「小林監督の苦戦」「山口監督の苦悩」「安間さん」2014シーズンを振り返る・サッカー界を彩る人々

                                  にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村

■小林監督の苦戦[浦和vs徳島(4月16日)]

 

この試合に敗戦したことで、ヴォルティスは開幕8連敗(リーグ戦+ナビスコ)となりました。小林監督、苦戦していますね。プレーオフを勝ち上がって昇格を果たしたプロビンチャは、往々にしてJ1では大苦戦します。なので、徳島の苦戦も予想できなくはなかった(大塚がもう少しバックアップするのかな、とも期待してましたが)。とはいえ、率いるのが同じような状況の山形や大分を残留させた小林さんですから、もう少し楽観視してました。なぜ、山形や大分でできたことが、徳島ではできないのか。これは小林さんが錆び付いたとか、徳島というクラブそのものに何らかの欠落があったというよりも、“時代の変化”というところに帰着するんじゃないかと思うのですよ。

 

 

同じように、かつては結果を残していた監督が、なかなか好成績を収められなくなっていったという事例としては、三浦俊也松田浩なんかが挙げられますが、なんか、これらの監督さんたちって、どことなく似ていませんか? つまりですね、大雑把に括ってしまうならば、これらの監督さんたちって、「きれいな2ラインを形成して、守備組織を整備する」とか、「前線の選手にもハードワークさせ、組織として戦う」って戦術を植え付けるのに秀でた指導者だと思うのですよ。ただ、そういう「組織的な守備」とか「前線からの連動した守備」なんていうのは、もはや、全てのチームにとってのデフォルトになっているわけで、それだけでは、もはや加点対象とはならない。前向きに捉えるならば、全体のレベルが上がったことで、もはや小林さんとかの長所が長所でなくなってしまったと言えるのかもしれません。

 

 

 

 

 

■山口監督の苦悩[横浜FCvs長崎(6月7日)]

野球の世界には「二年目のジンクス」という言葉がありますけれども、サッカーではあまり聞きませんよね。でも、歴代の横浜FC監督はかなりの確率でこの法則に飲み込まれて、山口監督も、どうやら、その例外ではないご様子。外野から見ていると“試行錯誤”なのか、“右往左往”なのかわからないような用兵が見えて、この試合では仙台から移籍してきた松下年宏が起用されていました。登録はFWでしたけど、2列目の左サイドに入ってましたかね。

 

 

ボランチに視線を移すと、アン・ヨンハ松下裕樹という組み合わせ。テクニシャンの佐藤謙介は干されているのか、コンディションの問題だったのか。ともあれ、熟練した肉体派コンビが中盤を引き締めます。ちなみに両SBは市村と西嶋。市村といえば長く看板選手としてロッソだかロアッソだかの熊本を支えてきた選手で、西嶋は柳下政権期の札幌において重宝されていた記憶があるので、とても息の長い活躍をしている選手ですよね。

 

 

まあ、どういうことかといいますと、野上など若手も起用されていなくはないですけど、全体的にベテラン偏重な起用法になっているということです。もちろん、ベテランを使うのが悪いというわけではないのですが、もともと若い選手の起用にも積極的だった指導者が、徐々にベテラン偏重になっていくというのは、あまり宜しくない兆候。要は目先の結果に目を奪われているということですから。本エントリーがアップされる頃、山口監督はどうなっているでしょうか?

 

 

 

 

 

■安間さん[東京ヴェルディvsカターレ富山(9月20日)]

いやあ、カターレの監督になってからの安間さんは、苦闘の連続でしたね。甲府の監督をやっている頃は選手の絶対的な指示を得つつ、それなりに結果を残していましたよね。ただ、途中でGMとして加わった佐久間さんには評価されなかった。というか、なりふり構わず盟友の三浦俊也を監督に据えたため、押し出されるように甲府を追い出された。で、コーチを経て、富山の監督に。ただ、富山では甲府の頃のような手腕は発揮できないまま。

その要因をツラツラ考えますと、まずは安間さんの個性として、そもそもコーチ向きなのではないか、というような気もします。出している結果に比べて異様に選手からの指示が高い。おそらく、選手個人を成長させる手腕には、相当なものがあるのではなかろうか。特に、若い選手たちが安間さんを慕っているようですから、或いは、“コーチ向き”というより、“ユース向き”って可能性もありますよね。逆にいうと冷酷さに欠けるのかもしれません。

もう一つ考えられる要因としては、環境面ですね。人間、本人がいくら優秀であっても、周囲のサポートが足りなければ結果は出せない。予算面の問題であれば、それでも、「それなり」が追求できると思うのですが、富山というのは、もともとは親会社がしっかりしたクラブですから、こういうクラブの悪いパターンとして、「サッカーに対する愛のない出向社長が足を引っ張る」というのがえる。まだ「任期中トラブルを起こさないことだけを唯一の目標とお役所仕事」くらいなら良いのですが、「素人が勘違いして口だけして、権力を行使する」ってことになると、かつてのどこぞの黄色いチームみたく、目も当てられない状況になりますからね。真相はわかりませんが、安間さん、U22選抜とかの監督には向いていそうです。