京都は旋回しすぎてないだろうか?〜東京Vvs京都(7月30日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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平日のナイトゲームですが、営業努力の成果か、ヴェルディとしては週末並みの3000人台。しかも3333人。いかにも読売グループが好きそうな数字が並びました。

 

 

■前半

ヴェルディも京都も、かつてはショートパスを繋ぎ倒すサッカーを志向していたチーム同士ですよね。ヴェルディについては「ヴェルディ川崎」と名乗っていた時代、京都は最近まで率いていた大木さんのサッカーによって。それがすっかり様変わり。両チームとも縦への意識が非常に高いサッカーを展開していました。まあ、ブラジルワールドカップでのトレンドでもありますしね。特にヴェルディのサッカーは、躍進した中南米勢っぽさがなくもなかった。

 

 

逆に京都の場合、一回り前のトレンドに近いような。すなわち、フォアチェックのフォア具合がフォア過ぎる。ブラジルWCでは、自陣におびき寄せてから網を仕掛けるのがトレンドだったように思いますが、そういうのではない。どちらというと南アフリカで守備的になる前の岡ちゃんとか、ロンドン五輪での関塚さんのサッカーに近い。なので、割とあっさりスペースを攻略されたりする。田村に華麗な先制点を献上してしまう。

 

 

攻撃に関しては、互いに縦への意識が高いながらも、実は少しイメージが違う。ヴェルディの場合、少なくとも前半のうちは縦ポンで前線を走らせるか、サイドから手数をかけないシンプルなクロスで攻撃を終わらせるスタイル。一方の京都は大黒や山瀬といった実力者がいるからか、まずは中央でのポストプレーを起点としようとする。あるいはサイドから攻める場合でもワンツーを織り交ぜながらドリブルで局面を打開しようとする意図が強い。

 

 

なので、縦ポンで割り切っているヴェルディでこそ大黒は輝きそうな雰囲気がありました。大黒の場合、数年前にヴェルディに所属していましたしね。逆に京都においては、大黒ではなくヴェルディのベンチを温めていた平本がCFに入った方が機能したかもしれない。絶好調時の平本のポストプレーや強引なドリブルは「さすがは読売育ち!」と思わせるに十分な破壊力がありますから。この辺りは皮肉っちゃ皮肉ですが、世の中そんなものなのでしょう。

 

 

 

■後半

後半に入ると京都の「今ひとつ良くないなあ」ってのがイロイロ出てきました。端的に述べると、“大黒依存症”とも言うべき症状が発症していた。確かに一発で裏を取って決めきってしまいますから、その武器を使わない手はないんですが、「とりあえずアバウトでも大黒に!」って雰囲気があって、1つ1つのビルドアップが、やや雑に感じられました。特に工藤なんかは「大黒に片思いか!」ってくらい大黒ばかり見ていた。

 

 

司令塔の工藤が大黒目掛けてサッササッサとパスを入れていくから、全体的として物凄く攻め急ぐような感じになる。それでも、山瀬がボールを収めたときには、しっかりとボールを繋いで攻撃する感じになって、同じ左サイドの駒井とのコンビネーションが威力を発揮していましたが、逆サイド、伊藤と石櫃のサイドはドウグラスを投入して442に移行するまでは、ほぼほぼ機能不全に陥っていた印象があります。442になってからは良かったですけど。

 

 

ただ、ドウグラスが入ったことで、同時に、それまで以上に「とりあえずFWに!」って雰囲気も強くなってしまって、結果として、グラウンダーの横パスやショートパス交換が極端に少ないサッカーに終始してしまっていました。要するに、大木さんのサッカーの真逆のサッカーになっているのですね。京都サポが去年まで抱えていたストレスは「どんだけパスを回しても点は入らないよ!」って類だったと推察しますが、いくら不満だからって、そこまで真逆にならなくてもいいのに・・・

 

 

これは、どういうことなんですかね? 現場とフロントが一体となって意識的に方向性を改めているのか、それとも、単にバドゥ監督が大木さんの遺産を食いつぶしたって感じなのか。というか京都サポのバドゥへの評価ってどんなもんなんでしょうか? 状況的には、西野政権が幕をおろしたときのガンバに似てなくもないですけど、セホーンとか、そういったレベルの評価なんですかね。いずれにせよ、去年までの京都スタイルは完全に清算されてしまったようです。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

駒井善成

□推薦理由

以前からドリブルの技術と、相手ディフェンダーを置き去りにするアジリティーには定評のあった若手のホープですが、そのあたりのキレっキレ具合は、この試合でも健在。ドリブルで対面する田村をペンペンにしたり。最近は左のSBとして起用されているみたいですね。同じくドリブラー属性の高い山瀬とは上手くシンクロするらしく、スタミナが切れるまでは、2人のコンビネーションからの崩しがヴェルディの脅威となっておりました。

 

 

守備に関しては、狙い撃ちされてアップアップになるって印象はさほど受けませんでしたが、守備の技術そのものはなんとも言えないところ。サイズ的にぶつかり合ってのディフェンスは厳しそうですね。そういう意味では、十分に強いフィジカルを拠り所としてSBへとコンバートされて成功した米倉とは、少しジャンルが違うかもしれません。むしろ、足元の技術とサイド適性を見込まれてコンバートされた三都主に近そう。いずれにせよ、サイドプレーヤーとしてのブレイクが期待されます。