最前線には大石がいたので、大石治寿vs谷口堅三という、いかにもJ3の点取り屋対決になったのかと思いきや、盛岡の谷口は、数年前まで所属していた堅三ではなく、海斗という24になる歳の選手だった模様。しかも谷口海斗、四中工出身らしいじゃないですか!世代的には湘南の坂圭祐と同級生なのかな?前線の預けどころとしては、それなりに機能していたように思われます。

 

■後半

前半は両チームともこれといったシーンを作り出せないままハーフタイムって感じでしたが、先にも述べたように、やや相模原が優勢だったでしょうか。特に、中盤の強度というか構成力というか、個の能力の合計値というか、その辺で上回っていたように感じられました。ただ、後半になっても、相変わらずゴール前での迫力は今ひとつ。後半の20分くらいでしたか、混戦の押し込みを盛岡キーパーが掻き出すという、遠目にはゴールラインテクノロジー案件っぽく見えなくもなかったシーンこそありましたが、まあ、それくらいのもの。

試合がようやく動いたのは試合終了間際、相模原が少しずつ高さで相手の腰を引かせるようになっていき、ってことはミドルシュートのチャンスが増えるというわけで、果たせるかな、伊藤大介がエリア外から見事なコントロールショットでネットを揺らしました。こうなると、今度は守備で高さが生きる。グルージャのパワープレーを高さずくで跳ね返した相模原がホームで勝ち点3を獲得しました。

 

盛岡としては手痛い勝ち点0になってしまいましたが、その中で気を吐いていたのがボランチの江頭。主に守備面で存在感を示しておりました。そんか江頭、絶対に学生時代とか「2時50分!」「やーい、3時の10分前〜」ってイジられていましたよね。というか、あのお方の登場以来、それくらいしかポピュラーな有名人がいないこともあり、日本全国津津浦浦の江頭さんが、そういうイジりに耐え忍んでいきたに違いない。

たぶん、そういう悲劇は、相模原中盤の梶山幹太も同じで、なんか、名字を聞いただけで、「きっと、ヌルヌル系のモッサリとした動きで、腰やら膝やらが使い物にならなくなった後でも、謎のキープ力だけは健在なプレースタイルに違いない!」という先入観をJリーグサポーターなら抱いてしまいますもんね。ちなみに「梶山・幹太」、どこか「アジアン・カンフー」ジェネレーションと響きが似ているような気がするのはワタクシだけでしょうか⁇

 

後ろ姿〜東京武蔵野シティFCvs鈴鹿(5/19)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

この日は三鷹です。武蔵野陸上競技場。これまであまり気にしていなかったですが、武蔵野陸上競技場、その名の通り武蔵野市なんですよね。最寄り駅は三鷹駅なので、「この日は三鷹!」としましたが、正確性という意味では微妙なのか? なんてことを考えながら三鷹駅で下車して駅の案内を眺めてみると、「北口 武蔵野市」「南口 三鷹市」と書いてある。そうか、三鷹駅、そういう立地だったのか。まあ、そんなことは、どうでも良いや。東京武蔵野シティという仰々しい名前になった横河と、鈴鹿アンリミテッドFCの試合を観戦しました。鈴鹿アンリミテッドも、名前が変わりましたよね、少し昔に。最初の頃は「ランポーレ」と名乗っていたんですけど、いろいろ権利のアレコレでゴチャゴチャしたらしく。最近では「お嬢様聖水」で有名になりました。Jリーグクラブのない、いまや、レアケースとなった三重県には、アンリミテッドとヴィアティンという2つのJFLクラブがあって、この試合の始まる段階では、仲良く9位と10位で並んでおりました。

 

