□両チームともリスタート
さあ、開幕です。今年の東京Vはどうなんでしょう?昨シーズンほとんど戦力化できなかった大久保がJ1で先発出場してゴールまで決めましたけど、永井さん&ヴェルディサポの胸中や如何に? ヴェルディ的に朗報は執行部が入れ替えになったことではなく、(おそらくそれに付随して)ラモスが役職を退任したことかもしれませんね。これで来シーズンからはもう少しバランスの良い強化がなされるのではなかろうか。
対する愛媛ですが、新監督は、和泉茂徳さん。「和泉茂徳」と書いて「よくわからないおじさん」と読むという説もあるとかないとか。やたらと内輪の評価が高かった前任の川井さんですが、正直、成績面は数字的に散々なものでしたし、内容についても「アバタもエクボにも程がある」というのがワタクシ的な評価でしたので、1歩か半歩の前進ではあるのでしょう(2歩後退になるかもしれませんが)。何はともあれお手並み拝見。
□継続のヴェルディと慎重な愛媛
それにしても東京Vは今年も、ありふれた433ですよね。ワイドストライカーやらなんやらヘンテコなポジション名を創作してますけど、紛うことなき433。政策の中身は何一つ考えないけど、ヘンテコな横文字新語を作って何かやってる感を出す。そういう知事さんが巨大自治体におりますよね。そのあたりさすがはヴェルディ、東京をホームタウンとするサッカークラブだけあります。カタカナ新語の創造には余念が無い。…まあ確かにISHが横幅を取ったり、CFがボールを受けに引くことがあったりみたいな特性はあるんですけどね。でも、CFが端戸だと比較的シンプルな433になる。端戸が下がって阿野がCFに入った時間帯があったのですが、その時は確かに阿野がトップ下で、両ワイドがウイングという関係になっていました。あるいは理念的にはこちら仕様の設計図なんでしょうね。
対する愛媛は、両SHにゴリゴリのアタッカーは置かずに、ボランチを主戦場とする長沼とSBの実績も豊富な小暮を配置。前半は守備やバランスを重視する戦術的な戦い方をするつもりだったのでしょう。攻撃は少ない手数でツートップにシュートを打たせるモダンな縦ポンサッカー。といえなくもない可能性がなきにしもあらず。
□一方的なタコ殴り
比較的静かな立ち上がりとなりましたが、それなりに両チームとも相手ペナルティへと押しかけておりました。あえて違いを指摘するなら、愛媛はシュートへの意識が高くて、ヴェルディは形への意識が高いといった印象。そういう場合は愛媛が先制しそうなものですが、実際はヴェルディがハーフタイムまでに2点を先行。1点目は小池の巻き巻きシュートで、2点目はクロスからやはり小池が腰をひねったシュートを決める。ヴェルディは勢いそのままに後半も攻勢をかけ、愛媛守備陣のクリアミスを山本理仁が見逃さずダメ押しの3点目。そのまま愛媛は為す術なく完封負けを喫しました。
□ヨーロッパのトレンドは縦ポンではなかった
この試合の愛媛を見ていて思ったのは、昨今の欧州サッカーシーンでトレンドとなっている、「守られる前に攻めきる」というスタイルは偉大なんだなぁ、ということ。一見、20〜30年前に日本サッカー界を席巻した“縦ポン”と同じように見えるじゃないですか。だからこの日の愛媛もヨーロピアンモダンの速攻サッカーをやっていると当初は評価していたのですよ。でも、ヨーロッパの強豪は、さっさと攻め終えて相手のターンにしても、ボールを持たせて平気な守備力がある。それから、相手とて常に最低限のバランスを担保して守ってるなか、そこのバランス担保を上回る精度でロングキックを蹴っている。何よりも、ボールを奪った瞬間に誰かがフリーになれる状況を作るための準備作業を水面下でキッチリやってるんだと思うのです。だからこそ縦ポン風でも美しい。逆に、それらの要素を備えることなく、「奪ったら最少の手数で!」ってやっても、結局それは20〜30年前の縦ポンと何一つ変わらないんだな、ってことをこの日の愛媛は証明してくれたと思います。
□餃子を食らう
帰りは安心安全、そして安定の一人飲み。コロナ禍にあって苦境の飲み屋さんを、なんのリスクもなく手助けできる魔法の呪文、それが一人飲み。ということで池袋の「アガリコ餃子楼」へ。居酒屋の味にカスタマイズした餃子やら焼売やらが10種類以上ある。1皿ずつは小ぶりで安価なので、一人飲みでも複数の種類を楽しむことができる。これ、一人だから良識的にサクッと帰りましたけど、誰かと来てたらヤバいっすね。当然ながら、やや濃いめの味付けになっているんで、まんまとビールが進む、進む。
近くに「アガリコ」っていう大人気のエスニック風バルがあって、たぶんそこのスピンオフだと思われます。「アガリコ」にも行ったことがあって、餃子楼も含めて、立教大学がバリバリに対面授業を再開した暁には混雑を極めるのでしょうから、行っておくなら今かもしれません。