見応えある決定力不足〜相模原vs盛岡(4月10日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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日曜日は女子美術大行きのバスに乗ってギオンスタジアムへ。

■前半

いやあ、ちゃんとしてましたね〜、両チームとも。ここ何試合かは、悪い言い方をすれば“ちゃんとしてない”試合を続けざまに観戦していたので、なかなか感動しましたよ。ここでいう“ちゃんとしてる”とは、つまり、“ボールを大事にする”という意味に近い。まず盛岡。ここまで3戦3敗だったので、果たしてどんなものかと見ていたのですが、キックオフから2人3人が絡むサイドアタックはあるわ、ルックアップからサイドチェンジはあるわで、ちゃんとしてるのですよ。

 

 

対する相模原は、もっとボールを大事にする。相模原の中盤には坂井、岩渕、菊岡と、視野が広いゲームメーカーが揃っていますから、J3でありながら“ビルドアップ”という概念が存在しているのですね。“縦に速く”の名のもとに、狙いがあるのかないのかわからない縦のロングパスが目立つようになってきた昨今のサッカーシーンにおいて、J3というステージでありながら、両チームとも丁寧にパス交換を積み重ねていく試合は、なかなかお見かけできません。

 

 

そんな両チームですけど、それぞれキープレーヤーがおりました。相模原のキープレーヤーは服部。いくらパスを回そうとしていても、日本のサッカーですから、デフォルトとして相手のハイプレスがある。そこをかいくぐらないことにはパスサッカーも何もない。そのハイプレス回避術として、相模原には服部というターゲットマンがいた。苦しくなったら、あるいは、出しどころがないときは、この選手に向けてロングボール。ターゲットマンとして奮闘してました。

 

 

対する盛岡のキープレーヤーは牛之濱拓。ついつい“濱之拓牛”とか“拓之牛濱”みたいな言葉遊びをしたくなる名前ですけど、そんな牛之濱、さすがはアビスパでも最低限の出番は得ていた選手だけあって、盛岡においては圧倒的な存在感を示していました。終盤はヘバってクオリティを維持できなくなりましたが、それまでは使う側としても、使われる側としても出色の出来。盛岡のチャンスは、ほとんどこの選手のいる右サイドから生まれました。

 

 

■後半

ともあれ、前半は相模原がやや優勢に見えました。しかし、後半は盛岡も盛り返します。相模原と違って盛岡はあまりロングボールを使わなかったのですが、その背景にはFWで10番の谷村憲一という存在があるのかもしれない。サイズのある選手なのでヘディングに特徴があるのかと思いきや、どちらかというと足下のテクニックに強みがありそうですね。フィニッシャーというよりも、チャンスメーカーとして目立つシーンが多かった。イメージ的には平山相太に近いプレースタイルかもしれません。

 

 

後半は、そんな谷村にグランダーのボールが入るようになった。そうすると盛岡としてもリズムが出てくる。リズムが出てくるとフィフティのボールも拾えるようになる。後半の最初25分くらいの間、盛岡のセカンドボール回収率は、少し異様ですらあった。その中心にいたのが垣根と益子によって構成されたWボランチ。相模原がクリアをしてもしても、ことごとく、この2人の前に転がっていった。盛岡が一方的に押し込むシーンが続出してました。

 

 

そして、さらに盛岡にはジョーカーまで用意されていた。途中出場で林勇介が出てきたのです。高校選手権のスター。ボランチの位置に入ると、役者が違うとばかりの細やかなボールタッチで状況の打開を図る。視野の広さといい、止める蹴るの正確さといい素晴らしかった。素晴らしかったのですが、その分、セカンドボールの奪取率は低下します。なので、チャンスになったときにはゴールまでの距離が縮まる一方で、チャンスの数そのものは減るというジレンマに盛岡は陥ります。

 

 

対する相模原は、いかにもジョーカーというカードはなかったですが、後半はポゼッションからの崩しではなく、ショートカウンター気味に裏抜けするところから決定的なチャンスを生み出していて、シュートまで持ち込む数も少なくなかった。総じて、両チームとも「あと、もう一歩!」とか、「キーパーのファインセーブさえなければ!」ってシーンが交互に訪れる見応え抜群の攻防がタイムアップまで続きました。良い試合だったと思います。

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

・岩渕良太

□推薦理由

ご存知、なでしこ岩渕真奈のお兄さんですね。明治大学から松本山雅に入団。いまは相模原におります。選手名鑑を見る限り、あまり妹さんには似ていないように思われたのですが、少し操作を加えるとソックリなような気もしてきた。というのも、昔、佐々木監督が岩渕真奈に対して「スギちゃんに似ている」と発言しましたよね。ニュースで伝わる限り。で、スギちゃんに似ているかどうかの2択をするならば、似ているんですよ、岩渕良太も。

 

 

これが人間という生き物の認識力の面白いところ。「岩渕真奈=岩渕良太」が成立しなくても、「岩渕真奈=スギちゃん」「スギちゃん=岩渕良太」となると、三段論法として「岩渕真奈=スギちゃん=岩渕良太」つまり、「岩渕真奈=岩渕良太」が成立するように思われてくる。もっと言えば「岩渕良太=スギちゃん」「スギちゃん=ワイルド」ゆえに、「岩渕良太=ワイルド」も成立するのではないかと。いまのハリルジャパンに足りないのはワイルドさかもしれないので、推薦しておきましょう。