■前半

この日は二日酔い気味だったこともあり、昼ご飯は自宅で冷凍チャーハンを食べるだけにして出発。ヘロヘロだったので、試合後も、簡単に居酒屋にだけ寄って帰る(寄ってってるんかい!)。「居酒屋 一休」というチェーン店。「東京で一番旨くて安い店」と唄っているだけあって、安い。旨いについては、この値段なのだから、不問に付す。一般料金だけなら、普通のチェーン店居酒屋なんですが、300円支払って会員になると世界が変わる。

分かりやすい例を挙げれば、ビールやハイボールが190円とかになる。つまみも、そういう世界観の値段。おそらく、かつて大手が厳しい世論にさらされたように、名ばかり店長のハードワークによって人件費を削ってるってことだと思われますが、大手のイメージが悪化して以降、なかなか総合居酒屋に来ることがなくなったので、逆に新鮮でした。

 

さてさて、試合後の話をしている場合ではない。サッカーを見に行ったのです。ピッチを見渡してみると、キローラン木鈴がいるんですね、鈴鹿ヴェルディユース黄金世代の一人で期待されていたんですけど、ドロップアウトせずにサッカーを続けていたのか。なんか、バラエティ番組で久々にトリンドル玲奈を見かけたときと同じ感動を覚えたのは、なぜだ? 名前のパターンが似ているからか? そんな鈴鹿は横幅を広く使うサッカー。最終ラインで丁寧にビルドアップしながら、上げられるタイミングで確実にクロスを入れていくスタイルで、序盤からチャンスを量産。

対する武蔵野はフォアプレスなどはせずに、しっかりリトリートして、リスクを冒さず攻めようとする、いわゆる堅守速攻。単純に相手に押されているだけかのように思えましたが、順位も相手より上だし、試合結果を鑑みても、「(前半は)ノーリスク」っていうサッカーを、やろうとしてやっているということなのでしょう。

 

■後半

そんなわけで、序盤から鈴鹿が圧倒的に攻めていて、クロスやシュートの雨あられだったのですが、先制したのは武蔵野。少ないチャンスで澤野がものにしました。個としての決定力なのか、それとも、戦術的トレーニングの賜物なのか。これで、あとは70分間のらりくらりと交わし続けられたら、武蔵野は鹿島になれるのですが、そうはいかず。鈴鹿が例によってサイドアタックをしかけ、崩しきってから1トップのリンタロウがストライカーとしての仕事を完遂。同点に追いついてハーフタイムに。

とはいえ、武蔵野は強かった。後半に入ると、一気に堅守速攻の牙を剥く。堅守速攻といえば、カウンターとセットプレーなわけですが、まず「誰かが触ればそれでよいし、触らなかったらそのままゴールへ」っていう教科書的なフリーキックがゴールに吸い込まれると、カウンターからスーパードライブシュートが決まったり、日本戦のベルギーみたいな美しいカウンターが発動したりと、終わってみたら4ー1の圧勝でございました。

 

ところで、鈴鹿といえば女性監督が就任したことで、うっすらニュースになったのですが、実はコーチに岡山がいるんですね。ええ、あの岡山一成です、岡山劇場。奈良クラブのレジェンドになったものと思っていたら、こんなところに。で、JFLですから、コーチとはすなわち、雑用係。試合前には給水ボトルをピッチ脇に並べたりもする。で、その際、おもむろにサポーターに近づいた岡山、サポーターに挨拶して、コールを煽り出す。

選手紹介前の絶妙なタイミングでのことでしたので、間違いなく確信犯。確信犯というか、たぶん、毎試合やってそう。もはや、コールリーダーを操る影の司令塔といって過言でない。これが岡山劇場か。サポーターを巻き込んで作っていくパワーは、確かに凄い。しかも、ですね、現役時代はCFとCBを兼任した長身選手ですから、後ろ姿とか、めっちゃ格好良いのですよ。後ろ姿だけなら、仙台の渡邊監督と双璧をなすとさえ言える。後ろ姿だけなら、後ろ姿だけなら……(リフレインしながらフェードアウト)

 

