いやぁ、好調ですね、横浜ＦＣ。例によって、監督の手腕であるとか、選手の質とかとは無関係の、構造的問題により苦戦するものと思いきや、なんだか、快進撃じゃないですか。この好調を導いているタヴァレス監督に声をかけるとするならば、「雑音に惑わされず、ストレスに負けるなよ！」ということになります。あと、選手起用は慎重に。負け試合では割り切って忖度采配をしましょう。さすがの裏ボスも、１点を争う試合でメンバーの平均年齢を大幅に上げるだけの選手起用を強要するってことは、ないかと思われますので。
アウェイチームの熊本は、今年から元大宮監督の渋谷さんが率いています。渋谷さんについては、なんとなく最後は低迷して解任されたイメージが強いものの、トータルとしては「大宮で実績を残した」と評価してよい監督さん。開幕ダッシュには成功しましたが、ゴールデンウィークでの連戦では、少し負けがこんできてしまいました。なので、この試合は正念場ともいえる位置付け。大宮を解任されたときも、１度はまった負のスパイラルにのみ込まれてしまった印象もありますから、ちゃんと立て直せる指揮官であることをアピールしたいところ。
■前半
まあ、せっかく港町横浜まで足を運んでいるわけですので、オフコースの歌に出てきそうな風景を楽しみたいわけです、昭和育ちとしては。ってなわけで、山下公園に行く。さすがに港が見える丘公園まで上るのはしんどいので。そうしたら、絶妙にトライアスロンの大会開催中。トライアスロンには何の興味もないのですが、出店がいっぱい並んできて、そこで墨田区のクラフトビールメーカーであるヴィルゴビールが樽生販売中。朝から飲んでしまわずにはいられない。
そこから、１０分程度歩いて中華街へと足を伸ばす。メインストリート沿いの有名店でフカヒレを食べるなんてことは夢のまた夢なんで、リーズナブルで美味しいとの噂を聞いた秀味園というお店で野菜炒め定食を食べて、それからブルーラインで三ツ沢へとむかいました。ちなみにお土産屋みたいなところめみかけたのですが、青島ビールにはスタウトもあるのですね。朝からヴィルゴビールを飲んでなければ買って飲んでいたに違いない。
三ツ沢に着くと、間もなくキックオフ。システムを眺める。ゴールデンウィークに見たときと同じく、横浜ＦＣのフォーメーションは、敢えてわかりやすく表記するならば５３１１。３人のＣＢ、ワイドが１人ずつ、アンカー含めて中盤が３人いて、レドミとイバが縦関係。レドミがだいぶフィットしてきているらしく、柏にいたときのような王様然とした存在感が溢れ出てました。
対する熊本は、ほぼ横浜ＦＣと同じなのですが、違いを強調するなら、５１２２となる。ミソは中山と八久保で構成された２列目の「２」ですかね。なかなか興味深くて、守るときはボランチのように、２列目３人のブロックを形成するのですが、２人とも攻撃にも特長がある選手ということもあり、攻撃においてはＳＨのような位置取りとプレーをする。ＣＢがＳＢっぽくフォローに来るので、サイドはかなり分厚くなってました。
■後半
前半はなかなか引き締まった良い試合でしたよ。互いが互いのゴール前で見せ場を作る応酬。序盤から選手もエキサイトして、緊張感と熱気の溢れる攻防が繰り広げられ、まさに一進一退といった様相。その均衡が破れたのは佐藤謙介が押し込んだ先制点。８割方、レドミのコーナーキックが直接決まったような感じでしたが。そこからイバのゴール（押し込んだ振りした野村はハイエナになれず）。さらにペスンジンのダメ押しで、盤石の展開に。なるはずでした。が、、、、序盤から横浜ＦＣゴール前のブロック攻略に苦労していた熊本も、采配を含め少し横浜ＦＣが緩めすぎたこともあって、皆川の２ゴールで意地を見せました。ツインタワー系の２トップで固定しているっぽい熊本ですが、スルーパスも多いので、裏抜け系を先発起用しても面白いかもしれません。
突然ですが、ワタクシ、昔から何故かヤル気なさそうに見えるらしく、よくわからないままに叱られることが多かったりします。で、プロアスリートに対して大変に失礼ながら、おそらく、この選手も同じタイプかと思われます。「この選手」というのは、横浜ＦＣキャプテンの佐藤謙介です。ボールボーイとかにもツンデレ対応ですし、シレっとダーティなプレーをしたり、現役時代の福西みたいな感じのイメージが強い。
それが、今シーズンになってから、特にこの試合では、気迫の運動量を見せつけてくれてます。右ＷＢ裏のスペースを埋めたかと思いきや、次の瞬間には対角線方向の相手ゴール前に走り込んでいるというシーンが何度もありましたよ。かつてオシムが遠藤保仁に走ることを叩き込んだように、タヴァレスが佐藤謙介を熱血系プレーヤーに変えてしまっているのでしょうか⁈
