怒涛の後半45分〜横浜FCvs山形(6月17日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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山形の最終ラインに入っていた高木利弥は、かつて横浜FCの監督をしていた高木琢哉の御子息。そういう意味ではアジアの大砲ダービーですかね。

■前半

今シーズン好調の横浜FC。それを支えているのは、一に、イバ。二にもイバ。三、四がなくて、五には、両WBのビルドアップ参加だと思っているのですが、最近は少しずつ対応されるようになってきたのかもしれません。この試合でもイバは徹底的にケアされてました。基本は菅沼がマークしていて、しかも菅沼は奮闘して押さえていた。そして、そこに左右CBの高木や茂木、さらには本田拓也が挟み込んでいくもんだから、さしものイバも身動きとれない。

 

 

両ワイドについても、この試合は3421同士のミラーゲームだったから、そうそうWBも自由になれない。序盤の横浜FCは、しばらく攻撃の糸口が見いだせないままでおりました。おりましたのですが、そこはタレント集団、津田あたりがオフサイドにならない絶妙な抜け出しで状況を打開すると、それにヒントを得たのか、イバも貰うというより抜け出す系の突進を見せるようになり、そこからは横浜FCのハーフコート状態。

 

 

一方の山形。山形で目を惹いたのはWボランチですね。本田拓也と中村駿の。なかなか魅惑的なWボランチてすよ。クラッシャー系の本田拓也と、ファンタジスタ系の中村駿。役割分担が絶妙です。で、それぞれの動きが山形のアタッキングを象徴している。まず、山形の攻撃として目立ったのが、プレスをかけて奪ってからの速攻。本田拓也のプレースタイルがそれを体現していくようなイメージですね。出て奪う、そして、ロングパス、みたいな。

 

 

山形の攻撃として、もう1つ目立ったのが、低い位置からの丁寧なビルドアップ。その起点となっていたのが中村駿で、高い位置でタクトを振るというより、最終ライン近くまで貰いに行ってから、攻撃を形作っていく。これはこれで様になっていた。ただ、途中から横浜FCがペースを握って押し込まれるようになると、なかなか収まり所が見つけられなくなりました。阪野をはじめ、前線の選手たちもカラダを張っていましたが、なかなかポストワークがままならなかった。

 

 

 

■後半

山形としては、かなり厳しい状態でハーフタイムにこぎつけたわけですが、木山監督は適切に修正を加えてきました。後半に入ると、見違えるようにボールが繋がるようになっていた。キーワードは“流動性”と“距離感”でしょうか。まず、“流動性”ですが、後半に入ってからは、沙木と瀬沼の両シャドーが、かなり低い位置まで下りてきて、ボールを貰うようになりました。これで、出し手としても出し所が出来て、ボールも回るようになる。

 

 

もう1つ、“距離感”ですが、後半の山形は両WBの山田と瀬川が高い位置を取るのは勿論のこと、それをさらに茂木と高木のCBが何度も何度も追い抜いていった。シャドーが下がって、WBとCBが上がるのだから、必然的に選手同士の距離感がとてもよろしくなります。そして、気がつげは中村駿と本田拓也が最終ライン近くでフリーになってる。最終ライン近くといっても、相当、高いラインになっているので、フリーなのに、チャンスに直結するパスが出せるという状況。そりゃ、山形のペースになるってもんです。

 

 

そうやって山形がイニシアチブを握るものだから、うまくいかなくなった横浜FCは、というかイバは、とてもとてもエキサイトしだす。本田拓也が後ろからチャージかけたときにブチきれるくらいなら、まだ許せたのですが、前半から執拗に(かつ、おそらくダーティーに)チェックしてきた菅沼に対して堪忍袋の緒が切れたのか、肘うちとかしちゃうもんだからタチが悪い。

 

 

で、肘うちというのは伝染でもするのでしょうか、全然違う場面では、佐藤謙介が阪野に肘うちした、らしい。阪野の演技かもしれないですけど、まあ、全体として、そういう試合展開になっていったということです。そんな中でも我々に癒やしを与えてくれたシーンもあって、本田がカルフィンヨンアピンにアフター気味のファールをしたのですが、そのときは、元チームメート同士だからでしょうか、バグして仲直りしてましたよ。そして、ラストワンプレーで瀬沼が決勝ゴールを決めましたよ。

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

茂木力也

□推薦理由

いやあ、本文でも軽く触れましたけど、後半になってから、それはそれは、前の選手を追い越しまくりでしたよ。右CBのはずが、プレー自体は右SB、しかも、イケイケ系の。SBでも、そこまでオーバーラップしないっすよ!みたいな。この選手の、このスタイルは木山監督のもとで花開いたんですかね? それとも、ミシャさんの薫陶を、今になって表現できるようになったということなのか。ともあれ、ミシャ好みっぽいCBに成長してます。

 

 

付言しておきますと、逆サイドの高木も同じような感じでしたよ。高木はもともとWBの選手だったと記憶してますが、DNA的にフィジカルのポテンシャルが高いのでしょう、知らないうちに1列下がったポジションになってました。ってのはともかく、茂木です。この選手の良さは、槙野とか闘莉王とかと違って、オーバーラップして攻撃が終わった後もチンタラせずに、ちゃんとダッシュして持ち場に帰ってくるところ。スピードもありますね。