偉い人!〜横浜FMvs神戸(5/18)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

この日は横浜と神戸の港町対決。横浜FMは、去年と同様にどうにも評価が難しいというか微妙なポステコグルー監督が率いております。「まあまあ」としか表現しようのない成績。とはいえ、マリノスって、岡ちゃん退任後、けっこうずっと監督人事に迷走してきたイメージもあるので、悪くはないのかもしれない。なんせ、木村和司とかが監督してましたからね。それに比べりゃポステコさん。良い監督です。

対する神戸。シーズン当初にこの試合を見に来る予定を組んだ時点では「本場ヨーロッパ仕込みの、5レーン的ポジショナルサッカーのお手並みを拝見しようじゃないか!」と意気込んでおったのですが…さよならリージョ。吉田監督が「オーナーは介入してま宣言」しましたけど。わざわざ、そんな宣言をしなきゃいけないことが、すでに問題なのだぞ。わかってるか?偉い人‼

 

■前半

自宅から日産スタジアムに行くのにはいくつかルートがあるのですが、とりあえず最寄り駅から大井町駅へと向かい、大井町線に乗る。……大井町線って、、、遅い? たまたま急行が出発してしまった直後の各停で、それで行くのが最速だったんですが、急行と各停で溝の口駅まで10分以上、かかる時間が違うのか。ともあれ、溝の口から新横浜行きの座席定員制バスに乗って日産スタジアムに行こうとしたわけですよ。そしたら奥さん、「満席です!」とか言われたのでざますよ。

大井町線で来た道を戻り、自由が丘で東横線に乗り換え、菊名から小机という王道ルートでなんとかキックオフには間に合ったのですが、そしたら今度は、ピッチにイニエスタがおらへん。うすうすわかっていたことではあったのですが、マジか〜。ついでにポドルスキもおらへん。なんならサンペールもベンチスタート。まあ、サンペールはええわ。イニエスタ、見たかったな。15年前は、イニエスタかイエニスタかわからなかったけど。とりあえずビジャを見れたことで満足しておこう。

 

さて、サッカーの内容。横浜FMはマルコス・ジュニオールとエジカル・ジュニオのジュニオール&ジュニオコンビが、まあ、言ってしまえば縦関係の2トップみたいな感じ。横浜FMといえば433のイメージでしたが、この試合は4231あるいは4411って雰囲気でしたね。で、戦術としては、中盤のビルドアップで相手を引き付けて、スペースができたところでウイングを走らせて単騎突破させるようなスタイル。ヨーロッパのサッカーに近いですかね、パスレンジ以外は。

こういうスタイルだと、最終ラインを高く押し上げることが増えて、でも、その割には全体的に危うい対応がマリノス最終ラインには目立って、という中で神戸もチャンスを作ります。特に前半については、田中順也との元柏コンビネーションが円滑だった左SBの橋本とか、右SHとして持ち前の如才なさを発揮していた西なんかが目に付きました。

 

■後半

スコアは前半のうちから動きます。カウンターから、かめはめ波の方だからジュニオールの方ですね、マルコス・ジュニオールがファインゴールを決めて先制すると、後半はマリノスがさらに畳みかける。どちらかというと右の仲川の方がスタンドを沸かせていたなか、左ウイングの遠藤がキレキレのドリブルで切り裂きペナルティエリアに進入。丁寧なラストパスに途中出場の李忠成が合わせて追加点。李忠成、そういや今年からマリノスでしたね。ストライカーらしくゲットゴールです。9割方は遠藤の得点ですけど。

この2点目を決められたくらいから、一気に神戸の敗色が、ピッチのムードとして濃厚に。ビジャとか、うつむいてトボトボ歩いてばかりでしたし(これが嗅覚系FWなビジャのデフォルトなのかもしれませんが)。逆に、気落ちする神戸を尻目にマリノスはノリノリモードに。三好と天野が途中出場(!)でピッチに送り出されると、三好が2得点を決めてしまいます。神戸はウェリントンが意地の1点を返しますが、とても溜飲を下げられたものではないでしょう。

 

そんなわけで、マリノスの圧勝だったのですが、この試合、メインスタンドの1番高いところ(値段ではなく高度が)の席からの観戦でした。必然的に、日産スタジアムですし、豆粒大の選手を俯瞰で眺めることになります。とりあえずビジャを定点観測しようということになって、全体を見渡しつつも、ずっとビジャに注目していた。デジカメのズームを駆使しつつ。で、わかったことがあります。それは、神戸のビルドアップがほとんどビジャまで届かないという事実。その2手3手前の段階でパスミスが起きたり、パスカットされたりして、ビジャは開店休業状態。そりゃ、ビジャもうつむきながらトボトボ歩くしかなるってもんだ。三田とかいるんだから、個としてパススキルが低いとは思われないのですが、状態の悪いチームって、往々にして、こういうことになりますよね。だったら割り切ってウェリントンの高さ任せのサッカーにしても良さそうなものですが、そうするとバルサ化を推進したがる偉い人に叱られるからできないのでしょう。夜明けは、いつだ?

 

ちゃんとしてる〜湘南vs大分(5/12)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

この短い期間に、平塚に2回も来てしまいました。ゴールデンウィーク真っ只中の名古屋戦は、メインスタンドの席しか空いてませんでしたが、この試合ではバックスタンド中央の指定席チケットを無事にゲット。比較的リーズナブルに観戦することができます。まぁ、印象の問題であって、結局、スタグル(つまりアルコール)で無駄遣いするんで一緒なんですけどね。ちなみに「茅ヶ崎までが湘南」という言説はサザンのあの歌に“烏帽子岩”が出てくるから成り立つ論理だと思う。

対する大分。いやぁ、大旋風を起こしていますね。J3時代に片野坂トリニータを観戦して、「ちゃんとサッカーしてる〜」とは思ったのですが、まさかJ1で旋風を起こすことになろうとは。。。それもこれも浅田飴効果なのでしょうか。確かに浅田飴って良いですよね。何が良いって、あの金属製のまんまるケース。コンビニとかドラッグストアで売ってる一般的な喉飴と違って、短期間で消費し切らなくても、カバンの中とかでネチャってしない。

 

■前半

この日は辻堂駅近くにある「辻庵」というビストロでランチ。「やまゆりポークと湘南キュウリのロールカツ」(1000円)、上品でしたねー。上手いですよ、そりゃ。でも、如何せん、いまだに「好きな食べ物はハンバーグ!」っていう小学生舌には、少しだけ上品すぎたかも。ついでに「辻庵ハイボール」も頼もうと思ったのですが、ウイスキージンジャーエールで割るらしく、糖質制限中の身としては、糖質制限してるぞアピールのために遠慮せざるを得ない。食後、セブンイレブンで買ったハイボールを駅で飲んださ。

ちなみに帰りは藤沢で途中下車して「肉の佐藤」という串焼き屋さんへ。焼きトン、焼き鳥、馬肉ユッケ、牛肉100%メンチカツと、4種類の肉を思いっきし食らいまくってやりましたよ。つくねに対してさほど悪ノリ遊び心がなかったことからわかるようにインスタ映えはしないですし、味も夢見心地になるほどのこともなかったですが、値段を考えると、バカうまです。鬼コスパです。特に馬肉ユッケ580円は、首都圏価格としては相当に安いと思う。苦しゅうない。予は満足ぞよ。

 

さてピッチの状況。湘南で一つ注目したのは、鈴木冬一(といち)。高卒ルーキーながら抜擢されているので、いかにも曹さん好みの、「the湘南スタイル」みたいな選手かと予想していたのですが、実はそういう感じではない。「ハードワークとインテンシティで頑張ります!」ではなく、ダブルタッチとかを駆使する、フットサル出身者風の武富スタイルなんですね。

対する大分については高畑。ていうか、誰やねん!(「てゆうか」で会話を始めるパターン、最近、めっきり無くなりましたね)。そんな高畑(こちらもユース上がりルーキー)、左CBなのにコーナーキックとか蹴ったりする。そうか、札幌の福森みたいなタイプか。だとすると鈴木を挟んだ高畑&岩田の両サイド、めっちゃ攻撃的ですやん。でも、だからといって試合運びが特攻的でないのが片野坂さんの憎いところではありますが。

 

■後半

前半は現時点での順位とは裏腹に湘南がの攻勢にありました。というかテンションでいけば、そもそも湘南のが高い。大分はどちらかというと、テンション的には鹿島系。で、スコアレスで折り返した後半、大分の藤本が先制ゴールを決めます。……ていうか、藤本、上手すぎません? あんなん、止めようありゃしまへん。

その後も大分の「ちゃんとしてる」が際立つ。大分って、今はやりの5レーンサッカーしてます? いわゆるポジショナルサッカー(関係ないですが、ネットとかだと、“ポジショナルサッカー”と“ポゼッションサッカー”が混同しているような気がする)。で、終盤になると守備的な選手を続けざまに投入。守ろうとして守りきったわけです。凄いっす。特に指宿対策で三竿を入れた采配とか。もうね、余裕の逃げ切りですよ。噂通り、大分、なかなかやりそうです。

 

ところで、なんか、湘南と大分って、全体的に雰囲気が似てません? いわゆるエレベータークラブで、名将による長期政権で、3421で、みたいな。元湘南の高山が大分のレギュラーに定着していても、移籍初年度とは思えないくらい違和感がない。で、両チームの相似形は3トップの組み合わせにも明らか。まず、3トップ頂点に位置するのが山崎と藤本。ついつい藤本ばかりにスポットライトを当てがちですが、どちらも、下部リーグから着実にステップアップしてきた成り上がり同士ですよね。

で、2シャドーですが、湘南には梅崎がいて、大分にはオナイウがいる。これまた共通点があって、どちらも期待を背負ってレッズに加入しながら、なかなか本領発揮といかなかった同士です。そして、最後、もう一人が武富と小塚。この二人も似ている。どちらも人並み外れたテクニシャンとして10代の頃から期待されながら、それ以外の部分で壁にぶち当たり燻りつつ、それでも着実に成長してJ1のレギュラーを奪取した選手。共通点の多い湘南と大分には、今後もトップリーグで切磋琢磨してもらいたいものです。

 

仙台の守備と右SB小川〜FC東京vs仙台(5/8)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

3〜5日に3連戦観戦した後、間を開けずに水曜ルヴァン。なんせ、秩父宮でサッカーを見られる機会は、今回で現世最後かもしれない。前回の鳥栖戦は大寒大雨で断念したので、ラストチャ〜ンス。ってなわけで、FC東京なんですけど、好調ですね。すっかり久保君も久保君さんに成長して。このまま突っ走れますかね。ケンタ監督は、1度勝てなくなったときの修正力に若干の不安がなくもないですし。夏の移籍次第ですかね。プラス面もマイナス面も。

対する仙台は、絶賛苦しみ中。オッサン世代的には「メリークリスマスはベリー苦しみます」とか言ってましたが(バブル末期)、それはともあれ、プロヴィンチャの長期政権は難しいようです。というか、最近、プロヴィンチャって言葉を聞かなくなりました? もはや死語⁇ なんてことはどうでも良くって、かつて大分を率いて、この世のものとは思えないような毀誉褒貶を浴びせかけられた田坂和昭にならぬよう、渡辺監督には頑張ってもらいたい。不当な評価をされぬよう。

 

■前半

突然ですが、ワタクシ、都営住宅の住民でございます。なんてことを言うと、一部のネット民は「すわ、マウンティングするぞ!」って押し寄せてきそうですが、四十路の独身オッサン。公営住宅の独り暮らしは、家賃的にはコスパが悪い。でも、建て付けは良い。そこの部分は凄い。で、入居するときの手続きは渋谷でございました。この日の試合の秩父宮は銀座線なんで、ちょい飲みしようと、その渋谷に来たのです。渋谷といえばバスケットボールストリート(わかる人はいるのだろうか?)的な若者のイメージですが、実は都営住宅の本部があるような、戦後は、清く正しく美しく生きた麗しき庶民たちの町という側面がある。ゆえに、昭和ながらの酒場が、主に井の頭線の両サイドに点在しているのですな。この日は、その中でも「鳥竹」という名店を訪ねてみた。基本、大衆酒場って、さほど安くない。チェーン店系居酒屋に毒された(といえば、チェーン店系酒場に関わる人々に失礼極まりない)感覚だと、高く感じる。でもね、それで良いのですよ。なんせ、飲食店の評価は、その人にとっての好みと、その人にとっての心地よさで決められるべきものですので。ワタクシは大満足です。

 

ともあれ銀座線に乗って外苑前へ。この日は神宮でもヤクルトvs阪神をやっていたらしく、大混雑。「…ったく、世界選手権とてアメリカの横暴を正当化する20世紀モデルの、実質ドメスティックコンテンツの影響を、なんで、清く正しく美しい、我らのサッカーが受けなきゃいけないんだ?」なんて感じる人もいたかもしれませんが、ワタクシはそうは思いません()。ただただラスト国立以来、久々に飛び込んでくる都心のド真ん中感に懐かしさを禁じえなかっただけでございます。

ピッチの中を眺めると、ルヴァンですからね、両チームとも、良い表現をすれば、「その時々のベストメンバー」で臨みます。仙台についてはベンチメンバーが一人少なかった模様。兵藤がFW登録での出場だったことを鑑みれば、負傷か何か、直前のアクシデントの類いですかね?

 

■後半

試合は、前半からどちらかというとFC東京のペース。特に高萩と永井は「ホットライン」と呼んでも良いような、良好なコンビネーションで仙台を苦しめていました。でも、この日の仙台の守備は固かった。というか、割り切ってた。後半の頭から久保君さんと東を投入してリズムを変えても、仙台の守備の集中力は乱れない。FC東京が最後のカードとしてディエゴを切ったとき、アウトとなる田川に長い距離を走り寄って声をかけるというイイ奴っぷりを高萩が発揮しても仙台の守備は崩れません。シマオマテ、利きまくりです。というか利きすぎです。90分を通じて仙台は、「これぞ352!」と言わんばかりの、ノーリスクで縦に速く攻める、ハリルホジッチサッカーを完遂。石原の頑張りで時々見せ場を作りながら、基本、専守防衛で、

少しでも良い流れでリーグ戦に臨めるよう、ミッションコンプリート。スコアレスドローとなりました。

ところで関口訓充って最近は最近は左のWBで使われているんですかね。もともとは突貫小僧系のウインガーで右を縦に突破していくイメージも強かったのですが、利き足とは逆の左を老練なプレーで引き締める役割を担っている模様。関口に対峙したFC東京小川も利き足とは逆サイド。というのも、本来の左SBには太田宏介が起用されていたから。太田宏介も、オランダに旅立つ前の輝きがすっかり色褪せつつありますねえ。

ともあれ左利きの右SBとして起用された小川。縦に突破してクロスってわけにもいかないですから、特に前半は攻撃の起点として、パサーの役割を果たしていました。右サイドのスペースに走り込む永井とか高萩とかナサンホとかにスルーパスを出す役割でしたが、よく機能していたと思いますよ。例えるならば、トルシエジャパンで左WBに入っていた小野伸二。セントラルでは高萩が君臨するのですが、その高萩が使われる側としても機能すると、攻撃が非常に分厚くなる。右SB小川は、オプションとしては宜しいのではないでしょうか。